「MAGI-天正遣欧少年使節」第2話京都篇あらすじ感想-マンショと信長
「MAGI–天正遣欧少年使節」第2話のあらすじと感想など。
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「MAGI-天正遣欧少年使節」第2話あらすじ
4人の少年たちは、ヴァリニャーノに連れられて織田信長と会見します。
黒人奴隷とイエスの愛
ヴァリニャーノから信長へ豪華な献上品が贈られますが、最後に黒人奴隷が登場すると信長は複雑な表情になり「イエスの愛とは何だ」と問います。
黒人を奴隷として扱う者が愛を説く矛盾を見過ごせないのです。
しかしヴァリニャーノは、信長の延暦寺焼き討ちや一向一揆への対応を持ち出し、あなたに愛を問う資格はないと言い返します。
説教するのと質問するのでは必要資格が違うと思うのですが…
信長のもとにヴァリニャーノから献上された黒人がいたのは事実です。
弥助という名で家臣として暮らしていました。
上の絵は安土桃山時代に描かれたバテレンと召使です。
参考:弥助|Wikipedia
それぞれの旅の理由
次に信長は、4人の少年ひとりひとりに、なぜ長い旅に出るのかを尋ねます。
感染の危険を顧みず伝染病患者の看病についた信徒のような強さを身につけたいという中浦ジュリアン、戦乱の世では日本にいても明日は分からない。ならば旅の危険など気に留めることはないと言う千々石ミゲル、西洋への学問的関心を語る原マルティノ。
祐益の番が来ます。
祐益は、「まだ行くと決めていない」と正直に答えます。
祐益はヴァチカンに行きたいのではなく信長に会いたかったのです。
「命などいらないと思っている」という祐益に信長は「そういう奴は戦ですぐに死ぬ。なにがなんでも生きるのだと決めている人間が生き残る」と、はっきりそう言います。
続けて信長は、座していては何も分からない。外へ出よと促し、イエスの愛とは何か、己を信じてまっすぐ生きるとはどういうことか、教皇に聞き、帰ってきたら教えよと命じます。
信長が祐益に託したこの問い。
イエスの愛とは何か
己を信じてまっすぐ生きるとはどういうことか
これが旅する理由となり、祐益は洗礼を受け伊東マンショという名を授かりました。
地下船室の日本人奴隷
出航して間もなく、地下の船室に降りたミゲルは、鎖につながれた日本人を見つけます。
マンショと二人でもう一度地下を見に行くと、先ほどまでいた少女の姿が見えません。
船乗りたちに連れていかれたようです。
ふたりは力ずくで少女を助け出しますが、それで明日からどうするのか…
「MAGI-天正遣欧少年使節」第2話感想
織田信長は、これまで色々な描かれ方をしていますが、不遜さや粗暴さの中にどこかミステリアスな雰囲気があるという点はいつも変わらないように思います。
MAGIの信長にも哲学的な風情があります。
黒人は劣っているが日本人は白い
信長とバリニャーノの問答はドラマ全体のテーマにも重なる重要なものです。
黒人奴隷を生まれつき劣った存在と言うヴァリニャーノは、信長が、「ならば日本人のことも見下しているのだろう」と思って機嫌を損ねているのだと勘違いしたのでしょう。「日本人は白い」と的外れなことを言い出します。
それでは結局肌の色で人に優劣をつけていることに変わりありません。
信長がヴァリニャーノに言いたかったのはまさにそこであり、「貴様らは人を色で分類しているのか」という根本的なことです。
「白い」というのが誉め言葉だと思っている、語るに落ちる巡察師様という構図ですが、ヴァリニャーノはそれに気づきません。
当時の世界をリードするポルトガルで生まれ、尊敬を集めるイエズス会士として暮らしてきたヴァリニャーノには、自分たちの論理を否定されることなど想像もつかなかったでしょう。
違う考え、違う常識を受け入れる気のないカトリックの姿勢も、この後のドラマに度々出てくる問題とつながっています。
イエスは答えたのではなく、答えを探した。
MAGIでは、答えを探すという行為がとても重要なテーマになっています。
信長と祐益
祐益は、信長と話し、旅に出る決意をします。
信長は、先入観のない目で祐益と向き合い、祐益をひとりの人間として扱っています。
子供が本当に心を開くのはこういう相手です。
信長は祐益が初めて出会う「まともに取り合う甲斐のある大人」だったでしょう。
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