いつだってやめられるVol.3-闘う教授たち登場人物あらすじ感想など

いつだってやめられる闘う教授たち登場人物相関図 南欧の映画

イタリア映画「いつだってやめられる」シリーズは、はじめに第1作「7人の危ない教授たち」が制作され、好評を後押しにシリーズ化されたものです。

2作目「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」と3作目「いつだってやめられる 闘う教授たち」は、同時に企画されたものなので

1作目制作時点では1本限りの映画の予定

2作目を作る時には3作目も作ることが決まっていた

という流れです。

アメリカのドラマによくある「視聴率がよかったので次シーズンへ」となるパターンと似ていますが、この作品はとても上手に伸ばして、とてもとても上手にまとめてくれて大満足でした。

完結の第3作水色ラベルの「いつだってやめられる 闘う教授たちの登場人物とあらすじなどをまとめます。

  1. いつだってやめられるVol.3登場人物
    1. 登場人物相関図
    2. Vol.3新加入メンバー
      1. ムレーナ
    3. Vol.1からの継続メンバー
      1. リーダー:ピエトロ・ズィンニ
        1. ピエトロの周辺人物:ジュリア
        2. ピエトロの周辺人物:ファビオ
        3. セータ教授
      2. 製剤担当:アルベルト
      3. 営業担当マッティア
      4. 営業担当ジョルジョ
      5. マーケティング担当アンドレア
      6. 輸送担当アルトゥーロ
      7. 財務担当バルトロメオ・ボナッチ
    4. Vol.2加入メンバー
      1. 武闘派:解剖学のジュリオ
      2. メカニック担当:ルーチョ
      3. 法律担当:ヴィットリオ
    5. ローマ市警
      1. パオラ・コレッティ警部
      2. ガラトロ警視
    6. ソポックス製造テロリスト
      1. ウォルター・メルクリオ
      2. メルクリオの周辺人物
        1. ジネヴラ・ヴァルディ
        2. ふたりの手下男
  2. 「いつだってやめられる 闘う教授たち」あらすじネタバレなし版
  3. 「いつだってやめられる10人の怒れる教授たち」あらすじネタバレ版
    1. あの夜
    2. 神経ガスSOPOXのテロ
    3. アリーチェの面会
    4. ムレーナとの再会
    5. ムレーナの話
      1. ガス爆発事故
      2. ムレーナ誕生
      3. メルクリオの決意
      4. テロは名誉学位の授与式の日
    6. 72時間のチャンス
    7. 脱獄計画
    8. プロジェクト脱獄
      1. 爆薬作り
      2. 起爆装置
      3. オペラの配役横取り
      4. 爆薬をガムで壁に固定
      5. 電話がかけられない!
      6. 修道士に変装
    9. ローマ警察
    10. ファビオとジュリア
    11. コレッティ警部到着
    12. 塞がれたダクトが示すもの
    13. 水酸化ナトリウムのありか
    14. 対峙するピエトロとメルクリオ
    15. 給水機の神経ガス
    16. ムレーナのカムバックと発砲音
    17. メルクリオのタブレット
    18. ジュリア
    19. メルクリオ逮捕
    20. 「愛してる」
    21. 分からない。でも何かできるさ
  4. 「いつだってやめられる 闘う教授たち」の感想など
  5. いつやめ主演のエドアルド・レオ出演作品

