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英国チューダー朝に関連する本,漫画,映画,ドラマ

2020年5月14日

チューダー朝関連の映画、ドラマ、本のうち私が見た/読んだものを紹介します。

TUDORS(ドラマ)

TUDORS

分かりやすく飽きない作りの有名作品、最初はこれを見るのをお勧めします。

タイトルは「TUDORS」ですが扱われているのはヘンリー8世の時代だけです。ヘンリーの最初の結婚から20年くらいたったあたりから逝去まで。政治よりも6人の妃とのエピソードがメインになっている印象。ドレスや装飾品等々は、おそらく当時のものをやや盛ってゴージャス化してるのかな?という感じで、服や建造物を眺めているだけで楽しいです。

美女の役を本当にきれいな女優さんが演じているのもいいです(意外とそうでないもの多いですよね)

 

エリザベス:女王への道(ドラマ)

becomingelizabeth

ドラマはヘンリー8世死去から始まります。

ヘンリー8世の長男エドワード6世が即位する頃、ヘンリー8世の最後の妃キャサリン・パーは、まだ少女だったエリザベスを手元に置いて養育すると申し出ますが、キャサリンとまもなく再婚するトマス・シーモアも同じ家に暮らしています。

この二人の結婚は、家名や権力に翻弄されながら長年ひそかに燃え続けていた愛がついに迎えたハッピーエンド!…だったはずなのですが…エリザベスに対するトマスの態度には性的誘惑の色が…

(とてもいやな話ですが実話です)

幼い王、弟エドワードは宮廷の軸になれず、姉のメアリーはいよいよカソリックに傾倒していく中、エリザベスは自分の立場を守らなければなりません。

という感じのお話です。

トマス・シーモアとエリザベスの間の出来事について詳しく扱っている映像作品は現在のところこれだけだと思います(2022年11月時点)

 

スパニッシュプリンセス-キャサリン・オブ・アラゴン物語(ドラマ)

キャサリン・オブ・アラゴンを主人公にしたドラマで、ヘンリー8世との結婚よりも前、ヘンリーの兄アーサーとの婚姻のため渡英するところからはじまります。

フィリバ・グレゴリーの「The Constant Princess」(日本語翻訳版はありません)が原作です。

シーズン2まで合わせて全16話のドラマですが、ヘンリー8世とキャサリンの結婚はシーズン2冒頭です。

ドラマTUDORSよりも前の英国王室の出来事を見られるという意味でも面白いですし、TUDORSとはちょっと違う印象のキャサリンも新鮮で真実味があっていいです。

ドラマではキャサリンが度重なる流産に涙する場面があります。

キャサリンはなぜ何度も流産したのか。近年有力視されているKellポジティブ仮説についてはこちらに

 

ホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語(ドラマ)

ホワイトプリンセス

エリザベス・ウッドヴィルとエドワード4世の娘エリザベス・オブ・ヨークが主人公のドラマで、フィリパ・グレゴリーの同タイトル小説が原作です。(日本語版は出版されていません)

リチャード3世を愛していた(ここは多分にフィクション風味)エリザベスがリチャードを死なせた政敵ヘンリー7世の妃にされて、さあどうすんの?というお話。

エリザベスの弟であり正当な王であると名乗る青年が登場する実際の事件がストーリーの山場になります。

エリザベス役は「キリング・イブ」のジョディ・コナー。

 

わが命尽きるとも(映画)

1966年米英合作映画 フレッド・ジジンマン監督

国王ヘンリー8世の離婚問題解決のため、信念に反する行動を迫られるトマス・モアの苦悩と最期を描いた映画です。

窮地に追い込まれてもなお信念のままに生きるモアに対して、モアを邪魔に思う野心家たちのめぐらす策は滑稽ですらあります。

でも、家族のことを思うとモアの行動を無条件に尊敬していいものかどうか…と、これは現代的な甘い発想?

