「MAGI-天正遣欧少年使節」登場人物キャストとあらすじ感想ネタバレなしダイジェスト版
Amazonオリジナルドラマ「MAGI–天正遣欧少年使節」を見ました。
「MAGI」とは新約聖書の東方三賢人のことです。
聖書に、キリストが誕生した時、星に導かれて3人の男たちがやって来たという一説があり、ローマ市民は日本の使節の来訪をこの三賢人になぞらえ、歓迎したと、ドラマではそう言っています。
天正遣欧少年使節
天正遣欧少年使節は、1582年から1590年にかけて日本からヴァチカンへ派遣された4名の少年のことです。
使節は九州地方でキリスト教を学んでいた生徒の中から選ばれました。
この使節団の計画を立案した人物や同行した司祭、4人の少年などが、そのままドラマ「MAGI」の登場人物です。
「MAGI-天正遣欧少年使節」の登場人物
各キャラクターの性格等は、ドラマMAGIの中のものです。
すべて実在の人物ですが、本人の人柄、思想と一致するかどうかは不明です。
イエズス会
アレッサンドロ・ヴァリニャーノ
巡察師
日本人司祭を育成したいと考え、少年キリシタンをローマへ派遣する計画を立てる。
ヴァリニャーノには、イエズス会の中で権力を得たい気持ちもある。
ディオゴ・メスキータ
演:ボブ・ワーレィ
布教活動のため日本に滞在する司祭でローマへの旅に同行する。
ヴァリニャーノをあまりよく思っていない。
ルイス・フロイス
演:ジリ・ヴァンソン
イエズス会士
この人の書いた「フロイス日本史」は、ヴァリニャーノが「読み切れない」と言ったほど長い。
フランシスコ・カブラル
演:グレッグ・デール
布教活動のため日本に滞在する司祭。
メスキータに「ヴァリニャーノの近くを離れるな」と指示する。
元軍人でなかなかにアグレッシブ。日本をあまり好きはなかったみたいですね。
4少年
伊東マンショ
演:野村周平
本名は伊東祐益。
城主の息子だったが島津の侵攻で落城。家族の中でひとりだけ逃げのび、キリシタンに育てられる。
出航のときにはまだキリスト教を信仰していない。
マンショが船に乗ったのは、信長が「旅に出よ」「バテレンの言う愛とは何か。帰国して教えよ」と言ったから。
千々石ミゲル
演:緒方敦
本名は千々石紀員
戦国の世では日本にいても明日がどうなるか分からない。ならば船に乗り新しい世界を見よと母に言われて旅立つ。
旅の途中でカトリックへの疑問を強く持つ。
中浦ジュリアン
演:森永悠希
病弱なため母親は旅に反対しているが、本人の意思が固く乗船。
隔離される伝染病患者の看病を願い出た信者の行為に感銘を受け、そんな強さを身につけたいという思いからローマを目指す。
原マルティノ
演:井之脇海
語学が堪能な秀才。ガリレオを尊敬している。
海外の文化や学問への探求心から乗船を志願した。
同行者
コンスタンチノ・ドラード
演:佐野岳
日本とポルトガルのハーフの青年
ゴアから旅に同行し、各地で通訳を務める。
MAGI-天正遣欧少年使節のあらすじ※ネタバレなし
参考:ネタバレ詳細あらすじリスト
1話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第1話長崎篇あらすじ感想など-Shimoからローマへ
2話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第2話京都篇あらすじ感想-マンショと信長
3話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第3話ゴア篇あらすじ感想-ミゲルの憤り
4話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第4話リスボン篇あらすじ感想-フィリペ2世と信長の刀
5話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第5話マドリッド篇あらすじ感想-刺客とロザリオ
6話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第6話フィレンツェ篇あらすじ感想-熱病とガリレオ
7話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第7話フィレンツェ篇あらすじ感想-ビアンカ公妃の舞踏会とマンショの身元
8話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第8話ローマ篇あらすじ感想-法王に会う理由
9話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第9話ヴァチカン篇あらすじ感想-ローマ法王が少年たちに与えたもの
10話
「MAGI-天正遣欧少年使節」第10話最終回あらすじ感想-問い続けるということ
ネタバレなしのダイジェストあらすじ
安土桃山時代。
アジアへ勢力を伸ばしたいカトリック教会は日本へも宣教師を派遣します。
特に九州地方ではイエズス会の布教活動が活発でした。
ヴァリニャーノ巡察師は、日本人司祭を育成するべきだと思っています。
多額の費用が必要なその計画の実現のためヴァチカンに日本を印象付けたいヴァリニャーノは、日本の少年信者をローマ法王に謁見させることを考えつきます。
日本からローマまでは2年以上の船旅。
嵐や日照りで死ぬかもしれません。
それでもヴァチカンへ行きたいと志願する若きキリシタン、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノ。
そしてもうひとり、キリストを信じていない孤児祐益が、形ばかりの洗礼を受け、伊東マンショという洗礼名で一行に加わります。
旅の途中で知る、社会の暗部、権謀術数、大人たちの矛盾を、潔癖な十代の少年たちがどう受け止めるのか、それに対して大人たちはどう答えるのかを描いた物語です。
はい。私はキリスト教がテーマとは感じませんでした。
(製作した方々の意図とは違う感想を持ったかもしれません)
MAGI-天正遣欧少年使節ネタバレなしの感想
落胆した時人生は始まる
少年たちは船に乗り、様々なものを見ます。
キリスト教に疑問を抱くことも。
大人たちはそれに答えられず、少年たちを落胆させます。
でも、その落胆こそがスタートラインです。
落胆した時、人生は始まるのです。
4人の船が行くのは、青春という海です。
波は高く、昼と夜とが目まぐるしく入れ替わり、翻弄される自分をすらどうすることもできない。私たちの誰もが知っているあの嵐の海です。
十代とは、社会への疑問に満ちているものです。社会への怒りと言ってもいいかもしれません。
彼らの胸に宿った問いは、宗教という枠におさまるものではなく、何が正しく、自分はどう生きればいいのかという「青春の問い」です。
美しい聖堂で日本の少年ががローマ法王に質問をぶつける、その無垢な情熱に胸が苦しくなります。
とても怖いと感じたのは、法王の答が取り繕っただけの既製品だったら彼らが本当に失望してしまうから。
でも法王は、人生の純朴な謎を心に問い続ける人でした。
よそ行きではない本当の言葉を話し、これからも問い続けると法王が言う時、答を探し始めたあの日からずっと心に詰まっていた何かがすっと溶けたように感じました。
十代の特権を失っても忘れてはいけない青春の問い
私はもう、人生の疑問を誰かに真っ向からぶつけていい年齢ではありません。
あれは十代の特権です。
でも
青春の問いを忘れたら、薄っぺらい中年になるだけ。
誰にも聞けず誰も答えてくれない命題を心に問い続けけなければ。
そんな気持ちになれるドラマです。
大きなテーマを扱ってはいますが、物語はシンプルに分かりやすく進行します。
キリスト教徒でなくても問題なく見られます。
※ポルトガル商船の日本人奴隷運搬や、宗教を足掛かりに他国を手中にする策略、キリシタン弾圧などにも言及している作品です。
これらの要素について、どれくらい事実に忠実に描かれているかは調べていないのでなんとも言えません。