「孤高のメス」WOWOWドラマ第6話あらすじ感想-脳死患者の希望と医師の現実
現役医師大鐘稔彦氏のベストセラー小説「孤高のメス」第6話のあらすじを紹介します。
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Contents
「孤高のメス」前回まで
近江病院の実川が踏み切った生体肝移植は、術後の拒絶反応が強く、移植を受けた少年の死に終わりました。
マスコミは、手術にミスがあったのではないかと実川を責めます。
近江病院から矛先をそらしたい卜部教授は、記者会見で「問題があったとすればドナー肝のほうだ」と言い出します。
ドナーの手術を担当したのは、甦生記念病院の当麻です。
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孤高のメス第6話のあらすじ
卜部教授死亡
生体肝移植手術を受けた7歳の患者空也くんが死に、卜部が、ドナーの手術に問題があった可能性を話したことで、当麻も責められるようになります。
手術の日、当麻の母は危篤状態で、当麻は、手術を最後まで見届けずに実家へ発っています。
当麻の手術はほぼ終わっていて、ミスもなかったことは実川も明言していますが、マスコミは、オペの途中で帰った当麻の責任を追及。
当麻自身が、「帰るべきでなかったと反省している」と話してしまったことが、ますます立場を悪くしてしまいます。
卜部は、実川に国立天満橋病院の次期院長に推薦されていたものの、この一件でその可能性は消えたと話します。
「やりたいことをやるには権力がいるんだよ」
実川にそう言う卜部の口調にはもう叱責の色はなく、泡と消えた夢をさめざめと眺めているような風情です。
その夜、卜部は急死しました。
心筋梗塞でした。
近江大教授選
卜部の訃報を受け野本は、近江大の教授選に名乗りを上げます。
ちょうどその頃、湖水町の町役場では町立病院建設推進派が甦生病院に代わる新病院が必要だと熱弁をふるっています。
マル豊自動車の工場を誘致したい町長が入院したことで、町立病院派は息を吹き返しているのです。
しかし大川町長が退院するとまた議会は工場誘致へと傾きます。
そこで町立病院派の西は、野本に近づきます。
「町立病院を近江大関係者の天下り先と考えてもらっていい」と話す西は、そうしたパイプは教授選にも有用であると言いたいようです。
西としては、現役医師を味方につけ議会の賛成を得たい考えです。
野本は、教授選のための接待に奔走し、自分こそが卜部の門下生で、卜部は「自分の後任には野本を」と話していたと吹聴しています。
近江大教授選には実川も立候補していますが、生体肝移植の件で病院の評判を落としたばかりの実川の旗色は、あまりよくありません。
誠の脳死と臓器提供の意志
武井誠が交通事故に遭い脳死と判定されます。
青木医師の恩師武井静の息子で、医大を目指す17歳の少年です。
静は、誠の言葉を思い出しています。
「もしも脳死したら臓器を提供したい」と話していた誠の意志を叶えたいという恩師の言葉を青木が当麻に伝え、当麻はすぐに実川に静を紹介します。
脳死移植をできないと言う実川
「#連続ドラマW #孤高のメス」
第六話、2/17(日)よる10時!
予告映像公開中⇒https://t.co/3KQaJavTes思い通りに進まない現状に納得のいかない実川(#仲村トオル)。卜部は「やりたいことをやるには権力が必要」と言うのだが…。#wowow #滝沢秀明 pic.twitter.com/wUq6Kp0DE3
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) 2019年2月13日
近江大病院には今、ウィルソン病で危険な状態にある15歳の少女がいます。
肝臓を移植すれば助かるかもしれません。
主治医の三郷は、静の申し出を歓迎していますが、当の実川が乗り気ではありません。
生体肝移植の騒動が教授選を難しくしている現状で、日本では許されていない脳死移植をすればますます事態が悪化し、教授の椅子が遠ざかるのを危惧しているのです。
今ひとりの患者を死なせても医学界で力を持つことで将来多くの患者を救う道を選ぶべきだと言うのが実川の考えです。
でも潔癖な当麻にはそれが受け入れられません。
「目の前の患者を救うのが医師の務めであり、それができないなら医師の資格はない」
いつになく激高する当麻を見る実川の目にも怒りが宿っています。
「孤高のメス」6話の感想
「#連続ドラマW #孤高のメス」
第六話、2/17(日)よる10時!⇒https://t.co/HKxCJsQr4U卜部(#利重剛)の発言により病院内外で非難される当麻(#滝沢秀明)。そして肝移植研究会会長・徳武(#六平直政)にも目を付けられ肝移植定着への道を閉ざされてしまう。#wowow #工藤阿須加 pic.twitter.com/j1KGhGbLJW
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) 2019年2月17日
卜部の死で、物語が大きく動きました。
卜部の言った「やりたいことをやるには権力がいる」という言葉は、実川が少年期から考えていたことだったでしょう。
実川の父は、責任を押し付けられ病院を追われた医師でした。
そんな父を見て「負けない医者になる」と誓ったのが実川です。
実川の言っていることにも頷ける部分はあります。
「やりたいことをやるには権力がいる」というのも実際その通りでしょう。
でも、力なき者の正義が無意味だとも思いたくありません。
目の前の一人を助けてまだ見ぬ多くの患者を捨てるのか、一人を見捨てるかわりに将来の数百人、数千人を救うのか
こんな選択を迫られることは私の仕事にはなく、医師とは本当に大変な職業だと改めてそう思います。
野本もあれはあれで大変でしょう。きっと。
ウィルソン病
近江病院の15歳の患者さんのかかっているウィルソン病は、銅の排泄障害による先天性の銅過剰症だそうです。
薬剤を生涯飲み続けるか、現代では、肝不全を起こせば肝移植の対象になるとあります。
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