青年がモリーに話す真相
青年はモリーに自分のことを話します。
青年の回想によってドラマは進行します。以下は青年の回想パート。
白人青年ヘンリー・ディーヴァー
青年がアルツハイマーの新しい治療法についてプレゼンしています。
アルツハイマーのマウスの脳にインプラントを入れると症状が劇的に改善したという報告です。
彼は医師で、女性と一緒に暮らしています。
結婚しているのかどうか不明ですが、幸福そうなカップルは子供を望んでいます。
青年は電話で父の訃報を聞きました。
電話の声はパングボーンです。
パングボーンの「よくない知らせだ」という言葉に青年が「母さんが?」と尋ねると、パングボーンは、「ルースは無事。父親のほうだ」
父マシューの自殺を告げる電話でした。
どうやらパラレルワールドが存在するようです。
青年は久しぶりにキャッスルロックへ帰ります。
向かいの家のモリーが、彼を見つけると声を弾ませました。
「ヘンリー・ディーヴァー?」
この世界での青年は、マシューとルースの息子で、名はヘンリー・ディーヴァーなのです。
再会を喜ぶヘンリーとモリーは、メロウタイガーへ食事に出かけます。
店にいる知人と軽くあいさつを交わすモリーは、とても快活で別人のよう。
今は市議会議長をしているそうです。
青年ヘンリーは、「母はずいぶん前に町を出て今はパングボーンと暮らしている」と話します。
アルツハイマーを発症し、今はパングボーンに面倒を見てもらっている状態だとも。
それがヘンリーがアルツハイマーを研究している理由でした。
ひとりキャッスルロックに残った父は、牧師を引退してからは孤立していて、自殺の直接のきっかけになることがあったのかどうか、モリーにも分からないそうです。
地下室に監禁される黒人少年
今夜は父の家に寝る予定の青年でしたが、あいにく電気のブレーカーが落ちてします。
配電盤を探して地下室へ下りたヘンリーが見つけたものは、檻と黒人の少年でした。
警察が来て地下を調べ少年を保護します。
保安官らしいザレフスキによると、少年がしゃべったのは一言だけ。
「ヘンリー・ディーヴァー」
ザレフスキは、少年が自分の名ではなく家主の息子の白人青年の名を言ったものと解釈しています。
ふいに少年が駆け出しました。
森の方へ行こうとしているようでしたが、すぐに取り押さえられ病院に預けられました。
父の残した1400本のカセットテープ
青年ヘンリーは父の声の録音された大量のテープを発見します。
毎週1本ずつ録音されたテープには、キャッスルロックで起きる不気味な事件や父の体験が記録され、音声による日記のようです。
こちらの世界の父マシューもまた、神の声を聞こうと試みていました。
神の声が聞こえれば、キャッスルロックの負の連鎖を断ち切る方法が分かると信じていたのです。
父は言っています。
裏口のドアをひっかく音がして、見に行くと少年がいた。
警察に連絡しようと思ったが、その時少年が
「父さん聞こえたよ。すごく大きかった。音が頭に侵入して、父さんは消えていた。目が覚めたら森の中だった」
「積もっていた雪も消えて、知らない町のようになり、誰も僕を知らなかった」
と言う。
訳が分からずにいると、少年は、養子のヘンリーだと言い、私と森で祈っていたのだと話した。
母さんの作り話じゃないとも。
少年は、私と息子しか知らないはずのことも知っていた。
私は、愛する子が戻って来たのだと思った。
外見は違っても中身は私の息子だった。
カセットはさらに続きます。
でも彼は欺く者だった。私は騙されたのだ。
彼は息子ではない。
黒人の少年は、私たちの知っているヘンリーでしょう。
しかしこちらの世界の父マシューの本来の息子は白人のヘンリーで、小さいころに母に連れられて出て行ったきり。
神が息子を返してくれたものと思い迎え入れはしたももの、しばらく経つと、少年は息子ではなく、この子こそがキャッスルロックに巣食う悪魔だと感じるようになり、地下に監禁した。
そんな経緯が想像されます。
病院の火事は少年が起こした?
少年のいる病院で火災が起こり、彼は警察に連行されます。
放火犯だと思われているのです。
青年ヘンリーとモリーが面会した少年は、自分の名を「ヘンリー・マシュー・ディーヴァー」と名乗ります。
モリーが強く訴え、1日だけ少年を連れ帰る許可が下りました。
3人の乗る車のすぐ後ろを警察車両がついてきます。
一晩じゅう外で監視するそうです。
少年を森へ
モリーは、森へ連れて行く以外に少年を救う方法はないと直感しています。
警察をまいて森に車を走らせるモリー。
森に着くと少年は走り出し、ヘンリーとモリーはそれを追います。
崖の近くで少年に追いついたモリーは、少年の肩に手を乗せ空を見上げています。
ヒメコンドルの群れが旋回する空を。
その時後ろから来るザレフスキが発砲し、モリーが倒れます。
ヘンリーがモリーに駆け寄ると、そのスポットで見る世界はゆがんでいます。
周囲には血を流す女性や包丁を手にした女性、逃げる囚人の姿も。
次に気が付いた時には、あたりには雪が積もり、青年ヘンリーの他には誰もいません。
少年のヘンリーもモリーも消え、ザレフスキたちのいた形跡もありません。
崖から見下ろすキャッスルレイクは凍っています。
「ヘンリー!」
保安官が凍った湖の上を走っていきました。
彷徨と監禁
青年ヘンリーはそれから何日もさまよい、ショーシャンク刑務所所長のレイシーにつかまります。
お前は悪魔だと言われ、刑務所の地下へ。