「ザ・テラー」S1第2話「流血」ネタバレと感想、原作との違いなど
「ザ・テラー」は、ダン・シモンズの小説「ザ・テラー 極北の恐怖」をドラマ化したものです。
10話で構成される「ザ・テラー」シーズン1第2話のあらすじを紹介します。
氷に取り囲まれたフランクリン隊は、周囲の様子を確かめる小隊を派遣しますが、そこで思いもよらない悲劇が起こります。
Contents
「ザ・テラー」 エピソード2「流血」のあらすじネタバレなし版
キングウィリアム島に上陸した斥候隊はテントを設営しますが、夜になると近くで獣の声が。
隊員たちは撃退しようとして、そこにいたイヌイットを誤射。
混乱している間にゴア副長が背後から熊らしき獣に襲われ死んでしまいます。
撃たれたイヌイットにはまだ息があり、エレバスに連れ帰って手当てすることになりますが、傷が深く手術中に死亡。
ついてきたイヌイットの娘は、今すぐ船ごと立ち去れと言っています。
2話でよく見て欲しいポイント
- 橇に乗せたボートを引くのに意外にスキルがいる点
- イヌイットの娘が死に際の父親に言っていること
ザ・テラー エピソード2流血のあらすじ-ネタバレ版
ペグラーとブリジェンズ(本の二人)
One of the most popular novels of the Victorian era was "The Vicar of Wakefield." Terrific entertainment for a long journey away from The Terror. Learn more from the writers' room during a new #TheTerror tomorrow at 9/8c. pic.twitter.com/TvuiXFIJdI
— The Terror: Infamy (@TheTerrorAMC) April 1, 2018
氷から脱出する道を探る斥候隊が派遣されます。
斥候に加わるペグラーのためにブリジェンズが喜劇の本を貸しにやってきます。
この二人の関係は、原作には詳細に書かれているのですが、ドラマでは見る人に想像させるだけですね。
大体ご想像のとおりと思いますが、意外な要素もあるのでぜひ原作を読んでください。
フランシスの船室のトイレを修理するヒッキー
フランシスに距離を感じるフランクリン隊長は、イギリスでの出来事を思い出しています。
姪のソフィアに二度プロポーズして二回とも断られたフランシス。
フランクリンがソフィアに「彼には他の旗の女性がふさわしい」と話しているのを聞かれていたことが気にかかっています。
フランシスはアイルランド人なのです。
フランクリンはフランシスと話をしようとしますが、会話は不毛に終わり、隊長は早々にフランシスの船室を立ち去ります。
一言だけ「トイレから風が入る」と言い残して。
フランシスから自室のトイレを修繕する者を呼ぶよう言いつかったアーヴィング海尉が填隙員のヒッキーを見つけたのは船の倉庫でした。
ヒッキーとギブソンは暗い船倉で何をしていたのか…
男色行為は明らかですが、アーヴィングは追及せず、「艦長室のトイレを修理しろ」とだけ言い残して去りました。
フランシスがトイレ修理のヒッキーに親しみを示し、酒をふるまうので、ヒッキーは、自分は艦長に気に入られたと思った様子です。
斥候隊
ビクトリー岬へ向かった斥候隊の前に氷が積みあがっています。
美しく高いその壁は氷が押し合って盛り上がったものです。
乱氷帯と言われるもの。北極にはあちこちにあります。
氷の壁を乗り越えると、そこには17年前にジョン・ロス(ジェームズ・ロスの叔父)隊の残したケルンが。
See why @Voxdotcom calls #TheTerror a “near masterpiece” and @Collider thinks it’s “one of the scariest shows in years." https://t.co/8vstL0rdfU pic.twitter.com/3D2Id0gzh4
— The Terror: Infamy (@TheTerrorAMC) April 2, 2018
ゴア副長は、ケルンにメモを残すと、水路の開いた場所を探しに行きました。
ケルンとメモについてはこちらに
5 ザ・テラーの中の実話:キング・ウィリアム島ケルンに残された唯一のメモ
夜、テントの周囲で獣の鳴き声が聞こえてくると、隊員はクマがテントを襲いに来たと勘違いして音のする方へ発砲。
でも、銃弾を受けたのはクマではなくイヌイットでした。まだ息があります。
撃たれた男の娘らしいイヌイットが、何かを叫びながら周囲を見回しています。
誰かを探している?
