鬼平外伝「正月四日の客」登場人物キャストとあらすじ感想など
「鬼平外伝」は時代劇専門チャンネルのオリジナルドラマで2011年から2016年までの間に全5本が制作公開されました。
池波正太郎作品から作られたドラマですが「鬼平犯科帳」ではなく「にっぽん怪盗伝」「江戸の暗黒街」にある短編小説を原作としています。
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「正月四日の客」
「鬼平外伝 正月四日の客」は、2013年公開の作品。
原作は池波正太郎「にっぽん怪盗伝」収載の「正月四日の客」です。
原作を2.2倍くらいに膨らませた話です。
鬼平外伝「正月四日の客」登場人物の人間関係相関図とキャスト
本所は枕橋の蕎麦屋「さなだや」の主人庄兵衛(柄本明)が江戸へ出てきたのは十二の頃。
油屋に奉公したものの親方があまりに厳しく、そこを逃げ出し、浅草馬道の料理屋「丸屋」の主人伊佐次に拾われます。
商売だけでなく町方の手伝いもしていた伊佐次は、顔が広く、庄兵衛が池之端の蕎麦屋に勤められるよう口をきいてくれたのでした。
その後、伊佐次の店「丸屋」に奉公していたおこう(市毛良枝)を女房にもらって、本所に開いた蕎麦屋が「さなだや」です。
庄兵衛とおこうに子はいません。
伊佐次の息子清蔵(益岡徹)も、丸屋のかたわら十手持ちとして盗賊改めの井原(山田純大)を手伝っています。
清蔵とお新(田中綾子)の娘おしの(海老瀬はな)は、間もなく田原町の菓子屋の次男市太郎(本田大輔)を婿に迎えることが決まっています。
鬼平外伝「正月四日の客」あらすじネタバレなし
蕎麦のさなだや
本所枕橋のたもとの小さな蕎麦屋「さなだや」は、年越しそばをすする客で盛況です。
女将のおこうは、客にも遠慮がありません。
外で待つ客がいれば、座っている男に「早く詰めなよ」とせかし、混雑していれば客に「まわしとくれ」と蕎麦ざるを押し付けています。
いつもの光景なのでしょう。「人使いの荒い店だ」と言いながら帰る客はいません。
年が明けて正月四日。
さなだやはには一人の客もいません。
毎年一月四日は、さなだそばしか出ないのです。
ねずみ大根のしぼり汁で食べるさなだ蕎麦は、とても辛くて江戸っ子の口には合わず、常連客は、四日にはやって来ないのでした。
それでも庄兵衛は「一月四日はさなだ蕎麦だけ」と決めています。
さなだそばをおかわりする客
見たことのない客がやって来ます。
男は店の事情を知らず、天ぷら蕎麦を注文しますが、今日は作れません。
おこうは、さなだそばしか出せないことを詫び、わざわざ「お気遣いなく他の店へ」とまで付け加えましたが、男は「それをいただきましょう」
庄兵衛は、一口目をすする男を緊張した面持ちで見ています。
辛さに驚き、食べるのをやめてしまうかもしれません。
でも男は、少し驚いた顔をするとかすかに微笑み、結局三枚のさなだ蕎麦をたいらげてしまいます。
このそばをちゃんと食べた客は、三年ぶりでした。
よほどさなだ蕎麦を気に入ったようで、「いつでも食べられるのですか」と尋ねます。
ねずみ大根は、信州から取り寄せています。
なので年に一度、この日にしか作れないのだと説明されると、「では来年の今日また江戸へ来よう」と言い、代金の他に祝儀まで置いて行こうとしますが、律義な庄兵衛はそれを固辞するのでした。
翌年の正月四日
また男がやって来ます。
住まいは江戸ではないはずですが、本当に蕎麦を食べるためにやって来たのでしょうか。
どうしてこうまでさなだ蕎麦を恋しがるのでしょう。
鬼平犯科帳「正月四日の客」あらすじネタバレ版
以下はネタバレです。
ネタバレを読みたい人はタップしてください。
その他鬼平外伝各話リンク
第1作「夜兎の角右衛門」
第2作「熊五郎の顔」
第4作「老盗流転」