いつだってやめられるVol.3登場人物

登場人物相関図

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いつだってやめられる闘う教授たち登場人物相関図

各登場人物詳細は下に

Vol.3新加入メンバー

ムレーナ

演:Neri Marcorè

右の眉がない麻薬の帝王が再登場

ピエトロにはめられて逮捕され(第1作)レビッビア刑務所に服役中

Vol.1からの継続メンバー

全員ソポックス製造の濡れ衣を着せられて服役中です。

リーダー:ピエトロ・ズィンニ

演:エドアルド・レオ

研究員ギャング団の創設者

SOPOXが神経ガスの化学式だと気付いている。

ピエトロの周辺人物:ジュリア

演:ヴァレリア・ソラリーノ

子供を産んだその日に子の父ピエトロが再逮捕され、ひとりで子育てしている

ピエトロの周辺人物:ファビオ

演:Raniero Monaco Di Lapio

国境なき医師団のメンバー

名誉学位を授与されることが決まっていて、授与式にはジュリア同伴で出席する予定

セータ教授

演:セルヒオ・ソリ

第1作「7人の危ない教授たち」でピエトロをクビにした教授の再登場

好きな言葉は「ジャコメッティ」

製剤担当:アルベルト

演:ステファノ・フレージ

化学者

意外に多才

営業担当マッティア

演:バレリオ・アプリア

ラテン語学者

薬局強盗の際、薬剤師に発砲した過去あり。

営業担当ジョルジョ

演:ロレンツォ・ラヴィア

ラテン語学者

マッティアとジョルジョはとても仲がいい

マーケティング担当アンドレア

演:ピエトロ・セルモンティ

人類学者

今では口八丁手八丁の騙し担当に。

輸送担当アルトゥーロ

演:パオロ・カラブレージ

考古学者

生真面目なだけにブチ切れるとヤバイ。

財務担当バルトロメオ・ボナッチ

演:リベロ・デ・リエンゾ

数理経済学者

身勝手に見えて結果的にはメンバーの中で最も人生と体を張っている

Vol.2加入メンバー

ジュリオとルーチョは1期メンバーと同じく逮捕されています。

弁護士のビットリオだけは捕まっていません。

武闘派:解剖学のジュリオ

演:マルコ・ボニーニ

人体と遺体を深く理解している。

メカニック担当:ルーチョ

演:ジャンパウロ・モレッリ

高度に実践的な能力を持つ。

法律担当:ヴィットリオ

演:ロザリオ・リズマ

冷静に考えると第2作ではいてもいなくても変わらなかった。

弁護士で今もひとりだけシャバにいる。

ローマ市警

パオラ・コレッティ警部

演:グレタ・スカラーノ

女性警部

ギャング団スキャンダル以来資料整理に身を沈めている。

ガラトロ警視

演:Francesco Acquaroli

責任逃れと功績の横取りが得意

ソポックス製造テロリスト

ウォルター・メルクリオ

演:ルイジ・ロ・カーショ

ソポックスの製造者

かつてテクノポールで責任者を務める教授だったが、爆発事故で恋人を失う。

事故後の大学の対応を恨み、復讐を企てている。

メルクリオの周辺人物

ジネヴラ・ヴァルディ

演:Anna Bellato

メルクリオ、フェリーチとともにテクノポールの責任者を務めていた女性教授

メルクリオのプロポーズへの返答を保留しているうちに研究所の爆発事故で死亡した。

ふたりの手下男

テクノポール時代からのメルクリオの部下

事故の責任を押し付けられるメルクリオに「なんでも力になる」と誓った。

「いつだってやめられる 闘う教授たち」あらすじネタバレなし版

第1作「7人の危ない教授たち」(ピンクラベル)についてはこちらに

いつだってやめられるVol.1-7人の危ない教授たち登場人物あらすじ感想など
イタリア(2014年)の映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」は、低所得に困窮する7人の学者が新しい化合物を作って儲ける物語です。出だし部分はブレイキング・バッドと似た感じ?でもストーリーは全然違っていて、こちらもとても面白い!...

第2作「10人の怒れる教授たち」(黄色ラベル)についてはこちらに

いつだってやめられるVol.2-10人の怒れる教授たち登場人物あらすじ感想など
イタリア映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」は、ピエトロひとりが罪をかぶって服役。他のメンバーはそれぞれの生活に戻ったように見える終わり方でした。でも実は、ピエトロが警察に出頭した後、教授たちはまたもう一仕事していました。続編...

