「孤高のメス」WOWOWドラマ第4話あらすじ感想-13時間の大手術
現役医師大鐘稔彦氏のベストセラー小説「孤高のメス」第4話のあらすじを紹介します。
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「孤高のメス」前回まで
近江病院では7歳の男児空也くんへの生体肝移植手術が決定しました。
日本では初の手術になります。
執刀医実川剛は、甦生記念病院の当麻鉄彦に手術を手伝ってくれと依頼、当麻は快諾します。
ちょうどその頃、熊本にひとりで暮らす当麻の母が体調不良を訴えていたため、当麻は移植手術の前に一度帰省する予定でした。
しかし空也くんの容体が急変し、移植手術の日取りが早まります。
当麻は帰省を延期して手術に当たることにしました。
孤高のメス第4話のあらすじ
緊急手術の朝救急車で運ばれる当麻の母
父親から息子への生体肝移植手術の朝、近江病院へ向かおうとする当麻に熊本から電話が入ります。
当麻のおばでした。
当麻の母が倒れて救急車で町立病院へ運んだところだと、電話の向こうのおばさんは、慌てた様子で話します。
当麻が手術室に入る頃、母は心筋梗塞と分かりこれから手術を受けることに。
熊本のおばは、責めるような口調で戻れないのかと当麻に尋ねますが、今日の手術は、放っておけばあと10日も持たないであろう子供への生体肝移植です。
日程は変えられませんし当麻の他に手伝える医師はいません。
当麻は予定通り手術を担当します。
並行するふたつの大手術
「#連続ドラマW #孤高のメス」
第四話、2/3(日)よる10時!⇒https://t.co/3GxCPlx0cDいよいよ日本初の生体肝移植手術当日。ドナーの手術を頼まれた当麻(#滝沢秀明)に、母親が倒れたと熊本から電話が入り…。#wowow pic.twitter.com/T5hvHo0yNC
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) February 3, 2019
生体肝移植はドナーとなる父親の肝臓の一部を摘出する手術と、レシピエントである息子に肝臓を移植する手術からなるもので、オペを受ける人が二人になります。
まず最初に、レシピエントを肝臓の受け入れ準備のできた状態にしておく必要があり、その進行具合に合わせてドナーを開腹するという手順で進みます。
当麻が執刀するのは、父親の肝臓を摘出する手術です。
実川が恐れていた通り、空也くんの肝臓は周囲との癒着が激しく、剥がすのに大変な時間がかかります。
じっと立ってドナーの手術開始の指示を待つ当麻の心情は、想像するだにすさまじいものだったでしょう。
ようやく父親の手術が始まります。
当麻はいつもと変わりません。
冷静に正確に着々とオペは進んで行きます。
その時、手術室に誰かが来て「当麻先生に熊本から緊急電話です」と告げます。
当麻にはおばからだと分かっていますが、手術の手を止めるわけにはいきません。
実川が代わりに電話を受け、今日、当麻に起きていたことを知ります。母は危篤でした。
実川は、肝臓の摘出が済むとすぐに「後はこちらでやる」と言い、当麻を熊本へ帰します。
実川の提案したマスコミ公表
「#連続ドラマW #孤高のメス」
第四話、2/3(日)よる10時!⇒https://t.co/ynplLqKdJE近江大学医学部付属病院では、優秀な実川(#仲村トオル)のことが気に食わない野本(#宮川一朗太)のリークにより情報をつかんだ京阪新聞の記者・上坂喜一(#三浦誠己)が押し掛けていた。#wowow #滝沢秀明 pic.twitter.com/N2LnkK5EmH
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) February 2, 2019
実川に近江病院での居場所を盗られたと感じている野本医師は、京阪新聞の上坂記者に肝移植が今日決行されると再リークします。
近江病院には朝から記者が訪れ、卜部外科教授は追及をかわすのに苦慮しています。
そこで実川は、「もう話してしまっては」と提案。
「もしも失敗したら」と弱腰な卜部に対し実川は「しませんよ失敗なんて」と自信を見せます。
元々卜部がこの手術を許したのは、国立天満橋病院の現院長扇谷から、肝移植に成功して名をあげれば時期院長に推薦すると持ち掛けられてのことです。
詳しくは「孤高のメス」第3話に
この機会にマスコミを味方につけておくのも損な話ではありません。
卜部は上坂に情報を渡し、卜部が生体肝移植の分野で立ち遅れる日本の問題を語る記事を掲載させます。
