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鬼平犯科帳スペシャル「密告」登場人物キャストとあらすじ

2019年3月19日

鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。

これまでTVシリーズは、1969年と71年の八代目松本幸四郎版、75年の丹波哲郎版、80年の萬家錦之助版、89年の中村吉右衛門版とあり、中村吉右衛門版は、2001年にレギュラー放送を終了後、2時間枠のスペシャル版が14本公開されています。

「密告」

鬼平犯科帳スペシャル密告」は2015年制作のドラマです。

レギュラーメンバーは中村吉右衛門版のキャストがそのまま継続しています。

池波正太郎の原作文庫版では11巻に収載されているエピソードです。

鬼平犯科帳「密告」ゲスト登場人物

珊瑚玉のお百(さんごだまのおひゃく)

演:高島礼子

盗賊一家の未亡人ながら盗みの計画を平蔵に密告する

伏屋の紋蔵(ふしやのもんぞう)

演:高橋光臣

お百の息子

盗賊頭だった先代の跡を継いだ二代目

あまり有能ではない

跡目を継いでから急ぎ働きや人殺しが増え、嫌気がさして抜けた者が大勢いる

青田の文太郎(ぶんたろう)

演:春田純一

紋蔵の一味の男

紋蔵を手玉に取って一味を牛耳っている

今の行き当あたりばったりな急ぎ仕事は、この男の影響と見られる

与茂吉(よもきち)

演:蟹江一平

紋蔵一味の昔気質の盗っ人

今の一味のやり方に反感を持っている

久兵衛(きゅうべえ)

演:柳家小さん

平蔵の若いころからのなじみの居酒屋の店主

お百は密告文を久兵衛に託す

鬼平犯科帳「密告」あらすじネタバレなし

ネタバレしない範囲でのあらすじです。

お百姐さんの密告状

人込みから「あねさん」と声をかけられ、ひゃくが振り返ると文太郎でした。

お百は、「どちらへ?」と聞かれ「煙草を切らしちまってね」と答えるとそそくさと歩き、後ろを振り返りながら車に乗りました。

向かったのは、九段坂下の久兵衛の居酒屋です。

久兵衛に「火付盗賊改ひつけとうおぞくあらため長谷川様に急いでこれを」と一通の文と心づけを手渡すと、名も名乗らずに帰って行きます。

お百と入れ替わりに同心木村忠吉ちゅうきちが現れ、平蔵宛ての文を預かりますが、店に居合わせた若い女を口説くのに夢中になり、役宅に着いたのは平蔵がもう寝た後でした。

でも女の置いて行ったのが恋文と勘繰る忠吉は、それを平蔵の妻久栄ひさえに渡すわけにもいかず、平蔵は起こされます。

もちろんそれは恋文ではありません。

平蔵が広げたその書状には、今夜深川仙台堀の足袋問屋「鎌倉屋」に盗賊が押し込むと書かれていたのです。

忠吉は、着替える間もなく深川へ駆けつけましたが、鎌倉屋はもう盗賊に荒らされた後でした。

密告状の女は誰

同心たちは、密告が本当だったことに驚いています。

久兵衛に密告状を託した女は、誰だったのでしょう。

久兵衛の店が平蔵のなじみと知る者でなければ大事な文を預けるはずがありません。それを知る女ということになりますが、平蔵にも久兵衛にも心当たりがありません。

久兵衛の覚えている手掛かりは、籠に乗ってやってきたことと、珊瑚玉のかんざしを刺していたことだけです。

木更津から来た盗賊

盗賊たちは、鎌倉屋の千両箱にほとんど金が入っていなかったと嘆いています。

与茂吉よもきちは、「下調べもなく盗みに入れば、実入りの少ないのも無理ない」と不平を口にしました。

文太郎は、「江戸には腐るほどのたながあるのだから、下見に時間をかけるより片っ端から入るのが手っ取り早い」と言って、卑し気に笑っています。

でも度々盗みに入ればそれだけ捕まりやすくなるのは必定ひつじょう

「盗賊改めの目の光る江戸でのおつとめはこれ一度きりにしたらどうだい」と言いながら部屋へ入って来たのは、珊瑚玉のかんざしの女、お百でした。

しかし元居た木更津きさらずでは盗人宿ぬすっとやどまで御用聞きに知られていて、一味に帰る場所はありません。

盗賊頭の紋蔵もんぞうは、「先代が死んでから仲間が減って、今では本格の盗みはできないんだよ、おっかあ」と言い訳しますが、与茂吉は、「そうやって急ぎ仕事殺しをさせるから仲間が抜けて行ったのだ」と意見します。

…おっかあ。

お百は、盗賊頭の母親でした。

なぜお百は、息子を密告したのでしょう。

紋蔵の一味は、人殺しもしています。平蔵といえどもお目こぼしするとは思えず、きっと死罪でしょう。

そしてなぜ、平蔵と久兵衛のことを知っていたのでしょう。

「密告」は、数奇な運命を生きてきたお百の複雑な心理が核になる物語です。

お百の息子紋蔵のこじれた胸の内もせつなさを誘います。

その他の鬼平犯科帳スペシャルドラマのあらすじはこちらに 鬼平犯科帳

鬼平犯科帳には、小説、ドラマの他にアニメやオーディオブックもあります。

詳しくはこちらに。