ジョーは、とうとうテンプルを打ちました。原島は倒れ、段平は喜び、ジョーはリングに嘔吐し始めます。決死のテンプル打ちでダウンを獲りますが、原島は立ってラウンド終了。インターバルのジョーは、少しもうれしそうでなく様子がおかしくなり始めています。次のラウンドで最初にダウンしたのはジョーでした。ジョーは立っている足に力が入らないふうで、簡単にダウンしてしまいます。それでも再度原島の顔面を打って倒しはしたのです。でも、そこが限界でした。
原島戦での葉子は、原作、アニメ1、アニメ2でそれぞれ状況が違います。原作では、ロバートと並んで試合を見ています。ジョーは、試合の途中でこれに気付き、動揺して原島にダウンを喫しますが、ロバートを見覚えがある男と認識しています。アニメ2ではこの時点で、ロバートは海外のボクサーのマネージャーかプロモーターで、葉子は白木ジムに強い選手を招聘してジョーと対戦させようとしているのかな？と見当がついていますが、原作で彼の正体が分かるのは、もう少し先です
バンタム1位原島との試合。ジョーは精彩を欠き、顔面へのパンチも決まりません。余裕があるふうな原島はインターバルでタイガー尾崎と話をしています。タイガーからジョーがテンプルを打てないことを聞いていたのでしょう。ジョーのサイドでは段平と西がけんかを始めました。
タイガー尾崎にTKO負けしたジョーは、矢吹抹殺を企む他ジム会長連が持ち掛けてくる原島戦を即座に受けます。段平はジョーを休ませたいと考え、紀ちゃんは「たまには負けたほうがいい」と言っています。
タイガー尾崎との試合でジョーは顔面を打てない欠陥を知らされることになりました。試合は段平がタオルを投げて棄権。納得のいかないジョーでしたが「力石の亡霊だ」という段平の言葉にずっとテンプルへの強打を避けてた自分に気づきます。
タイガー尾崎初登場回。西の負傷でジョーにはスパーリングパートナーがいなくなりました。困っているところへ墨東拳（アニメ2では大東拳）の会長が現れ、うちのジムの若手とスパーリングさせてやると言い出します。白木ジムよりは落ちますが丹下ジムよりははるかに立派な墨東拳が差し出してくる選手は弱くて相手になりません。
紀ちゃんが楽しみにしていた向島百花園の約束をジョーは忘れていました。紀子は怒って帰ってしまいます。一方の西はこぶしをいためて練習相手も出来ず、いつでも紀ちゃんと遊びに出かけられる状態です。アニメ2では、約束があったわけでなく、紀子は「試合が終わったらどこかへ遊びに行かない？」とだけ言います。ジョーも「いいね」と答えていますが、見るからに生返事で、紀子は複雑な表情。タイガーとの試合でテンプルを打てなくなっていることが明らかになるので、この後は遊びに行くどころではなく、結局実現しません。
復帰後のジョーの活躍は、他ジムからは良く思われていません。若手が次々壊されるというので、主だったジムの会長連は、ジョーを抹殺する計画を立てます。ジョーがチャンピオンへの道が開けるありがたい陰謀だと言うと、葉子は「そんな言葉はあなたらしくない」「力石と戦っていた頃のあなたと今のあなたは違う」と、核心をつきます。
ジョーが、ボディしか打てなくなっている自分に気付いていないのは、原作、アニメ1、アニメ2共通です。周囲の人の状況が違います。
原作では、段平と西は復帰前からテンプルを打てない問題を認識しているので、ジョーの連勝を単純に喜べずにいます。ジョーはすべての試合を見に来ているのに拍手一つしない葉子の態度を気にしています。
白木ボクシングジムは、若く美しい異色の会長のもと、新たなスタートを切りました。K.O.勝ちで復帰した矢吹丈が本当はまだ立ち直っていないことに葉子だけが気付くのは、葉子の傷も癒えていないからなのでしょう。ジョーが放浪している間、葉子は夜遊びに逃げていましたが、それを経てずいぶん大人になっています。これまでは、ただのウザ令嬢。ここからは少し違います。