ミスター・メルセデスS3各話あらすじです。
ドラマのシーズン3は、スティーブン・キングのホッジス三部作の二作目「ファインダーズ・キーパーズ」を原作に作られた作品です。
「ファインダーズ・キーパーズ」とは、「落し物は拾った人のもの」という意味の言葉で、ホッジスの探偵事務所の名前でもあります。
第1話「ジョン・ロススティーン殺人事件」のあらすじ
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ロススティーン殺害
深夜。
人気作家ジョン・ロススティーンの自宅にふたりの男が押し入り、金庫を破りました。
札束にしか興味のないカール・フェンテンの横でモリス・ベラミーが見つけたのは、黒い革のノートです。
モリスには、それが完結したはずのジミー・ゴールドシリーズの続きだとすぐに分かりました。
モリスはロススティーンの熱心な読者で、彼の創出した主人公ジミー・ゴールドには崇拝に近い憧れを抱いていたのです。
ノートに見入るモリスの隙をついて老作家がカールを撃つと、モリスも反射的に発砲。ロススティーンを殺してしまいます。
現金とノートをトランクに詰めたモリスは、逃走途中でハンドル操作を誤り、道路脇の林に転落しました。
拾われるトランク
高校生のピート・ソウバースが犬の散歩中に林に転がる車を見かけます。
無人の車中にドル札のはみ出したトランクを見つけたピートは、こっそりそれを持ち帰りました。
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消えたトランクと第二の殺人
病院で目覚めたモリスが真っ先に考えたのはトランクのことです。
もとより身元やあの場所にいた理由を聞かれては困る身でもあり、モリスは病院を抜け出し事故現場へと戻りますが、そこには車が横転しているだけ。後部座席にあったはずのトランクは消えています。
自分を助けたスタン・マクネアが持ち去ったのだと考えたモリスは、スタン宅を訪ね、「トランクを返せ」と迫りますが、スタンはトランクのことなど知りません。
押し問答になり、モリスはスタンを撃ち殺します。
ルーの裁判
ブレイディ・ハーツフィールドを殺したルー・リンクレイターの裁判が始まります。
メルセデスキラーを殺したルーは英雄視されていて、無罪を叫ぶ声が高まってはいます。
でも検察は計画的犯行であるとして第一級殺人で戦う考えです。
心神耗弱を主張すれば一生施設から出られないでしょう。
ホッジスやルーには昏睡から目覚めたブレイディが超自然的な力で人を操っていたと分かっていますが、それを陪審員に信じてもらうのは不可能です。
弁護士のローランド・フィンケルスティーンは、「ブレイディは死ぬべき人間だった」と訴え、陪審を動かすほかないと言っています。
第2話「第三の男」のあらすじ
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ロススティーンが殺されたと知ったホッジスは、自身の探偵事務所ファインダーズ・キーパーズで事件を調べることにしました。
ホッジスもロススティーンのファンだったのです。
ピートがまた林に車を見に行くと今度は中に遺体が…。
モリスが運んできたスタンの死体でした。
とてつもなく不穏な何かが起きていると感じたピートは拳銃を買い、トランクと一緒に部屋の壁の中に隠しました。
ルーの精神状態はあまり良くありません。
「ブレイディがいつも近くにいて話しかけてくる」と言っています。
第3話「過ぎた愛」のあらすじ
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モリスは13歳の頃にずっと年上のアルマ・レインにレイプされて以来その関係を断ち切れずにいました。
モリスの同棲相手ダニエルはそれを知ると家を出て行きます。
ひとりでアルマの家に乗り込んだダニエルは浅はかにも、アルマがロススティーンを殺したと想像していると匂わせ、殺されました。
遺体は庭の物置に運ばれます。
なんとしても生原稿を手に入れたいモリスは、古書店を営む知人アンドリュー・ハリディに「ロススティーン作品のことを聞きに来た奴はいないか」と尋ね、店の防犯カメラに映ったピートの映像を見せられます。
ルーの精神鑑定には「異常なし」との判定が下りました。
裁判を受けることになります。
弁護士のフィンケルスティーンからパンケーキの朝食に誘われたホリーは戸惑っています。
第4話「法廷闘争」のあらすじ
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モリスとアルマは、ロススティーンの件で古書店を訪ねたのがソウバーズ家の息子だと特定しました。