ローマで流行していたドラッグの名「SOPOX」は、神経ガスの化学式だと見抜いたピエトロでしたが、テロが起きると訴えても聞き入れられず、精神鑑定にかけられる始末。

ある日ピエトロは、ムレーナとソポックスの製造者がかつての同僚だったことを知ります。

ムレーナならテロを防げるかもしれません。

ピエトロは、ムレーナのいる刑務所に移り、ムレーナが研究職から離れるきっかけになった爆発事故のことを聞きました。

その事故でソポックス製造者メルクリオの恋人は死亡します。

しかし大学は責任を職員らに押し付け、保険も降りないままメルクリオもムレーナも失業することになったのでした。

大学では間もなくファビオ医師への名誉学位の授与式が開催される予定で、ジュリアも同伴者として出席することになっています。

メルクリオが復讐テロを決行するならその日でしょう。

ピエトロはソポックス製造容疑を認めることにします。

すると審議が必要になるので、各地にバラバラに収容されている教授たちが集まることが出来るからです。

一堂に会した教授グループにピエトロとムレーナが話したのは、脱獄して大学へ向かい、テロを阻止する計画でした。

「いつだってやめられる10人の怒れる教授たち」あらすじネタバレ版

以下ネタバレです。

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ネタバレを読む

あの夜

夜の道を走るワゴン車が、道路を横切るロープに引っかかり、前のめりに一回転して止まりました。

ロープを張ったのは3人の男たちです。

3人は、転がる車からクロマトグラフを盗んで逃走しました。

運転手にはまだ息がありましたが、救急車は呼びません。

リーダーらしい男が、「呼ぶ必要はない。呼ぶな」と制したのです。

対向車線をやってくるアルベルトは、荷台に積まれたクロマトグラフに目を奪われ、分離帯にぶつかって車ごと宙に舞う大事故を起こしました。

アルベルトが警察に連行され、持っていた0.5kgの合法ドラッグが警察に押収されたあの夜の出来事です。

神経ガスSOPOXのテロ

1年後

ピエトロは、刑務所で精神鑑定を受けています。

入所以来「神経ガスを使ったテロが起きる」と主張しているピエトロは、妄想にとりつかれていると思われているのでしょう。

ピエトロがそう思うのは、ソポックスの綴り「SOPOX」を化学式と考えると神経ガスを示すものになるからです。

ソポックスの合成にはクロマトグラフを使う必要があります。

物質の分離に使う装置でとても高価なものです。

ソポックスの製造者には化学の知識があり、利益だけが目的ならクロマトグラフなど使わずに作れる薬剤を開発しているはずです。

一味にはテロの計画があったのだと仮定すると、クロマトグラフを手に入れたのも合点がいくのです。

しかし、誰もその話を信じません。

ことの重大さを分かるはずの教授グループは、ソポックス製造の濡れ衣で全員が逮捕され、今はバラバラな刑務所に入れられています。

アリーチェの面会

アリーチェがピエトロと面会しに来ました。

教授たちとコレッティ警部の関係を暴く記事を書いたブロガーです。

ソポックスの件にはまだ何かがあると感じるアリーチェは、その後も調査を続け、ピエトロたちが現行犯逮捕されたソポックスの製造所は、テクノポールの跡地だと知りました。

最先端の工学研究所で造船工学と無機化学の2部門がありましたが、爆発事故があり、使用されなくなった建物です。

その事故で大けがした造船技師のクラウディオ・フェリーチに話を聞こうと試みたところ、独房で服役中で面会が出来なかったと言います。

男の呼び名は「ムレーナ

確かにムレーナは「俺も研究者だった」とピエトロに話したことがありました

ムレーナとの再会

「レビッビア刑務所に移りたい」というピエトロの希望は受け入れられます。

再開したムレーナにピエトロは、「テクノポールのことで話がある」「神経ガスが作られている」と話します。

神経ガスと聞いて攻撃的だったムレーナの顔色が変わりました。

この話をまじめに聞く人物はムレーナがはじめて。心当たりがあるようです。

ムレーナの話

「ムレーナ」は「うつぼ」のこと。

本名は、クラウディオ・フェリーチです。

クラウディオ教授は、ウォルター・メルクリオジネヴラ・バルディと3人でテクノポールの責任者を務めていました。

研究施設テクノポールはさらに部門を拡張する予定でしたが、計画は立ち消え。栄光のテクノポールは大学から放置されます。

ガス爆発事故

メルクリオはジネヴラに結婚しようと言っています

ジネヴラは、結婚よりも仕事に夢中で、安全対策費の必要性をしきりに訴えています。

メルクリオは、もう8回も大学に援助を求める手紙を書いているのですが、事態は改善されません。

そんな時、ジネヴラのラボでガス漏れが起きたのでした。

メルクリオは、ラボのドアを叩き、「出てこい」と叫びますが、ジネヴラは、建物全体に危険が広がるのを嫌ってドアを開けません。

この事故でジネヴラは死亡メルクリオとクラウディオは大けがを負います。

設備のメンテナンス不足が原因なのは明らかでしたが、保険会社は、「大学に落ち度はなく、死んだバルディ教授は防災安全靴を履いていなかった。事故は、あなたがたの責任だ」と結論します。

