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「孤高のメス」WOWOWドラマ第3話あらすじ感想と生体肝移植に対する各人のスタンス

2019年1月28日

現役医師大鐘稔彦おおがねなるひこ氏のベストセラー小説「孤高のメス」がWOWOWでドラマ化されています。

第3話のあらすじを紹介します。

「孤高のメス」ドラマシリーズの登場人物はこちらに

「孤高のメス」前回まで

「地方でも大病院と同じレベルの医療を」をモットーとする外科医当麻鉄彦とうまてつひこと、肝移植に情熱を燃やす実川剛さねかわごうは、共同で難手術にあたり、信頼を深めます。

そんな中、当麻の甦生記念病院こうせいきねんびょういんでは職員中村キヨが肝移植を受けられず死亡。

実川の近江病院には肝移植以外に助ける方法のない難病に苦しむ7歳の少年がいます。

実川は患者の両親に生体肝移植を勧めます。

時は1989年。生体肝移植は海外でもあまり症例がなく、日本では1度も行われたことがありません。

孤高のメス第3話のあらすじ

生体肝移植を巡る思惑

実川から7歳の息子空也くうやへの生体肝移植を打診された両親は、息子の容体が悪化するのを見かね、父親がドナーになると申し出ます。

すぐにでも手術をしたい実川でしたが、最初から実川に移植手術を許す気のない卜部うらべは、のらりくらりとかわすばかり。

近江病院で生体肝移植手術をするかもしれないと後輩の長崎から連絡を受けた野本は、生命倫理委員会を設置して移植手術を止める阻止するよう卜部に進言します。

野本は、実川が近江病院で力を持ち、自分が帰れなくなることを恐れているのです。

移植をさせないための委員会である実態とは裏腹に、海外で肝移植を学んだ実川を引き抜いた近江病院に倫理委員会が設置されたとニュースが流れると、手術に踏み切るのかと憶測が広がります。

近江病院の動きに興味を持ったのはマスコミだけではありませんでした。

国立天満橋てんまばし病院扇谷おうぎたには、あと1年ほどで引退です。

次期院長はまだ未定ですが、阪神大学病院徳武とくたけが有力候補に挙がっています。

徳武と阪神病院院長の座を争った過去があり、今も遺恨を残す扇谷は、徳武に席を渡すのが我慢なりません。

そこへ近江病院のニュースが入ると扇谷は一計を案じ、卜部にできるだけ早く肝移植をするよう持ち掛けます。

徳武と比べて実績で見劣りする卜部ですが、日本初の生体肝移植を成功させれば事情が変わる。そうすれば次期院長に推挙できると言うのです。

願ってもないこの話を卜部が見送るはずがありません。

卜部は突然態度を変え、実川に生体肝移植を許可します。

生体肝移植にはふたつの手術が必要です。

ドナーから肝臓の一部を摘出する手術と、レシピエントにドナー肝を移植する手術です。

実川は、父親からの肝臓摘出を当麻に依頼。手術は11月2日と決定します。

当麻の様子からオペが実行されると勘付いた野本が京阪新聞社会部の記者上坂にその情報をリークし、生命倫理委員会も通さず内密に行われるはずだった手術は、マスコミの知るところとなりました。

今回の生体肝移植に対する現時点での各人のスタンス

実川近江病院外科医肝移植ができないなら近江病院を退職するというほどやりたい
当麻甦生病院外科医移植で救える命なら救いたい。実川に協力を要請されればもちろんやる
卜部近江病院外科教授そんな危ない橋渡ってたまるか!と思っていたけど、天満橋病院院長になれるなら当然プッシュ
島田甦生病院院長当麻が利用されるのを危惧しながらも成功を祈る
扇谷国立天満橋病院院長徳武を次の院長にしないため、卜部に肝移植成功の手柄を立てて欲しい
徳武阪神大学病院院長俺の作った肝移植研究会のガイドライン守れよ
野本甦生病院外科医実川当麻うぜぇ
青木甦生病院外科医日本初の手術で当麻先生の助手に指名された!やった!
上坂京阪新聞記者肝移植の是非に関する意見はまだ不明。ただ手術は11/2だと思っている。この日程は変更される(後述)

検査を受けない親

町長大川は、数年前から肝臓の数値が悪く精密検査を勧められていますが、多忙を理由に一向に受診しません。

困り果てた娘翔子が院長の島田に相談すると島田は、当麻に説得を頼みます。

大川は当麻をとても気にいっているので、もしかしたら聞き入れるかもしれないと。

当麻の見たところ、大川には慢性C型肝炎の疑いがあり、放置しておけば危険です。

大川は、「近いうちに」と相変わらずの生返事。

ちょうど湖水町にマル豊自動車の工場を誘致する計画が山場を迎えていて、肝臓どころではないのです。

議会では、その場所に町立病院を建てようとする声が優勢ですが、大川は経済効果の高さから断固として工場を誘致したい考えです。

町役場を訪れた町会議員井上は、先日、野本の誤診で危険な状態に陥った妻が当麻の手術で助かって以来、町立病院よりも当麻のいる甦生記念病院を充実させるべきと意見を変えています。

町会の政治に影響を与えるほどの名医当麻でしたが、本人の母親は大川同様病院嫌いです。

父親は5年前に他界し、熊本の実家にひとりで暮らしている母峰子は、「肩が凝って首が重い」「だるい」と不調を訴えはするものの、なかなか検査を受けに行きません。

なんとか電話で説き伏せ、病院へ行かせはしたものの、峰子は血圧が高いだけだったとしか報告しません。

当麻は、一日休暇をとって熊本へ帰ることにしました。

帰省の前日、近江病院で生体肝移植を待つ空也が肺気腫を起こし、翌日の緊急手術が決定しました。

当麻は予定を変え、明日は近江病院で執刀することになります。

「孤高のメス」3話の感想

第1話のパーティに出てきたお偉方がどう話に絡むのかと思っていたら、こういうことでした。

禍根のある相手とは言え、自分が引退した後の役職すら与えたくないとはずいぶん了見の狭い話です。

野本が肝移植をさせまいと進言した倫理委員会設置の報が逆に移植を促したことは痛快ですが、野本はますます実川や当麻を憎むようになるでしょう。

手術が成功して卜部が天満橋病院の院長になることが決まったら、野本を連れて行くでしょうか。

…ないですよね(笑)

野本がある意味一番面白い登場人物なので、消えたら困りますが、どうなるのでしょう。

第3話では、実川が医師を目指した理由が明らかになりました。

実川の父は大学病院に勤める医師でしたが、病院で何かが、おそらく重大な医療ミスがあり、その責任を押し付けられる形で病院を追われ、酒に溺れて死んでしまいます。

「お前は医者になどなるな」という父の言葉に従わず、実川は「負けない医者になる」と母に宣言します。

「負けない医者」とは、どういう意味でしょう。

実川は、どんな権力も陰謀も及ばぬ実力を持った医者になろうと研鑽してきたように見えます。

野心的ですが実川医師は患者を見ています。

患者の情報には興味がないまま、手術を妨害する野本や、実現をせかす扇谷とは対照的です。

おそらく実川は、見えないところで何らかの力が働いて移植手術が可能になったと見当がついているでしょう。

でも関係ありません。

今一番重要なことは、7歳の男の子が死にかけているということです。

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