留守中に家に侵入しピートの部屋を漁りますが、ノートは発見できません。
フィンケルスティーンは、「ルーがブレイディを殺したのは計画の上のことではなく過失致死である」と主張する方針をとろうとしています。
それにあたってルーが望んでいるのはホリーを証言台に呼ぶことです。
ホリーは自分と同じように被害者で、同じようにブレイディに罰を下した人物だけれども、自分と違って反感を買いにくい、ダイヤモンドの原石だと言うのです。
ルーがホッジスを「カーミット」と呼び、ホッジスを驚かせる場面も。
「カーミット」はホッジスのミドルネームで、それを知っているのはごく親しい友人とブレイディだけでした。
ジェロームの調査により、ロススティーンが殺された翌朝、大けがをした男がスタンによって病院に運び込まれ、その後黙って病院から消えたことが分かりました。
第5話「亡者の助言」のあらすじ
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ル―の裁判で検察側が突然ホッジスを召喚しました。
検事補ペイスが質問するのは、「ホッジスには複数回ブレイディを殺せるチャンスがあり、殺そうとしたこともあったのになぜ殺さなかったのか」ということです。
質問を通して、ホッジスも本来私的制裁には反対の立場であるとあぶり出し、ホッジスによるルーへの同情的な証言の効果をそぎたいのは明白ですが、その罠を回避しながら陪審を納得させる回答をするのは至難の業です。
ホッジスが何も言えず、この後証言するホリーの重圧がますます大きくなりました。
この夜ホリーはファーストキスを体験します。相手はフィンケルスティーンです。
モリスは裁判所でホッジスとホリーに話しかけ、アルマはピートの母マージョリーに近づきます。
第6話「トラウマ」のあらすじ
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ホリーの懸命の証言は陪審員たちの感動を誘い、法廷の雰囲気は俄然ルーに傾きます。
ジェロームはカールの父親に話を聞きに行き、部屋の写真からモリスを知りました。
父トムから「不動産を管理しているジャズクラブから荷物を取ってきてくれ」と頼まれたピートは、トランクをその店に隠し、アンドリューにロススティーンのメモした詩の一篇を売り渡します。
ピートの前に現れたモリスはさかんに「原稿よこせ」とプレッシャーをかけ、動揺したピートに脚を撃たれました。
第7話「序章の終わり」のあらすじ
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アルマがアンドリューの店を訪ね、ピートの居場所を教えろと迫ります。
アンドリューが何も知らないと分かると、ツルハシを振り下ろして殺害。
性犯罪の報復に見せかける細工をして去ります。
ルーの裁判は、第一級殺人は無罪、第二級殺人で有罪禁錮15年との判決が下りますが、無期限の執行猶予が付与されました。
釈放です。
モリスに追われて怪我をしたピートは、わけを問いただす両親から逃げてトムのジャズバーで寝ています。
両親はこの日、ロススティーンの金庫の中身を探す警察の訪問も受けていて、いよいよただごとではないと考え始めています。
第8話「次の手」のあらすじ
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ホリーはファンケルスティーンに「おつきあいするのはやめましょう」と伝えます。
人を好きになって自分をコントロールできなくなるのが怖いのだと話すホリーにホッジスが言ったのは「愛することが怖くて別れる奴があるか」
ロススティーンの遺品を調査していたジェロームが、アルマから届いた嫌がらせの葉書を見つけ、ふたりの関係がファインダーズキーパーズの知るところとなりました。
その頃アルマとモリスはピートの母マージョリーを拉致し、彼女を人質にピートと父トムに原稿の引き渡しを要求します。
第9話「正念場」のあらすじ
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ジェロームが、ロススティーン殺害犯とスタン殺害犯のDNA、それに先週警察がソウバーズ家で採取したDNAの3つが一致したという情報を手に入れました。
犯人はピートの家に入ったことがあることになります。
有能なジェロームは、殺害事件後のロススティーン宅前に集まるファンの映像とカールの卒業アルバムに同じ男が映っているのも発見していました。
ホッジスは、ルーの裁判でその男と会っているのを思い出します。
メルセデス事件の被害者だと名乗り、ホッジスとホリーに礼を言ったあの男が、ロススティーンとスタン、ハリディを殺し、ピートを脅迫している犯人だった?