片目の視力を失ったクラウディオも、安全靴を履いていなかったために保険金を受け取れないまま退職へ追い込まれました。

オキシトシンの構造式

オキシトシンの構造式 PublicDomain

ムレーナ誕生

船員たちに改良したボートを売るなどの商売で食いつないでいるうち、港に着く船がドラッグを密輸していることに気付きます。

クラウディオは、本名を隠し、祖父が竜骨を設計したトライトン級潜水艦の名を名乗るようになりました。

ムレーナ

低い声でそう言うと、誰もが面白いように恐れをなすのでした。

これが、クラウディオ教授がドラッグ界の帝王ムレーナになった経緯でした。

メルクリオの決意

一方のメルクリオは、「大学の連中を皆殺しにしてやる」と話していました

本気だったのでしょう。

今従えている二人の男は、ジネヴラの葬儀の日に「大学はひどい。どんなことでも力になります」と言った研究員たちです。

テロは名誉学位の授与式の日

もう神経ガスの準備は整っているはず。

「なぜまだ実行しないのだろう」と首を傾げるピエトロにムレーナは「歴史的な瞬間を待っているのかも」と答えます。

大学では間もなく名誉学位の授与式が執り行われる予定です。

医師のファビオが表彰されるので同伴するとジュリアが話していました。

議員や学長も出席します。

メルクリオの狙いは、授与式の日でしょう。

72時間のチャンス

授与式が危険と分かったものの、阻止する方法がありません。

頼れるとすれば研究員ギャング団しかいませんが、全国の刑務所に散らばっています。

全員が集まる方法はひとつだけ。

ピエトロが罪を認めることです。

そうすれば審議のために全員がレビッビアに集められ、72時間は同じレビッビアにいることが出来ます。

ピエトロは、罪を認める決心をしました。

二度と否認はできませんが、テロを防ぐにはこれしかありません。

脱獄計画

ピエトロは、集まった教授らに脱獄を持ち掛けます。

誰も賛成しません。

もうみんな懲りています。

しかも助っ人として紹介されたのはムレーナです。

でもムレーナのプランを聞くと教授たちはやってみる気になります。

「刑務所にはブロードバンド回線のために作った1.5メートルのトンネルがあり、トンネルにつながるPC室の壁を爆破して穴をあければ外へ出られる

そして2日後は刑務所オペラの公演日で、受刑者も看守もホールに集中します。

プロジェクト脱獄

爆薬作り

アルベルトには造作もないことです。

1.乾電池から硫酸を取り出す

2.アスピリンからアセチルサリチル酸を取り出す

・薬は解剖学のジュリオが医務室職員を知識で圧倒して処方せざるを得なくさせる

・抽出に使うメタノールは、作業所の塗装溶剤を拝借

3.硫酸アンモニウムは、花壇に使う肥料を使用

起爆装置

これはルーチョが専門です。

携帯電話が必要ですが、刑務所内の携帯はロマの受刑者が仕切っているので、バルトロメオが交渉にあたりました。

オペラの配役横取り

計画の遂行のため、教授メンバーを公演の舞台に立たせる必要があります。

ジョルジョとマッティアは様々な歌劇を翻訳した実力者で、アルベルトは歌唱の天才でした。

予定されていた主演の受刑者は、ムレーナが「説得」して辞退させました。

爆薬をガムで壁に固定

ピエトロとバルトロメオは、ガムを噛んでいます。

トリニトロフェノールを混ぜたガムで、これを壁に貼り付けて爆破する算段なのですが、バルトロメオは、うっかりガムを飲み込んでしまいます。

「硫酸も入っているのに」と騒いでいるのは本人だけで誰も心配していません。

電話がかけられない!

