本ページにはプロモーションが含まれています

「MAGI-天正遣欧少年使節」第3話ゴア篇あらすじ感想-ミゲルの憤り

2019年2月16日

MAGIマギ天正遣欧少年使節てんしょうけんおうしょうねんしせつ」第3 話のあらすじと感想など。

ネタバレしています

MAGIは、アマゾンプライムビデオで見放題配信されています。

先にドラマを見るのをおすすめします。

ネタバレなし版はこちらに

「MAGI-天正遣欧少年使節」第3話あらすじ

ミゲルとマンショ下船?

少年たちは、鎖につながれた日本人が同じ船に乗っているのを知ります。

深夜、男たちに連れていかれた日本の少女を助け出そうするミゲルマンショは、船員と殴り合いになります。

騒ぎに気付いたヴァリニャーノメスキータがケンカを止め、「日本の商人が売った奴隷たちだ。売った日本人が悪いのだ」と言うので、少年たちはそれ以上何も言えなくなってしまいました。

マカオに着くと奴隷たちは船を下ろされ、繋がれたままどこかへ歩いて行きます。

少女は、船の方を振り返り、じっとミゲルを見ますが、黙って見送るほかありません。

ミゲルは「今度の寄港地ゴアで船を降りる」と言い出しました。

見かねたマンショは、ヴァリニャーノに「あの者たちは積み荷に過ぎないのかというミゲルの問いに答えろ」と迫りますが、ヴァリニャーノは何も返答しません。

答えがないことを知るとマンショも降りると宣言

そんな時ヴァリニャーノがインド管区長に任命され、ゴアから動けなくなります。少年使節を教皇に会わせたくない者たちの陰謀でしょう。

ふたりが旅から降り、ヴァリニャーノはゴアに釘付け。

遺欧使節の計画は瓦解寸前です。

疲れにショックと怒りが重なったためでしょう。バリニャーノは倒れてしまいます。

ポルトガルと日本のハーフ青年ドラード

ゴアでドラードという男が新たに旅に加わり、ヴァチカンまで同行するそうです。

日本人とポルトガル人のハーフで、日本語もポルトガル語も話せる青年です。

ドラードからヴァリニャーノは自分のしていることが正しいのかどうか答えを探しているのだと聞いたマンショは、旅を続けようと思い直しました。

マンショには信長から預かった問いがあります。

「イエスの愛とは何か」

「自分を信じてまっすぐに生きるとはどういうことか」

教皇に聞いてその答えを教えよと、信長は祐益すけますに命じたのです。

その約束を果たさなければなりません。

マンショはミゲルを説得したりなどしません。

「帰りたければ帰れ。俺は答えを探しに行く」とだけ。

信長の死

ゴアを出発した船は凪の海で動けなくなり、暑さと水不足の生き地獄と化しました。

ミゲルもいます。

ミゲルにも探すべき答えがあり、それを探しに行こうと決めたのでしょう。

ようやく風を得た甲板で、マンショは信長の死を知ります。

その知らせはゴアに届いていましたが、出航までマンショには黙っているよう、ヴァリニャーノがドラードに言い聞かせていたのでした。

教皇の答を伝える相手はもういません。

それでも船は西へと進んでいきます。

「MAGI-天正遣欧少年使節」第3話感想

ドラマ「MAGI」は4人の少年たちが旅を経て成長していく物語で、その過程でそれぞれが憤りや苦悩に直面します。

第3話では、ミゲルが大きな疑問にぶつかります。

教皇のもとへ向かう船に日本人奴隷が乗船しているという事実。まだ12,3歳にしか見えない少女が水夫の慰みものされているのを知っていながら黙認する司祭。

高潔な理想を胸に旅に出た少年たちにはとても消化できないショッキングな現実でしょう。

ここでもイエズス会士の言うことはなんだか的外れです。

「日本人が売ったのだから日本人に罪がある」

それはその通りなのですが、今問題になっているのは、奴隷を助けずレイプを許すのかということであって、元々の責任が誰にあるのかは別の話です。

ミゲルを傷つけているのは、奴隷の存在それ自体よりも、「大人たちは都合の悪い現実から目をそらす言い訳を心得ていて、尊敬していたパードレも汚れた大人と変わらない」という事実です。

ヴァリニャーノはそれを分かっているから答えられなかったのでしょう。

ヴァリニャーノが熱に浮かされながら、自分の行為を自問していたと聞いたマンショが、旅を続けようと思い直すのは、この作品を象徴するようなエピソードです。

少年たちは問い、大人たちは訳知り顔で答えるものです。

でもそれが本当の答なのか。なぜ簡単に答えられるのか。

答えないのが一番正直な答ではないのか。

信長がマンショに託した問いは、マンショへの謎かけだったのかもしれません。

信長か聞いているのは、人生の意味そのものであり、出来合いの言葉で表現できるような生易しいものではありません。

信長とマンショの間には、テレパシックに通じあうような何かがありました。

信長が死んでもマンショは旅を続けます。

今では信長の問いがマンショ自身の問いであり、追究しなければ自分という存在がどこかへ消えてしまう。そんな気持ちでいると思います。

日本人奴隷について

ポルトガル船が日本人奴隷を売買していた話は、Wikipediaにも。

イエズス会がやめさせようとしていたのも事実です。

それでも奴隷貿易はやまず、後のバテレン追放令につながりました。
(バテレン追放、キリシタン弾圧は、ポルトガルの日本を征服しようという策略を阻止するためだったという説もあります)

参考:日本人奴隷の貿易|Wikipedia

4話はこちらに