卒業メッセージにはジミー・ゴールドの台詞とともに「年上のISに感謝を捧げる」とあります。
ISとは誰か。
アルバムをめくると教員のページにアイダの写真がありました。
Ida Silver。
聞けば当時のモリスにロススティーンの代表作「ランナー」を薦めたのは私だと言います。
アイダはモリスについて「中学の頃ずっと年上の女性と関係を持ったと噂されていた」とも話しました。
その相手がアルマなら、すべてのつじつまが合います。
ピートはモリスに原稿の一部を渡し、残りのノートと母を交換すると約束しました。
マージョリーが監禁されているアルマの倉庫では、モリスが行方不明のダニエルのネックレスと血痕を発見します。
アルマとモリスの殺し合いになり、アルマが死にました。
第10話「バーニングマン」のあらすじ
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モリスはマージョリーを伴って取引場所のジャズクラブへやって来ますが、ノートが先だと言ってゆずりません。
ピートは準備していたノートにガスオイルをかけ、ライターの火を掲げます。
モリスは身動きが取れません。
睨み合いのさなか、駆け付けたホッジスが背後から発砲すると、驚いたピートの手からライターが落ちました。
するとモリスは燃え上がるノートに駆け寄り、服が焼けるのも構わずノートを抱きかかえます。
ピートがマージョリーを連れて外へ出る間、火だるまになりながらなおもノートを広げるモリス。
事件以来ずっとホッジスにつきまとっていたロススティーンの幻が、冷めた目でモリスを見下ろし、背を向け、そして消えていきます。
モリスはジミー・ゴールドとともに灰になり、原稿にかけられていた懸賞金はフイに、モンテスはまた大物を起訴するチャンスを逃しました。
急にホッジスの家に来た娘のアリーは、妊娠していると告白しました。
相手が誰なのかは言いません。でもホッジスは喜んでいます。
ホリーは、アリーにブルドッグのペーパーウェイトを渡します。
ホリーがお守りのように持ち歩いていたその文鎮は、もとはアリーが「パパに似ている」と言って大事にしていたものでした。
「これからデートなの」と小声で話すホリーに、アイダが満足げに頷いています。
ルーは仕事をはじめました。
ワゴン車に集まる子供たちにアイスクリームを渡すルーの手元には、邪悪なスマイリーマークの描かれた景品が並んでいます。
フレッドは今日もムシャムシャとキャベツを食べています。元気です。
ひとりで仕事をしていたわりには存在感の薄いジェロームがハーバードに復学したのかどうかは不明です。
ミスターメルセデスの感想らしきもの
ミスター・メルセデスはこれで終わりです。終わりのはずです。
やろうと思えば続けられる終わり方ではありましたが、今のところシーズン4の制作は発表されていません。(2020年4月)
やっぱり原作の方がいい
小説「ファインダーズ・キーパーズ」がシーズン3に来ると分かっていたので頑張ってS2を乗り越えた私です。
私は原作の三部作の中で「ファインダーズ・キーパーズ」が一番!派なのです。
ドラマS3はS2よりずっと良かったですが、やっぱり原作のほうがいいです。
原作にはルーの裁判はなく、ピートが家族を守ろうと年齢にそぐわない責任を勝手に背負い込んで東奔西走する話がメインです。
そのピートがすごく好きだったのです。
ドラマでは、奮闘し成長したのはホリーでした。
ブルドッグを返す場面では本当にうれしい気持ちになれたので、これはこれでいいですが…
小説「ファインダーズ・キーパーズ」についてはこちらに
ルーとブレイディ
ところでルーの見ていたブレイディは何だったのでしょう?
ブレイディへの複雑な感情を処理しきれず、思いをめぐらすうちに心の中でブレイディを生き返らせてしまった、つまり幻覚を見ていたという解釈も不可能ではありません。
判然としませんが、ルーがホッジスを「カーミット」と呼んだことを考えると、やっぱりブレイディが超自然的な力でルーの頭の中に入っていたということ、一種の心霊現象のように感じられます。
(「カーミット」というミドルネームをブレイディは知っていましたが、ルーが知る機会はなかったはずです)
アイスクリームの移動販売はブレイディがさせている?…何か目的が?
…やっぱりMr.メルセデスはここで終わるのがよさそうです(笑)