鬼平犯科帳スペシャル「引き込み女」登場人物キャストとあらすじ感想など
「鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。
何度も連続ドラマになっていますが、2001年にレギュラー放送を終えてから14本の2時間スペシャル版が制作されています。
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「引き込み女」
鬼平犯科帳スペシャル「引き込み女」は2008年制作のドラマです。
「鬼平犯科帳」文庫版では19巻に収載されている「引き込み女」が原作です。
鬼平犯科帳「引き込み女」ゲスト登場人物
主要キャストは、すべて中村吉右衛門版の出演陣が続投しています。
軽業小僧(かるわざ-こぞう)
演: 井手らっきょ
身の軽い盗賊。曲芸のごとく侵入、逃亡する。
駒止めの弥太郎(こまどめ-の-やたろう)
演:石倉三郎
押し込み先で皆殺しをしたこともある凶悪な盗賊を率いる男。
最近江戸へやって来た気配がある。
お元(おもと)
演:余貴美子
駒止めの弥太郎配下の引き込み女。
類まれな引き込みの才能を持つと言われている。
おりく
演:佐々木すみ江
お元が引き込みのために奉公している袋物問屋菱屋の未亡人
先代の死後、店を仕切っている
お延(おえん)
演:栗田よう子
菱屋の娘
伊兵衛(いへえ)
演:羽場裕一
今の菱屋の表向きの主人
番頭だった伊兵衛は、先代の死後、娘のお延の婿になった
鬼平犯科帳「引き込み女」あらすじネタバレなし
軽業小僧と駒止めの弥太郎
町方が盗賊軽業小僧を盗り逃しました。
天窓から侵入して、逃げる時は積み上げられた手水桶から屋根へ。その身の軽さから軽業小僧と呼ばれる盗賊ですが、名前も分かっていません。
一方火付盗賊改めでは、上州、下野辺りで畜生働きを繰り返す盗賊駒止の弥太郎一味が江戸へ来ている気配を察知し、警戒を強めています。
弥太郎の引き込み女
そんなある日、五郎蔵は弥太郎配下の引き込み女を見かけます。
あとをつけた五郎蔵は、女が袋物問屋菱屋に奉公していることをつかみました。
菱屋では五年前に主人が死に、今の主人は番頭上がりの伊兵衛ですが、伊兵衛は菱屋の娘お延の入り婿で、実際に店を仕切っているのは未亡人おりくです。
伊兵衛は、お延を呼び捨てにすることも許されません。
その日から盗賊改めと密偵たちは、菱屋の周辺を見張りますが、何も起こりません。
おまさを菱屋へ
動きがないまま七日が過ぎ、平蔵は思い切っておまさを菱屋へ奉公させることにします。
おまさを菱屋へ紹介する人物が必要です。
平蔵が白羽の矢を立てたのは、井上玄庵。
医師井上の息子で、医道と武道に励む若者です。
玄庵は、菱屋のお得意様でもあり、おりくは二つ返事でおまさを奉公人として引き受けました。
おまさは、引き込み女の顔を見たことがありません。
奉公人の中から誰が引き込みなのかあぶり出す必要があります。
できる奉公人お元
おまさは、すぐに引き込み女を探し当てました。
お元という女で、奉公人の中でひときわ賢く、気が利いてよく働くうえに人当たりがいいので、誰からも好かれ頼られています。
それでいて素性は明かさず、これまでのことはよく分かりません。
渡り役は誰
おしこみのために引き込みを入れているならば、店の内情を弥太郎に伝える渡り役がいるはずです。
おまさの調べで、お元は芝の両替商叶屋の弥七という手代とよく話をしていることが分かりました。
彦十は、夜道で弥七に近づき「お元のことは黙っていてやるから」と金を無心してみます。
ところが弥七は取り合わず、彦十を殴り、横から出て来た忠吾にも一撃見舞って行ってしまいました。
弥七は、盗賊とは関係ないようです。
お元は足を洗ったのか
もしかするとお元は足を洗っていて、菱屋への奉公は、引き込み目当てではないのかもしれません。
でもお元は当代一と評判の引き込みです。駒止めの弥太郎が簡単に手放すでしょうか。
そして時々物思いにふけるお元は、何を思っているのでしょう。
鬼平犯科帳「引き込み女」あらすじネタバレ版
以下はネタバレです。
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余談:火付盗賊改めの拷問
おろくが拷問にかけられそうになる場面があります。
板状の石は、座った膝の上に載せるもので、時代劇ではよく出て来る拷問手段です。
当然、拷問はできるだけしないのが望ましく、やむを得ない場合は、苦痛の軽いものから順次重くしていくべしという拷問の手引きのようなものがあり、それによると石載せは原則的に二番目にやる手法だったみたいです。
最初は、後ろ手に縛った手首を肩の方へ持ち上げる。すると肩の肉が盛り上がるのでそこを打つ。痛みは強いけれども骨折はしないという方法。
それでも白状しない者は、薪の上に座らせて膝に石を載せる。石は、二、三枚から十枚程度まで。
それでもだめなら海老責め。
海老責めは、手を後ろで縛ってあぐらをかかせ、両足首を縛った縄を首にかけて前屈させた姿勢で放置す…
怖えぇよ。
拷問詳細はこの本に
ドラマで出てくるような、縛ってバシバシ叩く方法は当たり前に使われていたと思いますが、本当の拷問は、もっと静かで陰険で、だからこそ耐え難いものだったみたいです。
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