アルベルトがひときわ高らかに歌うタイミングで、爆弾用の携帯に電話を架けて壁を爆破するのが、今回の計画です。

ところが電話担当のアンドレアが看守を煙に巻くのに手こずっています。

公衆電話はアンドレアの目の前にあるのですが、看守はアンドレアを怪しんで許可しません。

このままではアリアが終わってしまいます。

「引き延ばせ」のサインを受けた舞台上の3人は、アドリブを駆使して最後のフォルテシモを遅らせます。

奇跡的にこの作戦は成功。

良いタイミングで壁の携帯電話は着信し、巨大な穴を開けました。

ホールではスタンディングオベーションが起こり、観客たちは、アリアに混じってかすかに聞こえた爆発音のことを忘れています。

修道士に変装

ヴァチカン巡礼のバスが刑務所の近くに停まっています。

巡礼の主催者は、ヴィットリオ。

脱獄に気付いた刑務所のサイレンが鳴り始めました。

ヴィットリオは、「みなさん急いで降りて!」と修道士たちをバスから降ろし、地下鉄駅へと誘導します。

刑務所地下から上がって来た教授たちは、ヴィットリオが用意していた修道士服に着替えて帰って行く巡礼者たちに紛れ込み、地下鉄に乗車するのに成功しました。

この後大学へ向かい、テロを阻止しなければなりません。

ムレーナは「脱獄は助けたが、大学を救うつもりはない」と言って、一駅目で降りてしまいます。

ローマ警察

脱獄の報を受けたローマ警察では、ガラトロ警視がコレッティに彼らを連れ戻すよう命じています。

ガラトロの「脱獄者は逃げるか家へ帰るかのどちらかだ」という言葉を聞いたコレッティは、教授たちが、もうひとつの家、大学へ帰るつもりだと直感しました。

ファビオとジュリア

大学に着いたピエトロは、今日表彰されるファビオの同伴者として来ているジュリアを探し、「テロが起きるから逃げろ」と言いますが、ジュリアは取り合わず、ファビオについてホールへ入って行ってしまいました。

コレッティ警部到着

ホールでは、セータ教授が給水機の不具合を嘆き、ジャコメッティを呼びつけています。

メンテナンスマンに扮したメルクリオには気付いていません。

ピエトロは、駆け付けたコレッティと鉢合わせました。

脱獄で逮捕しようとするコレッティにピエトロはすべてを話します。

スポックスを追っていたコレッティには、本当のことだと分かる話でした。

塞がれたダクトが示すもの

教授チームは、神経ガスはエアダクトを通してホールへ入ってくると考えていましたが、ダクトは何者かによって塞がれています。

だとすれば神経ガスは、すでに講堂棟の中にあることに。

ガスを建物の中に置くとすればライターのような液状ガスでしょう。

液状ならば水酸化ナトリウムで無毒化できます

水酸化ナトリウムのありか

ジュリオは、大学には必ず水酸化ナトリウムのある場所があると言います。

解剖用に保存された死体の防腐剤に含まれているのだそうです。

死体からどうやって水酸化ナトリウムを取り出したのかは不明です。

ただ、作業に当たったマッティオはげっそりした顔で「我が魂は死んだ」と言っています。

対峙するピエトロとメルクリオ

ピエトロは、小さめの教室の席に座るメルクリオを見つけました。

ピエトロも大学からリストラされた身です。

メルクリオと分かり合える部分もあると考えているのでしょう。説得にかかります。

でもメルクリオが話したのは、意外な事実でした。

まだテクノポールがかろうじて機能していた頃、ジネヴラにせっつかれながら何度も大学へ安全対策資金援助の嘆願のメールを送ったメルクリオが最後に受け取った返信には、ピエトロ・ズィンニの署名がありました。

当時は大学に籍があり、セータ教授から「君でなくてもジャコメッティがいる」とプレッシャーをかけられていたピエトロが、頼まれるままに書いたお断りのメールでした。

教育省によれば、内閣改造で財政の好転もあり得ます

いかにもピエトロが付け加えそうな一文で、私たちには悪意はないと分かりますが、再三の嘆願にこの言葉を返されたメルクリオには、ひどく無責任で冷淡に感じられたことでしょう。

自身を大学の被害者だと思っていたピエトロが、メルクリオにとっては加害者でした。

給水機の神経ガス

大ホールではアルベルトが給水機が液体ガスだと気付きました。

ホールの両サイドに数個ずつ並んでいる給水機をすべて中和した時、ちょうどセレモニーが始まり、「間に合った」と安堵するアルベルトでしたが、ステージ上にもう一つ給水機が置かれています。

