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鬼平犯科帳スペシャル「兇賊」登場人物キャストとあらすじ感想など

2019年3月17日

鬼平犯科帳」は何度も連続ドラマになっていますが、2001年にレギュラー放送を終えてから14本の2時間スペシャル版が制作されています。

「兇賊」

鬼平犯科帳スペシャル「兇賊」は2006年制作のドラマです。

「鬼平犯科帳」文庫版では5巻に収載されている「兇賊」が原作です。

鬼平犯科帳「兇賊」ゲスト登場人物

主要キャストは、すべて中村吉右衛門版の出演陣が続投しています。

与吉(よきち)

演:本田博太郎

平蔵の密偵だったが甚五郎にそれを見抜かれ殺された

鷺原の九平(さぎはら-の-くへい)

演:小林稔侍

芋酒を出す居酒屋「加賀や」の主人

昔はひとり働きの盗っ人だった

おもん

演:若村麻由美

夜鷹の女

九平の居酒屋で平蔵に会い酒をおごってもらう

網切の甚五郎(あみきり-の-じんごろう)

演:大杉漣

平蔵に異常な執念を燃やす殺し上等の兇賊

天野彦八郎

演:神山繁

久栄のおじ

平蔵に家の内紛をおさめてもらう

山本利右衛門(やまもと-りえもん)

