鬼平犯科帳スペシャル「浅草・御厩河岸」登場人物キャストとあらすじ
「鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。
何度も連続ドラマになっていますが、2001年にレギュラー放送を終えてから14本の2時間スペシャル版が制作されています。
主要キャストは、すべて中村吉右衛門版の出演陣が続投しています。
「浅草御厩河岸」
鬼平犯科帳スペシャル「浅草・御厩河岸」は2015年制作のドラマです。
御厩河岸の読み方は「おうまやがし」
御厩(おうまや)+河岸(かし)でおうまやがしです。
近くに幕府の厩があったことから隅田川(江戸期の名称は大川)沿いの一地域が御厩河岸と呼ばれていました。
今で言う蔵前2丁目あたり、厩橋のあたりです。
厩橋たもとの掲示↓うまやの渡し跡であることを説明しています。
御厩の渡しは歌川広重の錦絵に残っています。
絵はここに→錦絵で楽しむ江戸の名所|国立国会図書館
池波正太郎の「鬼平犯科帳」文庫版では1巻に収載されている「浅草・御厩河岸」が原作です。
鬼平犯科帳「御厩河岸」ゲスト登場人物
伏木の卯三郎(ふしき-の-うさぶろう)
演:左とん平
海老坂の与兵衛のもとで働く盗賊だった爺ちゃん。
しばらく姿を消していたが、最近江戸へ戻り、早速博打でスッて借金取りに追いかけられている。
岩五郎
演:田辺誠一
卯三郎の息子
かつて腕の立つ錠前外しだったが足を洗い、今は長谷川平蔵の密偵として働いている。
若い頃から五郎蔵と知り合いで、捕まった時には五郎蔵が平蔵に許しを請うた。
お勝
演:小林綾子
岩五郎の女房
岩五郎と居酒屋をしているが岩五郎はほとんど働かず、働き者のお勝とお勝の母が店をまわしている。
岩五郎が盗賊だったことも平蔵の密偵をしていることも知らない。
海老坂の与兵衛(えびさか-の-よへい)
演:田村亮
大盗賊の頭。
海老坂一派の盗みは、綿密な計画のうえに実行され、場を荒らさずに立ち去るので、被害に遭った家が金を盗られたことに気付いたのが数日後だったこともあるという。
文字春(もじはる)
演:東風万智子
与兵衛の手下の美女。
鬼平犯科帳「御厩河岸」あらすじネタバレなし
卯三郎と息子の岩五郎
御厩河岸を走って逃げる爺さんを荒っぽい男どもが追ってきます。
年寄りが襲われるのを見かねた五郎蔵と伊三次が仲裁に入ると、すぐにケンカになりました。
多勢に無勢。五郎蔵と伊三次はやられ、その隙に爺さんはどこかへ逃げてしまいました。
五郎蔵は、爺さんが伏木の卯三郎だと思い出します。
卯三郎は、江戸の大盗賊海老坂の与兵衛の配下で働く盗賊でした。
このところ姿を見ることもなく、どこかよそへ消えたと思われていましたが、江戸へ戻って来たのでしょう。
五郎蔵は、岩五郎の居酒屋を訪ねます。
卯三郎は、岩五郎の父親なのです。
「おやじとは何年も会っていない」と言う岩五郎に五郎蔵は、「海老坂の与兵衛につながる卯三郎を逃がしたままでは長谷川様に顔向けできない」と話します。
五郎蔵に大恩のある岩五郎は、「卯三郎が現れたら必ず知らせる」と約束するのでした。
卯三郎、岩五郎を与兵衛のもとへ
その夜、卯三郎が岩五郎の家へやって来て、「海老坂の与兵衛が岩五郎に会いたがっている」と言います。
岩五郎は盗みを手伝うのに乗り気なふりをして与兵衛に会うことにしました。
与兵衛は、三年前から内偵を続けたおつとめをいよいよ実行しようという時に錠前外しの男が急逝して困っているのだそうです。
密偵岩五郎は、錠前外しを引き受けます。
支度金を着服する卯三郎
岩五郎が帰った後、卯三郎は与兵衛に仕事の支度金をねだりました。
「これはうっかりした」と与兵衛が卯三郎に預けたのは十両。
十両返して監禁される卯三郎
一方伊三次は、卯三郎に金を貸している連中を見張るため、忠吾とふたりで賭場の客になりすましています。
ちょうどそこへ卯三郎がやって来て、「借りた十両を返す」と言うのですが、借金取りは「利息の三両がまだだ」と主張して、卯三郎を縛り上げてしまいます。
賭博の借金はトイチが常識だそうで…。
錠前外し職人岩五郎の不審な行動
家へ帰った岩五郎は、五郎蔵と約束していた通り、店の外へすげ笠をかけて父親の来訪を知らせようとしますが、どうしたわけか、途中でやめてしまいました。
岩五郎が錠前外しを引き受けたのは、おつとめの情報を探るためですが、与兵衛の大物らしく紳士的な風情や、美学とこだわりを持って盗みに臨む姿勢に、少なからず惹かれてもいます。
与兵衛から見せられた錠前の図面は、岩五郎がこれまで開けたことのない種類の錠で、職人的な好奇心が刺激されたのも明らか…。
そして前金の十両は父卯三郎が確かに受け取り、もう賭場への返済に消えています。
岩五郎は、お役目をまっとうできるでしょうか。
鬼平犯科帳「浅草御厩河岸」あらすじネタバレ版
以下はネタバレです。
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浅草御厩河岸は、岩五郎の職人気質が五郎蔵や平蔵への恩義と交錯し、そこに親子の絆も絡んだ厚みのある物語でした。
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