教室にいるメルクリオは、手元のタブレットの表示でガスが中和されたことを察知しますが、「もうひとつある」と言っています。

ムレーナのカムバックと発砲音

ピエトロとメルクリオが話している教室へムレーナが入って来ます。

駅のベンチで大学生を見ているうちに自分の学生時代を思い出し、メルクリオを止めに来たのでした。

しかしメルクリオは、説得には耳を貸さないという決意表明のように拳銃を構えます。

メルクリオのタブレット

メルクリオは、遠隔操作用のタブレットを見つめています。

タップひとつでステージの給水機から神経ガスSOPOXが噴射される仕組みでしょう。

ジュリア

ジュリアは、獄中のはずのアルベルトがホールで何かをしているのを見つけました。

ピエトロの言っていた神経ガスやテロの話は本当なのか。

ジュリアは席を立ち、ピエトロを探しに行きます。

メルクリオ逮捕

小教室ではメルクリオが、最後の給水機が無毒化されたことを知りました。

そこへコレッティが入って来て、メルクリオは逮捕され、ムレーナは何も言わずどこかへ消えて行きます。

テロの危険は去りました。

「愛してる」

ピエトロが廊下を歩いていると、向こうからジュリアが現れました。

先ほどとは一転、「テロやガスなんて冗談だよ」とごまかすピエトロにジュリアはキスして、そしてファビオの表彰セレモニーへと戻って行きます。

ひとり取り残されたピエトロは、がっくりと肩を落としてから少し上を向いて「愛してる」

分からない。でも何かできるさ

10人の教授たちが歩いて大学を出て行きます。

いつも通り全員好きなことを言っていますが、今日中には刑務所に戻らなければなりません。

彼らはこれからどうなるのでしょう。

すれ違いにふたりの大学生が校舎の方へ向かって歩いて来ました。

ムレーナが駅で会ったふたりです。

「卒業したらどうなる」

「分からない。でも何かできるさ」

そんな話をしています。

「いつだってやめられる 闘う教授たち」の感想など

教授たちはなぜ大学を救ったのでしょう。

もちろん、学生に罪はないからだと思いますが、それだけではない気がします。

ジュリアに去られたピエトロが小さな声で言った「愛してる」は、ジュリアに言っているようにも大学に言っているようにも聞こえました。

不遇な教授たちですが、大学には学問のときめきがあります。

何かは分からない何かを追求するその先にこそ未来があり、大学とは未来をはぐくむ場所です。

だからムレーナは戻り、メルクリオはボタンを押すのをためらったのでしょう。

最後の大学生の言葉「分からない。でも何かできるさ」は、学ぶという行為の意義を端的に表現する言葉でもあり、また、生きるためのエッセンスでもあります。

「分からない。でも何かできるさ」

なぜか、このセリフを心の中で10回くらい繰り返しました。

最後には涙が。

まさか「いつだってやめられる」シリーズで泣くとは思いませんでしたし、どうして涙が出たのかもよく分かりません。

でも、「なんとかなるさ」ではなく「なにかできるさ」という言葉に、肩に力の入っていない気楽な積極性を感じます。

「なんとかなるさ」は風まかせな感じ、「なにかできるさ」は能動的な感じがします。

軽快に進んで来た映画らしく、過剰な演出はせず、見る者を強引に一定の感情に誘導することもせず、最高の台詞をあくまであさっり聞かせて締める粋。

心憎いラストシーンでした。

本当に本当に見て良かった、大好きな映画になりました。

いつやめ主演のエドアルド・レオ出演作品

主役のエドアルド・レオが出演するコメディ「おとなの事情」もとてもいいです。

3カップルを含む7人の仲のいい男女のホームパーティ。

電話が来たらスピーカー、メールが届けば読み上げるというゲームをする話です。

軽い気持ちで始めたゲームでそれぞれの秘密が剥がれ落ち、着信音が鳴るたびにパーティの空気が変わっていきます。

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞作品賞と脚本賞、アメリカ・トライベッカ映画祭脚本賞、ノルウェー国際映画祭観客賞受賞作品

おとなの事情についてはこちらに(ネタバレしてます)

「おとなの事情」登場人物のダメージ度を集計して分かった秘密をバラしてはいけない理由
「おとなの事情」は、2016年のイタリア映画(パオロ・ジェノヴェーゼ監督)です。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞作品賞と脚本賞、アメリカ・トライベッカ映画祭脚本賞、ノルウェー国際映画祭観客賞受賞作品月食の夜、親しい友人7人のホームパーティで、...
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