鬼平外伝「夜兎の角右衛門」登場人物キャストとあらすじ感想など
「鬼平外伝」は時代劇専門チャンネルのオリジナルドラマで2011年から2016年までの間に全5本が制作公開されました。
池波正太郎作品から作られたドラマですが「鬼平犯科帳」ではなく「にっぽん怪盗伝」「江戸の暗黒街」にある短編小説を原作としています。
Contents
「夜兎の角右衛門」
「鬼平外伝 夜兎の角右衛門」は、2011年公開の作品。
原作は池波正太郎「にっぽん怪盗伝」収載の「白波看板」です。
白波=盗賊、泥棒です
鬼平外伝「夜兎の角右衛門」登場人物とキャスト
夜兎の角右衛門(ようさぎ-の-かくえもん)
演:中村梅雀
大盗賊夜兎一党の二代目
夜兎の角五郎(ようさぎ-の-かくごろう)
演:中村敦夫
夜兎一党先代
角右衛門の父だが本当は血がつながっていない
前砂の捨蔵(まえすな-の-すてぞう)
演:石橋蓮司
先代の頃からの古参で角右衛門の相談役のような立場
角右衛門は「とっつぁん」と呼ぶ
くちなわの平十郎
演:本田博太郎
夜兎一党と親しい盗賊の頭
名草の綱六(なぐさ-の-つなろく)
演:伊藤洋三郎
平十郎配下の盗賊
二代目角右衛門が一時預かり駿河のおつとめをともにする
おこう
演:荻野目慶子
角右衛門が会う女乞食
鮫島久兵衛(さめじま-きゅうべえ)
演:平泉成
火付盗賊改め与力
長谷川平蔵の補佐役のような立場
藤蔵(とうぞう)
演:左とん平
人足寄場にいる爺さん
鬼平外伝「夜兎の角右衛門」あらすじネタバレなし
二代目盗賊頭 夜兎の角右衛門
厳粛な雰囲気の中、夜兎一党の掟が読み上げられます。
一、盗まれて難儀する者には手を出すまじきこと
一、つとめする時人を殺傷せぬこと
一、女を手籠にせぬこと
三つの掟を書き記した書状を手渡された角右衛門は、それを飲み込みました。
今夜は盗賊頭継承の儀式です。
夜兎の者だけでなく、親しくしている盗賊の頭たちも集まり、先代角五郎から二代目角右衛門への代変わりを祝っています。
駿河のおつとめ
夜兎一党の今度のおつとめ先は駿河の紙問屋大和屋です。
暮れも押し迫った夜のおつとめは首尾よく成功し、いつも通り誰一人傷つけることなく千両箱を運び出したかに見えます。
奉公の女がひとり、外で見張っていた名草の綱六に見つかり、襲われたことを誰も知りません。
幸福な角右衛門
角右衛門には娘がいます。
十になったお栄が干支にちなんで作ったうさぎの折り紙を眺めながら角右衛門は、自分も四十になったことを思い、これまで掟を破ったことのない自分は、どうやら畳の上で死ねそうだと考えています。
隠居した父角五郎は、死が近いことを予感したのでしょう。
角右衛門を枕元へ呼び「三つの掟は決して破ってはならない。若い子分が掟を破った時は、お前がひとりで名乗り出てお縄につく覚悟を持て」と念を押しました。
ほどなくして角五郎は死に、残された母も後を追うように急逝します。
高潔な乞食女
男が必死の形相で走ってきます。
どこかの奉公人でしょう。お店の金四十五両を失くし、来た道を引き帰しながら探しているようです。
「あれを失くしたらわたしは…」と泣き崩れんばかりの男に乞食女が近寄って来て「落としなすったろう」と風呂敷に包まれた小判を手渡します。
四十五両、一枚も手を付けずに預かり、男が戻ってくるのを待っていたのでした。
乞食の看板
その行為に胸を打たれた角右衛門は、女に何かご馳走したいと申し出ます。
なかなか心を開かない女でしたが「うなぎはどうだい」と聞かれると表情が変わり、角右衛門について来ます。
「よくさっきの金に手を付けなかったね」と言う角右衛門に女は、「これが私ら乞食の看板だ」と語ります。
何も持たない乞食の看板は「拾いものは返す」ということしかない。
そう話す女は、自然に敬語を使っていて、それほど悪い生まれでもないことが窺われます。
女はうなぎを食べたことがなく、いつか食べてやろうとずっと考えていたのだと言い、蒲焼が卓に届くと左手で持った箸で不器用につつきますが、やがて開き直り、手づかみで頬張りはじめます。
彼女には右手がないのです。
自分の分のうなぎを女の皿に移してやりながら角右衛門は「その腕はどうしたのだ」と尋ねました。
乞食女は七年前まで駿河の紙問屋に奉公していたと話し始めます。
暮れの頃、店に盗賊が押し込み、偶然厠にいてひとりだけ縛り上げられることのなかった女は、見張りの男に追いかけられ、腕を斬られたのです。
聞く角右衛門は、手が震えて盃を持っていられません。
取り繕うように「よく生きていたね」と言いますが、女は「生きていてよかったのかどうか」と答えます。
鬼平犯科帳「夜兎の角右衛門」あらすじネタバレ版
以下はネタバレです。
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第2作「熊五郎の顔」
第3作「正月四日の客」
第4作「老盗流転」←傑作です!