騒ぎを聞きつけて戻って来たゴア副長の背後に四つ足の大きな獣が迫り、気付くよりも先に巨大な爪を食い込ませていました。
獣に連れ去られたゴア副長は見つからず、斥候隊は、負傷したイヌイットとその娘を連れてエレバスへ戻ることになります。
Watch the crew’s first encounter with the mysterious creature stalking them. #TheTerror https://t.co/HMCfykCgSt pic.twitter.com/egVqni7BTS
— The Terror: Infamy (@TheTerrorAMC) March 30, 2018
イヌイットの死
エレバスに連れ帰ったイヌイットの父親の手術が執り行われますが、手術は難航し、父親は絶命します。
死んでいく父に娘は「私にはまだ無理よ」と言っていますが、誰もその意味が分かりません。
グッドサーによると、死んだイヌイットの舌は鋭い刃物のようなもので切り取られているとのこと。
隊員は、イヌイットの習わしだろうと解釈しますが…
そして娘はフランシスに「今すぐ立ち去らないと、みんな消える」と言うのでした。
ザ・テラー2話の感想・周辺情報など
2話でトゥンバックが登場しますが、まだその姿はほとんど見えません。
最初はシロクマかと思って、「羆嵐のシロクマ版みたいな話か」と思ったら全然違いました。
※折に触れてお願いしていることですが、羆嵐よりも怖い本を知っている人は教えてください。
物語の重要な要素であるトゥンバックは1話では登場せず、1話はただ不穏な雰囲気だけを伝える回でした。
2話では、船が氷に取られた上に猛獣の襲撃を受け、不安が加速します。
東へ偵察に向かったホジソン海尉から「缶詰が腐っていた」と報告が入るのもこの回です。
氷、謎の怪物、食糧問題。
ザテラーで隊が直面するトラブルの要因が出揃ってきました。
斥候隊が橇の上にボートを乗せて運んでいるのを不思議に思われた方がいるかもしれません。
ボートがないほうがずっと軽いのに。
島の様子はほとんどまったく分からない状態だったので、どこかに川があるかもしれません。
ボートがなければ川から先へは進めなくなってしまうので、ボートを一緒に運ぶのがセオリーだったみたいです。
原作でそういうやり取り(ボートはむだに重いのに持っていく必要が?という話)があり、ブランキーがボートを運ぶ意味をそう説明していました。
補足情報と原作「ザ・テラー極北の恐怖」との相違点
イヌイット父の死の場面には、原作との重大な違いがあります。
原作の娘は、この時少しも泣いたり喚いたりせず平然としています。
理由はふたつあります。
まず娘にはこの時もう舌がないことが挙げられますが、それ以前に、彼女も父親自身も、その予知能力によって、今日起きることを知っていたのです。
さらに原作では、どうしたわけかこの時の診察で、娘が処女であるという謎の情報まで明らかになります。
それを聞いたフランシスは、イヌイットの貞操観念から考えてあの年齢の娘が処女であるとは信じがたいと考えるのですが…
読んでいると突然のプライベート情報に驚きますが、これが意外に重要なのです。後で分かります(ドラマにはこの要素は出てきません)
詳しくは原作で。
※イヌイットには家に来た客に一晩妻を貸すという習慣もありました。この習慣は後に日系人フランク安田によって禁止されました。
フランク安田の伝記「アラスカ物語」↓
フランシスとソフィアの関係についても原作とちょっと違います。
いえ。違わないかもしれないのですが、原作には書かれていることがドラマでは大きく省かれています。
原作のフランシスは、決して一方的に熱を上げていたわけではなく、ソフィアも自分を好きだと信じていたのです。
そう勘違いするのも無理ないねという出来事もありました。
はっきり言っちゃいますとですね、原作ではフランシスとソフィアの間には体の関係があるのです。
原作のソフィアは…なんというか…日本では「や」で始まる4文字で表現されるタイプの女性なのです。
回想シーンでソフィアがフランシスに「両親はあなたの宗教を受け入れられない」という内容のことを言っています。
ドラマではフランシスの信仰について語られることがなく「あなたの宗教」とは何なのか分からないままですが、フランシスの伝記本によると、クロージャー家はフランシスの父の代でアイルランド聖公会(アイルランド国教)に改宗しています。
ソフィアが言っていたのはこのことと思います。
3話あらすじはこちら
「ザ・テラー」S1第3話「はしご」ネタバレと感想、船から目的地の距離など