扇谷と因縁の仲で、やはり天満橋病院の院長候補である徳武は、卜部の大きく扱われた夕刊を見て激怒。扇谷は満足げに笑っています。
でも
手術の情報を公開したことが思わぬところにも影響します。
近江大学病院で生体肝移植手術が行われていますと報じるニュースは、病院の正面玄関を映しています。
熊本の町立病院の廊下でニュースを見ていたおばは、玄関を出てきた当麻に気付きます。
てっちゃんの言っていた「大事な手術」とは、このことだったのか。
手術室を出た当麻の母には意識がありません。
でも伝えずにいられませんでした。
「てっちゃんは大きな手術をしたよ」
聞こえていないはずの母がかすかに微笑み一筋の涙がこぼれました。
時の人実川と母の死に間に合わなかった当麻
生体肝移植は、術後の合併症や拒絶反応が起こりやすく、すべてをクリアできたと判断できるのは1年後です。
とはいえ、卜部のマスコミ戦略の成果もあり、13時間に及ぶ日本初の難手術を成功させた実川は一躍時の人となります。
アメリカの恩師からは祝電が届き、連日マスコミが患者の様子を聞きに来ます。
空也くんは呼吸器がはずれ話せるようになりました。父親も順調です。
一方の当麻は、母の死に目に会えませんでした。
葬儀には青木と看護婦の大川も参列し、院長の島田が「この際だからゆっくり休むように」と言っていると伝えます。
でも当麻はすぐに甦生病院へ帰ります。
母が当麻に最後に言った言葉は「患者さんを助けて。それがあんたの務めなんだから」でした。
青木の恩師とその息子まこと
青木は、甦生病院の待合室でかつて習っていた女教師を見つけます。
ねん挫したそうです。
付き添ってきた息子のまことも青木と顔見知りのようで、青木がまことに進路を尋ねると、医学部を目指すとの答。
青木に憧れて医者になろうと考えたのだと言うまことを励ます青木でした。
町長大川吐血
看護婦大川翔子の父、町長の大川の進めていた湖水町へのマル豊自動車工場誘致計画は山場に差し掛かり、今日は候補地を視察に来た工場関係者を案内しています。
交通の便が良く広々としたその土地を見た先方の感触は良く、実現まであと一歩です。
ところが突然大川がその場にうずくまってしまいました。
大川町長はそのまま甦生病院に救急搬送されます。
「孤高のメス」4話の感想
少し前から当麻の母が言っていた「肩と首が凝って痛い」という症状は、心臓が原因していたのでしょう。
血圧が高いだけだったという母の報告は、果たして本当だったのでしょうか。
心臓のことを言われはしたけれども、息子には黙っていたのか、本当は検査を受けいてなかったのか、それとも当麻の兄と同じように地方の病院では発見できない異常だったのか。
心筋梗塞の症状は、やはり胸痛がメインのようですが
参考:心筋梗塞、狭心症-その予防と治療|国立循環器病研究センター
肩や腕に痛みが出ることもあるので注意してくださいという記事がありました。
ご自身やご家族にこんな症状があったら、念のため病院へ行ってみた方がよさそうです。
心臓の痛みなのに肩や腕が痛くなることがあります。特に両肩や両腕が重くてだるい、痛くてたまらないと思ったら要注意です。心臓は左にあると思っている人が多いですが、心臓は胸の中央にあり、心臓の先(心尖部といいます)が左に伸びているだけです。この心臓の痛みはむしろ右肩や右腕に出ることの方が多いので、左肩や左腕の痛みじゃないから大丈夫と思ってはいけません。
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重要な手術の日に離れて暮らす母親が救急車で運ばれたと聞く、葛藤に苦しむ事態でした。
誰もが迷う場面でしょう。そしてどちらの道を選んでもそれでよかったのかとずっと悩み続けることになるかもしれません。
でも、当麻が手術を投げ出して熊本に帰らなくて本当に良かった、と私はそう思います。
理由はひとつだけ。
私が母親の立場なら帰ってきて欲しくないからです。
何でもない日ならそりゃ来て欲しいですが。
当麻の母親には、もう長くないという予感があったでしょう。その上で患者さんを救えと言ったのです。
それでも、実川の手術の進行を待つ間にも少しもそわそわした素振りを見せない当麻医師には頭が下がります。
繊細な手術では、あの場にいる者のわずかな態度の違いでさえ手術の行方を左右しかねないでしょう。
大変な状況での大変な手術でした。
ドラマの終わり近くで青木の恩師とその息子のまことが登場します。
映画と同じならこの少年は超重要人物になりますが、ドラマではどうか、まだ分からないですね。
映画の当麻先生が手術中に聴いているのは都はるみです。
第5話はこちらに