などなど考えさせられる映画です。

アカデミー賞6部門獲得作品。

トマス・モア役はポール・スコフィールド、ヘンリー8世はロバート・ショウ、ウルジーはオーソン・ウェルズです。

TUDORSでは存在感の薄いリチャード・リッチ(ジョン・ハート)がたくさん出てきて、リッチが悪人と言われる理由がよく分かりました。

 

ウルフ・ホール(ドラマ/小説)

イギリスBBC制作のドラマ(全4話)で、原作はヒラリー・マンテルの「ウルフ・ホール」と「罪人を召し出せ」の2作。

こちらはクロムウェルがメインで、宗教改革とヘンリー8世支配下のイングランド治世に奔走する善き政治家として描かれています。

トマス・モア処刑の場面で、ヘンリー8世の作曲した曲が使われていたり、さりげなく凝った作りの良作です。

(3話51分40秒あたり。窓辺の少年が笛で吹いている曲がヘンリー8世作曲作品「Pastime With Good Company」です。キャサリン・オブ・アラゴンに贈った曲だと言われています)

もうひとりのシェイクスピア(映画)

もうひとりのシェイクスピア

シェイクスピア別人説を基にしたお話で、この作品でシェイクスピア劇を実際に書いているのはオックスフォード伯です。

なぜオックスフォード伯は匿名で戯曲を書くのか。これは物語の序盤で分かります。でも、華麗な王室には想像もつかない事実が…というお話。私はすごく面白いと思いました。

エリザベス1世、ロバート・セシルとウィリアム・セシルの親子、エセックス伯などなどが登場して、チューダー朝を好きな人には、それだけでうれしい映画だと思います。

若いころのエリザベス1世をジョエリー・リチャードソンが演じています(ドラマTUDORSでキャサリン・パー役だった人)

 

フィリパ・グレゴリーのプランタジネット・チューダーシリーズ(小説)

「ブーリン家の姉妹」の作者フィリパ・グレゴリーはプランタジネット・チューダーシリーズとして15作品を書いています。(「ブーリン家の姉妹」はそのうちの一作品)

日本語に翻訳されているのは以下の4作品だけです。

ブーリン家の姉妹(映画/ドラマ/小説)

映画化され、シリーズの中で一番よく知られている作品です。

映画、ドラマ、小説の中で一番よかったのは小説でした(英語版しか読んでいませんが)

映画版ブーリン家の姉妹でアン・ブーリンを演じるのはナタリー・ポートマン、メアリー・ブーリンはスカーレット・ヨハンソンです。

姉妹の魅力度ではこの作品が一番!

BBCドラマの「ブーリン家の姉妹」では、ヘンリー8世を「チェルノブイリ」の主演俳優ジャレッド・ハリスがやっています。

 

悪しき遺産(小説)


ヘンリー8世の4番目の王妃アン・オブ・クレーブス、アン・ブーリンの兄の未亡人ジェーン(レディ・ロッヂフォード)、5番目の王妃キャサリン・ハワードの3人が主人公で、章ごとにそれぞれが一人称で宮廷の出来事を語る形式です。

これも英語版しか読んでいませんが、離婚後のアン・オブ・クレーブスの生活やキャサリンの心境などが丁寧に書かれていて(フィクションですが)面白いです。ジェーンの奇怪な行動にも「さすがプロ作家!」と感心するような説明がなされています。

愛憎の王冠(小説)

悪しき遺産からさらに時が経過して、メアリー1世からエリザベス1世へと王位が移っていく時期の物語です。

主人公はこのふたりではなく、本屋の娘で予知能力のあるユダヤ人ハンナ。

ハンナは、予言者としてメアリーとエリザベスの両方に仕えますが、カソリックでもプロテスタントでもない、特異な立場です。

わりとスリリングで面白い本でした。

宮廷の愛人(小説)

