鬼平犯科帳スペシャル「見張りの糸」登場人物キャストとあらすじ
「鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。
鬼平犯科帳スペシャル
これまでTVシリーズは、1969年と71年の八代目松本幸四郎版、75年の丹波哲郎版、80年の萬家錦之助版、89年の中村吉右衛門版とあり、中村吉右衛門版は、2001年にレギュラー放送を終了後、2時間枠のスペシャル版が14本公開されています。
見張りの糸
鬼平犯科帳スペシャル「見張りの糸」は2013年制作のドラマです。
レギュラーメンバーは中村吉右衛門版のキャストがそのまま継続しています。
池波正太郎の原作文庫版では16巻に収載されているエピソードです。
鬼平犯科帳「見張りの糸」ゲスト登場人物
稲荷の金太郎
演:渡辺いっけい
粂八の昔の盗賊仲間。今も泥棒稼業から足を洗えていない。
油揚げが好物なので「いなりの金太郎」と呼ばれている。
おそのと峰吉
おその:佐藤友紀 峰吉:不明
金太郎が時々訪ねて多少の金品を与えているらしい未亡人とその息子。
峰吉は6歳くらいか。もう字の書ける歳。
清吉
おそのの死んだ夫
蝋燭問屋の手代だったが、豊蔵ら盗賊の押し込み皆殺し事件で死亡している。
和泉屋忠兵衛
演:中村嘉葎雄
火付け盗賊改めのメンバーが盗人宿を見張るために二階の部屋を借りる仏具屋の爺さん。
関西の仏具商だったが、江戸の孫娘夫婦に店を買い与えて一緒に暮らすようになった。
太助
演:本田博太郎
忠兵衛の仏具屋の番頭。
忠兵衛と一緒に上京した。
お弓
演:柊瑠美
忠兵衛の孫娘
戸田銀次郎
演:隆大介
忠兵衛の昔の部下
忠兵衛を恨んでいる。
大沢
演:大村波彦
戸田が仕事を持ち掛ける友人
貉の豊蔵
演:木下ほうか
金太郎の属する盗賊の二代目の頭。
先代は盗人三箇条を守る人物だったが二代目豊蔵は畜生働きに堕ちた。
鬼平犯科帳「見張りの糸」あらすじネタバレなし版
粂八の昔なじみ いなりの金太郎
粂八は盗賊時代の仲間金太郎と偶然再会します。
「この間はうなぎをおごってもらった」と言う金太郎は、粂八に甘酒でお返ししながら、今度のおつとめ(盗み)を一緒にやらないかと持ち掛けました。
金太郎は貉という頭の率いる盗賊団に属しているのですが、先代が死に、息子の豊蔵が跡目を継いでからは組織のまとまりを欠き、人手が足りないようです。
粂八は、こっそり金太郎のあとをつけ、田町の茶店大黒屋へ入ったまま朝まで出てこないのを確かめると、盗みの計画が動いていることを平蔵に報告しました。
金太郎を泳がせ、盗賊を一網打尽に仕留めようという平蔵の策に気乗りのしない粂八でしたが、お役目です。
金太郎と未亡人おその
金太郎は、ある長屋を訪ねます。
通りで遊ぶ峰吉という少年は、金太郎を見つけると駆け寄って来ました。
峰吉が自分で書いたらしい習字紙を持っているのに気付くと金太郎は「うめえもんだな」と褒めますが、紙が逆さまです。
峰吉の家では母親のおそのが針仕事をしています。
「わずかばかりですが」と金太郎が差し出す金を、おそのは遠慮して受け取ろうとしません。
金太郎は、「亡くなった清吉さんには大きな借りがあるので」と、半ば強引にその金を押し付けています。
粂八にうなぎをご馳走になったのを律義に覚えていた金太郎です。
ですが、金太郎はおそのに清吉への借りが何なのか話していないようです。
密偵たちは五鉄で打ち合わせ
夜。
軍鶏鍋屋五鉄では粂八に伊三次それにおまさが、五郎蔵を交えて密偵会議をしています。
清吉が盗賊に殺されていたことが分かったのです。
二年前。ろうそく問屋伊勢屋は、豊蔵らに押し込まれ、家族、奉公人16人が皆殺しにあいました。手代として伊勢屋に勤めていた清吉もそこで殺されたのでした。
金太郎が清吉を殺し、その償いに残った母子に尽くしているのでしょうか。
粂八は、信じたくないふうですが…。
長谷川平蔵の怒り
一方平蔵は、伊勢屋の事件の残忍さに改めて怒りを燃やし、二度と貉一味に押し込みをさせてはならぬと決意を新たにします。
盗賊には盗賊の掟があり、「犯さず」「殺さず」が鉄則であるはずが、その秩序を失くした貉の乱行には、おまさも思うところがあるようです。
「金太郎は見張りの糸。決してたぐりそこねてはならぬ」と、おまさに言い聞かせる平蔵でした。
見張り場所和泉屋の忠兵衛
火盗改めの同心たちは、金太郎が入って行った茶店大黒屋の向かいの和泉屋という仏具屋の二階を借りて終日大黒屋を見張ることになりました。
和泉屋の主は忠兵衛という爺さんで、孫娘夫婦と番頭の太助の4人がそこに暮らしています。
二階に詰める同心は、松村、三井、小林、木村。
ふと窓の外を見ると、忠兵衛爺が、大黒屋で茶を飲んでいます。
「見張っている相手の店に寄るとは何事だ」と小林は、忠兵衛に苦言しますが、忠兵衛は、「八幡さんへお参りした帰りは大黒屋に寄る習慣だから怪しまれないよういつも通りにしたのだ」と説明します。
ただの町人とも思えないその腹の座りように何か不審なものを感じる平蔵でした。
和泉屋床下の秘密
和泉屋に数珠を卸に来た職人は、奥の部屋へ招き入れられると途端に声を潜め「そろそろ分け前を…」と切り出します。
忠兵衛と太助は、「今は二階に盗賊改めがいるので無理だ」と答えています。
一千五百両の金が床下に隠してあるようです。
鬼平犯科帳スペシャル「見張りの糸」ネタバレ
この下は完全にネタバレしています。
鬼平犯科帳は、大多数の人がストーリーを知ったうえで見ているものと思います。
先にネタバレを読んでしまっても、ドラマを見る楽しみはそれほど損なわれない作品であろうとは思いますが、ネタバレ読みたくない人はここまでに。
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「見張りの糸」は、盗賊改めが貉の豊蔵一味を捕まえる話を中心に進みますが、それだけでなく、悪人には見えない金太郎が清吉を殺したのか、金太郎は足を洗えるのかを追う物語でもあり、そこに和泉屋の忠兵衛と太助が意外な形で関わってくる構造がとても面白いです。
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鬼平犯科帳には、小説、ドラマの他にアニメやオーディオブックもあります。
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