演:醍醐貢介

旗本最上もがみに仕える男で、彦八郎に平蔵への頼みごとを託す

友吉

演:伊藤洋三郎

網切の甚五郎の手下。小間物屋を装って料亭大村に出入りしている

鬼平犯科帳「兇賊」あらすじネタバレなし

「鬼の平蔵を殺す」

四十年ぶりに故郷の加賀を訪れた帰り、鷺原さぎはら九平くへいは、にわか雨をしのいで小さな小屋へ入ります。

しばらくすると網切あみきり甚五郎じんごろうと二人の男たちもやって来て、表の軒下で雨宿りを始めました。

中に九平がいるのに気付いていません。

鬼の平蔵に一泡吹かせてやった」と楽しげに話しています。

甚五郎らは、平蔵の密偵与吉よきちを殺し、火付盗賊改めを出し抜いて逃げて来たところです。

与吉は、甚五郎と一味の集まる部屋に入り込み、近くに控える平蔵らに合図の石を投げる機会を待つうちに甚五郎に殺されたのです。

遺体の手には黒い石が握られていました。

実は九平も盗っ人です。

もう何年もおつとめしていませんが、若い頃はひとり働きで稼ぎ、これまで一度も捕まったことがありません。

「鬼の平蔵」と聞いて耳をそばだてたのはそのためです。

上機嫌な手下たちに甚五郎は「平蔵のせいでフイになったおつとめもある」と言い、「この次は平蔵を殺す」と宣言しました。

芋酒の加賀や

一年後。

九平の居酒屋「加賀や」で平蔵が呑んでいます。

もちろん身分は明かしていません。

平蔵は、九平の料理をいたく気に入り、折り詰めを土産に持ち帰ると言っています。

夜鷹のおもんが入って来ました。

寒さから逃げて来たのでしょう。

九平は「お侍さまがいらしているから」とおもんに帰ってもらおうとしますが、平蔵はそれを止め、おもんに酒をおごってやります。

平蔵、刺客に襲われる

平蔵が店を出るとすぐに三人の男が加賀やの戸を開け「さっきまで浪人がいただろう」と尋ねました。

「どこへ行ったのだ」と聞かれても、九平は知りません。

男たちはどこかへ行きますが、外が騒がしくなり、不審に思った九平が見に行くと御用提灯が集まっています。

斬られた男の横でさきほどの客が、「遺体を役宅へ運んでくれ」と言っているのが聞こえました。

狙われた客が刺客を返り討ちにして、遺体の処遇を指図しているように見えます。

平蔵のあとをつける九平

捕まったことのない九平は、平蔵の顔を知りません。

まさかあの客が鬼平なのかと、九平は平蔵のあとをつけます。

役宅へ入る平蔵がふと振り返り、九平はあっさり見つかってしまいました。

平蔵は、少し意外な顔をしますが「ご苦労」とだけ言って門を入っていきます。

翌日から加賀やは閉め切り、九平の姿も見えなくなりました。

なぜあのおやじはつけて来たのか。そしてなぜ店を閉めてどこかへ消えたのか。

平蔵は、おまさに九平の似顔絵を見せ「どうも気になる」と首を傾げています。

五郎蔵に匿われる九平

五郎蔵が偶然九平に会います。

ふたりは盗賊時代の知り合いでした。

どうしたわけか九平は五郎蔵にすがり「匿ってくれ」と頼みます。

「行くところも寝るところもない。食うものもない」と必死な九平を五郎蔵は五鉄へ預けました。

台所の出来る九平は、五鉄でも重宝されるでしょう。

おまさはすぐに、それが平蔵から見せられた似顔絵の男だと気付きます。

これによって平蔵は、加賀やのおやじは九平という名で、往年の盗賊だと知ることになりましたが、「五鉄にいるのなら心配はない。しばらく泳がせよう」と言い、九平を引っ立てる気はありません。

