「キャッスルロック」シーズン2第5話あらすじ-アンの生い立ちと殺人

アンがアニーだった頃

ジョイが、アンの鍵付きトランクから探し出したCD-ROMには、アンの過去が記されていました。

ディスレクシアだったアニー

幼い頃、アニーは本が読めませんでした。

知能に遅れがあるわけでもなく、言葉を理解することもできますが、読むことに難渋する症状で、欧米には多いみたいです。

今では、カムアウトしている有名人もたくさんいます。

参考：ディスレクシア｜Wikipedia

映画作品だと「愛を読む人」の主人公女性がディスレクシアと思われます。

識字の問題のほかにも発達障害らしい特徴を備えていて、今なら逆に社会からの助けが必要な人として違った対応をされたはずですが、障害への理解が進んだのは最近のことです。

この障害のためアニーは小学校でからかわれ、周囲といざこざを起こすことの多い子供でした。

結局学校へは行けなくなり、自宅で父カールの小説を読んだりPCにタイプしたりしながら読みを学ぶことになりました。

作家志望の父の大作こそ「貪欲な天使」だったのです。

理解があり根気よく優しい父親でしたが、発達障害の症状改善トレーニングのプロではなく、なかなかアニーの読み書きは上達しません。

そこで両親は、専門家リタに助力を求めることに。

彼女のもとでアニーの識字能力は飛躍的に上がります。

リタはまだ若く、アニーにとっては唯一の友人のような存在でした。

両親の別居

その頃父親が家を出て行きます。

両親はその理由をあまりはっきりとは語りませんでしたが…

高卒資格認定

アニーは、高校卒業の資格試験にパスし、大学を目指します。

でも母親は喜んでいません。

文学を専攻したがっている娘が夫のほうへ行ってしまうようで不安なのです。

夫カールは根の腐った木であり、彼の世界は汚れている…と、彼女の中ではそういうことになっているようです。

キャンパス見学の帰り、母は突然行動に出ます。

「綺麗なまま消える方法があるわ」

母は、助手席にアニーを乗せた車で崖から湖に突っ込み、アニーだけが助かりました。

妹

母を失った娘、無理心中の生き残りであるアニーは、大学の願書も書かないままふさぎ込んでいます。

もう少し時間が必要でした。

でもアニーは、知りたくないことを知らされてしまいます。

リタの産んだ女児エヴァンジェリンは、父カールの子でした。

エヴァンジェリンの誕生日から、ふたりの関係が母親が生きていた頃からのものだと分かります。

大きなわだかまりを残したまま、アニーと父、リタ、エヴァンジェリンの4人の生活が始まりました。

この時アニーは頑張りました。

精一杯の寛大さで最大限の努力をしました。

エヴァンジェリンをあやそうとしさえしました。

そんな折、ついにカールの小説「貪欲な天使」が出版されます。

「貪欲な天使」は、小学校の頃からアニーとともにある作品です。

アニーはこの本を読んで識字の練習をし、内容について父と意見を交わしたこともあります。

完成した本は、父だけでなくアニーにとっても悲願の達成、親子の時間の結晶のはずでした。

なのに

本の終わりにはこう書いてありました。

「私の笑いの国。リタ・K・グリーンに捧ぐ」

事故と殺人

殺す気などありませんでした。

「リタに捧げたのね。笑いの国は私じゃなかった」

そう言いながら迫って来るアニーから後ずさりするカールが階段から落ち、折れた手すりの上に落下したのです。

床から突き出た手すりに胴体を貫かれ、助けるすべもないまま父は絶命しました。

物音を聞いたリタがやって来ます。

あまりの惨状に取り乱すリタは、アニーが殺したと信じこみます。

そう思うのも無理ない状況ですが、殺してなどいません。これは事故でした。

でも次の瞬間、アニーは決然とした態度でハサミを握るとリタを追い詰め、脇腹を刺しました。

こうしてアニー・ウィルクスは殺人者になったのでした。

ジョイが読んでいる「貪欲な天使2004年9月7日」はここで終わりです。

でも物語には続きがあります。

アンは書かず、ジョイは知ることもない結末とは…

逃走

アニーは死ぬつもりでした。

森の先にある湖でエヴァンジェリンを殺し、自分も死のうとしていました。

腕に抱いたエヴァンジェリンは小さく弱く、手を離せば浅瀬に沈んですぐに死ぬでしょう。

でもその時、エヴァンジェリンが笑ったのです。

アニーの心は決まりました。

アニー・ウィルクスはアン・インガルスに。エヴァンジェリンはジョイになり、州から州へ。

母親になりすまし、看護師になりすまし、ナンバープレートを貼り換え、薬を盗んで。

やがて運命は、アニーをこの忌まわしい町に誘いました。

リタを探すジョイ

ジョイにはDVDに収められたものが事実なのか創作なのか分かりません。

でも手掛かりはあります。

「リタ・K・グリーンに捧ぐ」という献辞です。

ジョイは、その名前を検索してみました。

何人のSNSを閲覧したでしょう。

とうとう条件に合うリタが見つかりました。

手元には、チャンスから借りている携帯電話があります。

繋がった電話の向こうでリタは、「セールスなら…」と気のない応答をしていましたが、「貪欲な天使という小説を知っていますか？」と聞かれると、驚き、

「あなたは誰？」

アンはエースとバーで再会

ジョイが家に帰らないと言うので、アンはひとりでメロウタイガーを訪れました。

カウンターで強い酒を飲んでいると隣にエースが…。