エリザベス1世とその愛人だったとされるロバート・ダドリーの話です。

フィリパ作品は、シリーズ物でもそれぞれが完全に独立した話になっていて、登場人物のキャラクターは、他作品には受け継がれません。

「愛憎の王冠」では二枚目ポジションだったダドリーが、こちらではちょいダサなおっさんに…

※私はフィリバ・グレゴリーのプランタジネット~チューダー朝シリーズ全作品を読みましたが、すべて英語版です。日本語版は読んでいません。

どれも簡単で読みやすい英語で書かれているので、英語を嫌いじゃない方はぜひ洋書で読んでみてください。

洋書版全作品レビューはこちらに。

 

エリザベス/エリザベス ゴールデンエイジ(映画)

ドラマ「TUDORS」後の歴史。エリザベス1世の映画です。

映画は「エリザベス」の後に「エリザベス ゴールデンエイジ」が作られていて、内容も自然につながっています。

1作目「エリザベス」は、エリザベス1世が国家の宗教を英国国教に戻し(1代前のメアリーで英国は再度カトリック化していた)、ダドリーへの思いを断ち切って国家と結婚すると決断するところまで。

2作目「エリザベス ゴールデンエイジ」では、メアリー・スチュアートや海賊ウォルター・ローリーが登場します。

物語はアルマダの海戦スペイン無敵艦隊を倒して英国を世界第一の国家とするところまで。

一個人としての平凡な望みや苦悩を内心に隠し持ちながら、強く堂々と、あくまで女王として生きたエリザベス1世が良く描かれていて、主演のケイト・ブランシェットの演技が絶賛された作品です。

両方見てください。

 

ふたりの女王 メアリーとエリザベス(映画)

この「メアリー」は、スコットランドのメアリー・スチュアート

ふたりの性格の違い、境遇の違いが対照的に(やや極端に)とり上げられています。

不要なくらい生々しいシーンが入る一方で二人の女王には今一つリアリティがなかったりで、どうもしっくりこない印象でした。

とは言っても一般的にはそこそこの評判です。メアリー・スチュアートにも興味のある人はこれを。

 

残酷な王と悲しみの王妃(本)

「怖い絵」シリーズで知られる中野京子氏が暴君に嫁いだ王妃の悲劇をテーマにまとめた本です。

第5章でアン・ブーリンがとりあげられます。

王の求愛を半ば迷惑に思いながら、やがて「ならば王妃になるほかない」と覚悟を決めた女性との解釈がされています。

アン・ブーリンの他には、メアリー・スチュアートやイワン雷帝などが多くの絵画とともに登場します。

読みやすくて面白いです。

 

ヘンリー8世 暴君かカリスマか(伝記)

ど真ん中の伝記です。

作者の陶山昇平氏は、イギリス留学経験があり、この他にも英国史関連の本を執筆、翻訳しています。

ヘンリー8世は、歴史ネタにたびたび登場する国王ですが、これだけのボリュームで書かれたものは意外に少なく、日本語の本ではこれが一番詳細、かつ最新です。

ウルジーやクランマーら、宮廷周辺の人物たちについても多くのことが書かれていて、それが思いがけず面白いものでした。おすすめ本です。

 

冬の王 ヘンリー7世と黎明のチューダー王朝(伝記)

上の「ヘンリー8世」の著者の翻訳したヘンリー7世の伝記本です。

実は私は原著の「Winter King」しか読んでいません。翻訳版高いし、電子書籍ないしで…

地味で情報の少ないヘンリー7世について知ることのできる貴重な作品と思って買ってみたので、読み始める前は面白さには期待していなかったのですが、意外に楽しめる本でした。

ヘンリー7世にはお金がらみの話が多くて、ちょっと苦笑いも。

ボツワースの戦い後、ヘンリーが国王になってからの話が中心で、妃エリザベス・オブ・ヨークやキャサリン・オブ・アラゴンのエピソードもたくさん入っています。

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彩流社

 

チューダー王朝弁護士シャードレイク(小説)

フィクションですし、主人公シャードレイクは王族ではなくクロムウェルの部下の弁護士ですが、ちょうどヘンリー8世の時代の物語で、おなじみの名前や出来事がたくさん出てきます。

