鬼平犯科帳スペシャル「高萩の捨五郎」登場人物キャストとあらすじなど
「鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。
何度も連続ドラマになっていますが、2001年にレギュラー放送を終えてから14本の2時間スペシャル版が制作されています。
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「高萩の捨五郎」
鬼平犯科帳スペシャル「高萩の捨五郎」は2010年制作のドラマです。
池波正太郎の「鬼平犯科帳」決定版では20巻に収載されている「高萩の捨五郎」と「妙義の團右衛門」が原作です。
鬼平犯科帳「高萩の捨五郎」ゲスト登場人物
主要キャストは、すべて中村吉右衛門版の出演陣が続投しています。
妙技の團右衛門(みょうぎ-の-だんえもん)
演:津川雅彦
上州、信州、越後ではたらく盗賊
何かと妙技らしい
高萩の捨五郎(たかはぎ-の-すてごろう)
演:塩見三省
妙技の團右衛門の嘗め役
嘗め役=押し込み先を調査して絵図面や覚書を書く役割
お兼(おかね)
演:北原佐和子
團右衛門配下の引き込み役
鳥居松の伝吉(とりいまつ-の-でんきち)
演:春田純一
團右衛門の手下の男
竹蔵(たけぞう)
演:火野正平
團右衛門の手下の男
お八重(おやえ)
演:遠野なぎこ
團右衛門が気に入る茶屋女
籠滝の太次郎(かごたき-の-たじろう)
演:若松武史
捨五郎がおつとめを手伝う予定だった盗賊
あまりきれいな仕事をする連中ではない
鬼平犯科帳「高萩の捨五郎」あらすじネタバレなし
團右衛門と捨五郎
好色そうな爺さんが、武骨な雰囲気の男と話しています。
爺さんは妙技の團右衛門、向かいに座るのは高萩の捨五郎。
捨五郎は、團右衛門の手下の嘗め役で、團右衛門は、この間も捨五郎の働きによって桐生のおつとめに成功したところです。
捨五郎が「江戸にいいおしこみ先を見つけた」と言うと、團右衛門は少し考えて「買った」
團右衛門の言う「買う」とは、捨五郎の書いた大店の絵図面や覚書を買うという意味。
鬼の平蔵のいる江戸を避けていた團右衛門ですが、今度は挑むつもりのようです。
しかし捨五郎は、さっそく粂八に見つかりました。
「かつての盗賊仲間捨五郎が江戸にいる」と、粂八は平蔵に知らせます。
粂八と平蔵のふたりが後をつけているとは知らず、田舎道を歩く捨五郎。
そこで事件が起きます。
横暴な侍と勇敢な捨五郎
のどかな道を進む捨五郎の目線の先で、若い武士が百姓らしい父子を取り囲んで刀を抜いています。
子供のした些細なことに腹を立て、成敗すると言うのですが、子供はまだ五歳くらいです。
捨五郎は駆け出し、親子を逃がそうと侍たちの前に立って太刀を受けました。
後ろから平蔵も駆け付けると侍たちは逃げ、後には転がって呻く捨五郎が残されます。
脚を斬られたようです。骨を折ったかもしれません。
親子の家で目覚めた捨五郎の枕元には粂八が。
「助けてくれたご浪人は誰か」と問われ、粂八は「長谷川伝九郎というご浪人でああ見えて盗みもやるお人だ」と偽りました。
にしても捨五郎は、勇敢な割には痛みに弱い男です。
もう少し静かに痛がってもらうわけにはいくまいか。
粂八に託される手紙
捨五郎の怪我は重く、当分動けそうもありません。
粂八が今も盗み働きをしている同業者だと信じる捨五郎は、粂八に籠滝の太次郎宛ての書状を託します。
役宅で平蔵とともに書状を見る五郎蔵は、太次郎の名前に聞き覚えがありました。
越中越後あたりを荒らす盗賊です。
捨五郎の手紙は、今度のおつとめを手助けするのを断るものでした。
理由は足の怪我ですが、元々捨五郎は、太次郎らの急ぎ働きに加担するのを嫌っていたのです。
面白くない手紙を持ってきた初対面の男粂八をあからさまに疑う太次郎。
太次郎の手下が粂八のあとをつけて来て、捨五郎の寝ている家を突き止めましたが、これは平蔵の想定通り。
深夜に家を襲いに来た連中は、盗賊改めに迎撃されました。
盗っ人宿に集まる太次郎らも、その夜のうちに捕まります。
歯ごたえのない奴らでした。
役宅の捨五郎
捨五郎は、また違う場所で目覚めます。
夕べ、襲いに来た太次郎の手勢を追い払った伝九郎に礼を言いながら気を失ったのでした。
なぜあそこで気絶するのか謎ですが。
ここは役宅です。
でも平蔵を盗賊浪人伝九郎だと思っている捨五郎は、そこが火付盗賊改めの本陣とは考えもしません。
外の様子を伺おうと痛む足をひきずりながら障子を開け、久栄の声に驚いて縁側から落ちています。
なんだか大変な人だ。
伝九郎が平蔵と知る捨五郎
その頃平蔵は、捨五郎を斬った若侍の家来と偶然道ですれ違っていました。
男は、平蔵がどこのだれか確かめてやろうと思ったのでしょう。あとをつけて来ます。
役宅の門前までついて来てしまうこの家来は素直なのか馬鹿なのか。
簡単に捕まって平蔵の前に引きずり出され、ようやく事態に気付いたようです。
浪人が長谷川平蔵だと聞いて驚いたのは、家来の男だけではありません。
中庭で歩行訓練をしていた捨五郎の耳にも「わたしが長谷川平蔵だ」という声は届きます。
「どのような処罰でもお受けします」とひれ伏す捨五郎。
しかし平蔵は、近くにいた粂八に徳利を渡し「ふたりで呑め」と言ってどこかへ行ってしまいました。
琵琶の杖
捨五郎の脚は、傷が治っても引きずることになりそうです。
そんな捨五郎に平蔵は、自分で削った琵琶の杖を渡し「たまには外を歩いてこい」
捨五郎は、久しぶりに外へ出ます。見張りもなく自由に。
外には石畳や段差があり、肩のぶつかる人もいます。
そうして転びそうになるたび平蔵の杖を改めて握りしめ、嗚咽する捨五郎…ひとつひとつの反応が実に濃厚な人です。
捨五郎が平蔵の密偵として働くことを申し出たのは、言うまでもありません。
捨どん、團右衛門と再会
團右衛門が捨五郎を見かけて親し気に話しかけてきます。
團右衛門は、この世の置き土産に江戸で大仕事をして、評判の長谷川平蔵の鼻を明かしてやろうと燃えています。
狙うは浜松町のろうそく問屋三倉屋。
三年前に捨五郎が團右衛門に絵図面と覚書を売った店です。
周到なことで知られる妙技の團右衛門は、三年前から三倉屋に引き込みの女を潜り込ませているだけでなく、火付盗賊改役宅にも手下を送り込んでいるそうです。
團右衛門に「運よく捨どんに会えた。片棒を担いでくれ」と言われ、寝ぐらを聞かれた捨五郎はとっさに「深川の鶴や」だと、粂八の船宿の名を答えました。
しかし長年盗賊の渡世を泳いできた團右衛門は、その時の捨五郎の様子に違和感を感じます。
手下の男伝吉が團右衛門の目配せを受けて捨五郎のあとをつけますが、捨五郎は、その足で役宅へ報告に向かってしまいます。
一話で二度尾行される人も珍しい…
鬼平犯科帳「高萩の捨五郎」あらすじネタバレ版
以下はネタバレです。
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