しばらく一緒にいれば自分からおまさに何かを話すだろうと思っています。

線香問屋大嶋屋襲撃

平蔵が襲われてから七日後、芝の線香問屋大嶋屋がおしこみにあいます。

今度も皆殺しの上での盗みで、網切の甚五郎のこれまでの手口と同じでした。

鬼平犯科帳「兇賊」あらすじネタバレ版

以下はネタバレです。

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風のごとき盗っ人九平

九平は、五鉄でよく働いています。

元来働き者なのでしょう。

ある日、甚五郎の手下の男が五鉄へ来ました。

九平は、その男に見覚えがあります。

雨宿りの小屋で「平蔵を殺す」と話していた連中のひとりだったのです。

何を思ったか九平は、男のあとをつけます。

風のような盗っ人と呼ばれた九平は、いとも簡単に男の隠れ家を探し当て、翌日もまた小屋を見に出かけます。

九平をつけていた伊三次は、まかれました。

料亭大村

昨日の小屋から出て来た男をつけると、向島の名門料亭大村へ入って行きました。

友吉ともきちというその男は、大村の女中たちに小間物を売るために出入りしていて、女中頭のお葉といい仲になっているようです。

お葉は「裏口開けて待ってるからきっと来ておくれよ」と甘えた声を出しています。

神社の野良猫とおみつ

大村の近くの神社で奉公人のおみつが野良猫に餌をやっています。

まだ十くらいのおみつに話しかける九平には、生き別れた女房と娘がいて、今は行方知れずになっているのです。

おみつによるとお葉は、ずっと以前から大村にいる女中だそうです。

平蔵殺害計画

九平は、また甚五郎らの隠れ家へやって来ました。

中で相談する声が聞こえます。

九平は、いつどこで平蔵を狙うのかを聞こうと、足元に積まれた薪に登り、音を立ててしまいます。

甚五郎は、人殺しをなんとも思わない男です。

非力な九平爺さんは、コモ巻きで川に投げ込まれました。

今日はまかれずについて来ていた伊三次が、九平を五鉄へ運びます。

久栄のおじ彦八郎の頼み事

役宅へ久栄のおじ天野彦八郎がやって来ました。

旗本最上が家の揉め事を平蔵におさめて欲しいとたっての願いだと、最上からの書状を見せています。

「お役目でもないのに」と久栄は渋い顔ですが、彦八郎があまり熱心に頼むので平蔵は断り切れず、最上に会うことを承知しました。

彦八郎の自宅では山本という男が帰りを待ちわびていました。

最上の頼み事は、山本が使者として彦八郎のところへ持ってきた話だったのです。

平蔵は、山本の用意した籠で料亭大村へ向かいました。

粂八の説得

九平は、五鉄の二階で目覚めました。

事情の呑み込めない九平に粂八くめはちは、「俺たちは長谷川様の犬だ」と打ち明け、甚五郎の次のおしこみ先を知っているなら教えてくれと説得します。

でも九平は、押し黙ってしまいました。

これ以上平蔵に近づけば捕まると思うと何も言えないのです。

甚五郎の父

大村に着いた平蔵を玄関で迎えた女中頭のお葉が「お刀を預かります」と言いますが、この女は、昨日のお葉ではありません。

平蔵が通された部屋で待っていたのは甚五郎。

彦八郎は騙されていたのです。

甚五郎は「お前が父を殺した」と平蔵を憎む理由を語ります。

甚五郎の父は、土壇場どたんば勘兵衛かんべえという男で、両国辺りの盛り場を仕切っていました。

その頃本所のと呼ばれていた平蔵が勘兵衛を殴り殺したのだと。

「その勘兵衛の息子が俺で今は網切の甚五郎だ」

それを聞いて平蔵には合点が行きました。

勘兵衛は、商家をゆすり、岡場所の女から搾り取る阿漕あこぎな男でした。

多くの人を殺してもいます。

目に余る所業に血気盛んな三郎が立ち上がったのでした。

「お前は父親にそっくりだ」

平蔵はそう言って笑っています。

実のところ、父親がどんな人間でも甚五郎には関係ありません。

おつとめの邪魔になる鬼の平蔵に消えて欲しいのが本音です。

甚五郎は「もう大村の奉公人全員を殺した」と言っています。

夜這いに来た友吉の手引きで朝方に押し入ったのでした。

ここには甚五郎の手下と脇差一本の平蔵しかいません。

おみつの話

九平が、粂八、おまさ、伊三次を連れて大村近くの神社へやって来ました。

おみつがうずくまって泣いています。

店に人が大勢来てみんな殺された」と言うので、粂八が役宅へ走り、「大村におしこみが入った」と知らせます。

大村と言えば、平蔵が最上の使いの者の籠で連れて行かれた店です。

孤軍奮闘

平蔵は、ひとりで甚五郎の手下どもに応戦しています。

奴らは全然強くないのですが、とにかく人数が多く、矢を放ってくる者もいます。

倒しても倒しても敵が湧いてきます。

腕を斬られました。

甚五郎が平蔵の死を確信したその時、外で馬の蹄の音がします。

酒井、佐嶋らが飛び込んでくると、もう平蔵は刀を拭き始めました。

甚五郎は、どこかへ逃げたようです。

甚五郎と与吉の石

半月後。

甚五郎は、取り巻きの二人を連れて加賀へ向かっています。

いつか雨宿りした小屋で休憩しようとする甚五郎らは、もう盗賊改めに取り囲まれています。

甚五郎は必ずここを通って加賀へ逃げると見た平蔵が網を張っていたのでした。

粂八が投げた石を額に受け、甚五郎は倒れます。

与吉が果たせなかった合図のために握って死んだ石を、粂八は、ずっと持っていたのです。

平蔵は、倒れた甚五郎をその場で斬りました。

両手を差し出す九平

九平は、捕り物が済むのを見届けると、平蔵の前に跪きます。

「残るはあっしでございます」

お縄を頂戴しようとする九平に平蔵は「お前今も盗っ人稼業を続けてるのかい」

九平が「とんでもない」と答えると「だったらいいじゃねえか」と言ってお目こぼしです。

「お縄にしたら芋酒が呑めなくなる」

そう言って笑う平蔵に深く頭を下げる九平でした。

いつかのお侍さま

九平の居酒屋はまた商売を始めました。

「いつかのお侍さまはまた来るかねぇ」と言う夜鷹のおもんに九平は「いつかきっとおいでなるだろうよ」と答え、木枯らしの夜道を眺めています。

鬼平犯科帳「兇賊」の感想など

九平が平蔵をつける場面や、伊三次をまく場面で、手抜きの特撮のようなおかしな映像が…

実は同じく鬼平犯科帳スペシャル「雨引の文五郎」にも同様に奇っ怪な場面がありました。

文五郎が背丈よりも高い塀に屈伸だけで跳び乗るとこが。

文五郎の時は、それほど気にしていなかった…というか忘れようとしていましたが(笑)こっちは、限度を超えてるでしょ。

最後の九平とおもんのやり取りは、平蔵が死んでるように見えるし。

スペシャル版はクオリティにばらつきがありますね。そこも含めて楽しむものなのでしょう。

その他の鬼平犯科帳スペシャルドラマのあらすじはこちらに 鬼平犯科帳