「あの時宮廷の外はこんな空気だったんだろうな…」と思いながら読むのも楽しい経験でした。

小説のあとがきでは訳者さんが、「当時の英国史を知るのにおすすめの作品」として「TUDORS」を挙げています。

現在3作品が翻訳されている「シャードレイクシリーズ」。各作品の内容を簡単に。

 

チューダー王朝弁護士シャードレイク

ジェーン・シーモアが産褥で死んでしまった直後の物語です。

クロムウェルの命を受け、修道院で起きた殺人事件(架空の事件)の調査に赴いたシャードレイクは、無残な遺体に愕然とします。

頭を切り離された首。その切り口は斧ではなく剣で切り落としたかのよう。

シャードレクは、先日見たアン・ブーリンの処刑を思い出し、陰鬱な気分になるのでした。

…と、こんな感じです。

ロバート・アスクの名前がちらっと出たり、トマス・ワイアットの詩の一節が引用されたりと実在の人物や出来事も多く盛り込まれています。マーク・スミートンの拷問と処刑の話題は何度も出てきます。

 

暗き炎-チューダー王朝弁護士シャードレイク

姪が無実の罪で逮捕されたと言う友人の依頼で殺人事件を調査中のシャードレイクのもとにクロムウェルの使者がやって来ます。

ドロリと黒く独特のにおいがあり、船すらも瞬時に焼き尽くすほどの威力を持つ東ローマ帝国の秘伝“ギリシア火薬の正体と製法をつきとめよ」

それが司令でした。

国王がギリシャ火薬に興味を持ち、実演してみせるようクロムウェルに要求していると。

再婚相手として薦めたアン・オブ・クレーヴズを気に入らなかったヘンリー8世の覚えを取り戻そうと、クロムウェルは必死なのです。

ノーフォーク公トマス・ハワードの姪である17歳のキャサリンがもう宮廷に入っているとも噂されています。

チューダーズTUDORS背徳の王冠ヘンリー8世の妃と愛人親戚関係相関図

「お后様が変わったらまた宗教が変わるかもしれない」

「クロムウェルが失脚してノーフォークの時代になったら風向きが…」

…などなど人々が戦々恐々とする中、殺人事件とギリシャ火薬のふたつの謎解きが進行するミステリーです。

ノーフォーク、クロムウェル、アン・オブ・クレーヴズ、キャサリン・ハワードの他、ガーディナー司教トマス・クランマーの話題も出てきます。

 

支配者-チューダー王朝弁護士シャードレイク

シリーズ3作目ではヘンリー8世の北部巡幸にシャードレイクが随行することになります。

クロムウェルはもう処刑されていて、今回シャードレイクに仕事を指示するのはカンタベリー大司教のクランマーです。

バラ戦争に端を発する王の血統に関する疑惑、深夜に王妃の部屋を訪ねる侍従…知りたくないことまで知ってしまったシャードレイクの身に危険が迫り…という物語。

キャサリン・ハワード、トマス・カルペパー、フランシス・デラハムetc.が登場。ロッチフォード夫人はやっぱりちょっとおかしい人として描かれています。

あとはヘンリーの膿んだ腫瘍の異臭の話とか…ロバート・アスクや道化師ウィル・サマーズの名前も出てきます。

 

セシルの女王(漫画)

こちらは現在(2022年11月)連載中の漫画です。

セシルとはエリザベス1世の重臣ウィリアム・セシル。セシルの女王はエリザベスのことです。

しばしばウルジーキャラとして書かれる権謀術数のスパイ男セシルですが、この作品の中では、少年時代にアン・ブーリンに誓った忠誠を貫き、その娘であるエリザベスに尽くす好青年として描かれています。

エリザベス1世の側近として名前はよく聞くけれども主役になることはなかったセシルの物語はとても新鮮で面白いです。これを書いている時点では2巻までしか出版されていませんが、最後まで失速せずに進んでくれるよう期待しています。