ヘンリーの息子ウェンデル
ヘンリーには息子がいました。
ウェンデルという15歳の男の子で血のつながりは不明ですが黒人です。
第1話でルースに「赤ちゃんはマレットが?」と聞かれたヘンリーが「ウェンデルは15歳だ」と答えるやり取りがありました。
マレットという人が母親なのだろうと思いますが、ウェンデルはボストンで暮らしているので、テキサスの父とは別居していることになります。
父の墓を教会に移動するのに簡単な儀式を執り行うことになり、そこに参列するためにキャッスルロックへ来たようです。
青年が見ている父のビデオ
死んだ父の小屋で寝起きしている謎の青年は、小屋にある父の服を自由に着ています。
スーツを着て家の庭に立っていたことも。
ルースは「あのスーツを着せて埋葬したのに」と言っていますが、本当に同じスーツなのか、ルースの思い違いなのかは分かりません。
ヘンリーが小屋へ行くと、青年は古いビデオを見ています。
映っているのは子供の頃のヘンリーです。
森で父親が撮ったものでした。
遊ぶ父と子の記録に見えますが、父親は時々おかしなことを言っています。
「のろのろ歩くな」「神は聞くものに恵みを授ける」「風にも足音にも意識を向けるな」
それはなぜかヘンリーを不快にさせる動画だったようで、見入っている青年に構わず再生を止めてしまいます。
ヘンリーが小屋へ来たのは、ようやく見つけた受け入れ病院へ青年を送り届けるためでした。
病院は「ジェニパーヒル病院」です。
ともあれ青年は医療の専門家に任せてこれでお別れ…のはずでした。
その日、ジェニパーヒルで火災が発生。
患者数人が逃走したとニュースが報じています。
戻って来る青年
ヘンリーの母がキッチンで床に落ちた薬を拾い集めていると、裏口から青年が入って来ます。
上着を脱ぐと当たり前のように壁のフックにかけ、履いていた靴を脱いでいます。
それは、死んだヘンリーの父の習慣でした。
家の中で靴音がするのを嫌っていたのです。
ルースは知りませんが、父の棺を掘り出した時、棺の爆発が起こり、フタにヒビが入る出来事がありました。
遺体を乾燥させる酸素が無くなると棺が圧力鍋のような状態になり爆発することが稀にあるそうで、ヘンリーは牧師からそう説明を受けています。(第5話)
ヘンリーは森で父と何をしていたのか
ヘンリーは、父親と森で何をしていたのか思い出そうとしますが、思い出せません。
母親に聞いても「キャンプや釣り」だと言うだけで、父の不審な言葉を説明できる答は帰って来ません。
向かいのモリーに「何か知っているか」と尋ねると、「失踪中のヘンリーの心なら感じ取った」と言います。
それは「恐怖と安堵」
「安堵」とは何か。父がいなくなって安堵したと言うのかと詰め寄るヘンリーにモリーはたぶんそうだと答え、父親の呼吸器を抜いたことを告白します。
父に対するヘンリーの憎悪が自分を操り父の寝室へ向かわせた。モリーはそう解釈しています。
「君はどうかしている」と悪態をついて立ち去るヘンリーでしたが、森の謎が気になります。
ヘンリーは森へ行ってみることにしました。
父を知るオーディンとスキスマ
ヘンリーは、森で火を焚いている二人の男と遭遇します。
ひとりは白人。もう一人は年上の黒人。
あたりは暗くなっているのに一体何をしているのか。不気味な二人ですが、ヘンリーは彼らに見覚えがありました。
父の棺を教会へ移した時、近くのトレーラーに乗り込むところを見たのです。
黒人オーディンは耳が聞こえず手話を使い、白人ウィリーがそれを訳す形で進む話は、とても不可解なものでした。
彼らは森の中で聞こえる「何か」を追究しているようです。
それは「スキスマ」と呼ばれるもので、他の音が聞こえない状況下で最もよく聞こえる。
スキスマを耳鳴りと感じる人もいる。
ウィリーはオーディンの弟子。
ここにいる目的は、スキスマを聞くこととウィリーを正すこと。
……。
正すとは何をすることなのでしょう。
オーディンは、火で真っ赤に焼けた細い鉄の棒を眺めています…。
あまりに荒唐無稽な話ですが、ヘンリーには話を聞かざるを得ない理由がありました。
オーディンは父を知っていて、生前ここでスキスマについて話したと言ったのです。
オーディンは、スキスマを科学的にとらえているようですが、父はスキスマを神の声と思っていたそうです。
そしてヘンリーには以前から耳鳴りの症状があります。
オーディンは、トレーラーにヘンリーを案内すると、マシューが考案してオーディンが完成させた「無響室」という部屋を見せます。
厳密な設計と材質によって実現した、世界にひとつだけの「音のない場所」だと言う部屋。
「入ってみろ」と言われ、足を踏み入れると扉が閉まり、ヘンリーはそこに閉じ込められてしまいました。
耳鳴りに混じって何かが聞こえます「今は聞こえるか?」
それは刑務所で面会した青年がヘンリーに質問した言葉でした。(第3話)
「スキスマ」ってキングが作った言葉かと思ったら違うんですね。
スキスマ|Wikipedia
説明読んでも私には何の話か分かりませんが(笑)
青年の指示に従うパングボーン
パングボーンは孤軍奮闘しています。
突然川に飛び込んだルースは、いつまた同じことをするか分からず、「彼女を救える」と言う謎の青年の言葉にすがるほかないのです。
青年がまずパングボーンに命じたのは、レイシーが自殺した時に乗っていた車をスクラップ工場から探し出して取り戻せというものでした。
なぜそうするのかパングボーンには分かりません。
でも言うとおりにするしかありません。
青年が病院へ連れていかれたことを知らないパングボーンは、青年がルースの家の玄関前にいることを不審にも思わず、車を手に入れたことを伝えます。
すると今度はレイシーのモニュメントを建てろと指示されます。
青年はパングボーンをからかっているだけなのか、それとも…。
パングボーンが苛立ちを見せると青年はこの時初めて、トランクに詰められた自分を見捨てた彼への強い恨みを表明しました。
見ると青年の手には血がついています。
パングボーンは、慌ててルースの家へ飛び込みます。
家は荒らされコンロにかけられたままのフライパンが焼けています。
ルースとウェンデルはどこに?