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鬼平犯科帳THE FINAL「五年目の客」登場人物キャストとあらすじ

2019年4月2日

鬼平犯科帳」は池波正太郎の同名小説を原作にした時代劇シリーズです。

何度も連続ドラマになっていますが、2001年にレギュラー放送を終えてから14本の2時間スペシャル版が制作されています。

「五年目の客」

2016年12月に公開された鬼平犯科帳THE FINALは、中村吉右衛門版鬼平のラストを飾る作品で、前編「五年目の客」、後編「雲竜剣」の2本が作られました。

「五年目の客」は、池波正太郎の原作「鬼平犯科帳」文庫決定版4巻に収載されている物語です。

鬼平犯科帳「五年目の客」ゲスト登場人物

主要キャストは、すべて中村吉右衛門版の出演陣が続投しています。

江口の音吉おときち

演:谷原章介

悪徳盗賊羽佐間はざま文蔵ぶんぞうの手下で引き込み担当

※引き込み=前もって狙った店に奉公人などを装って住み込み、押し入りの際に中から鍵を開けて手引する役目

源兵衛げんべえ

演:平泉成

神田下白壁町かんだしもしらかべちょう旅籠はたご丹波屋たんばや」の主

副業で将軍家親類専門の金貸しもしていて、周囲からは相当な金を持っていると思われている

きち

演:若村麻由美

丹波屋源兵衛の若く美しい後添え

庄次

演:渡辺大

お吉の弟

身体が弱く、千住せんじゅのはずれに暮らしている

鬼平犯科帳「五年目の客」あらすじネタバレなし

音吉江戸に現る

長谷川平蔵の休日。

平蔵とおまさを乗せた舟で山谷堀さんやぼりを漕ぎ進む伊三次いさじは、かつての盗賊仲間、江口の音吉を見かけます。

音吉は、羽佐間の文蔵という盗賊の手下で、引き込みを専門にする男でした。

文蔵は、人殺しをなんとも思わず、まず殺してから金品を奪うやりかたの盗賊だったので、伊三次はそんなおつとめを嫌って一味から離れたのです。

その文蔵が江戸で盗みを働こうとしているのかもしれません。

おまさがあとをつけると、音吉は、浅草橋の船宿で女と逢引してから、神田下白壁町の旅籠丹後屋へ帰って行きました。

音吉は、小間物屋の行商をする平太郎と偽り、丹後屋に長逗留ながとうりゅうしています。

山谷堀公園-鬼平犯科帳「五年目の客」
2018年の山谷堀公園

丹後屋の源兵衛とお吉

丹後屋の主人は、源兵衛という男です。

旅籠のほかに金貸しもしていますが、相手にするのは徳川の親類ばかり。とりっぱぐれのない商売で財を成し、相当な金を持っていると噂される人物です

一年前に迎えた若い後妻のお吉をたいそう大切にしています。

お吉は、浅草の茶店で茶くみ女をしていたところを源兵衛に見初められた女で、奉公人には優しく客あしらいもうまい、評判の女房です。

でも、お吉の顔を見たおまさは驚きを隠せません。

お吉は、音吉の逢引の相手だったのです。

同心は、「お吉は盗賊の仲間で、引き込みとして送り込まれたのではないか」と疑いますが、伊三次は、「引き込み役は音吉であり、文蔵はそう念入りにおつとめの準備をするような盗賊ではない」と言います。

なぜ丹後屋の女将おかみが客と逢引をしているのでしょう。

お吉は、音吉の正体を知っているのでしょうか。

鬼平犯科帳「五年目の客」あらすじネタバレ版

以下はネタバレです。

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おまさの勘

ずっとお吉の様子を見張っているおまさは、お吉と音吉に違和感を感じています。

おまさには、ふたりが恋仲に見えないのです。

お吉の過去

お吉が思い出すのは、五年前、喜蝶きちょうと名乗っていた品川の女郎時代のことです。

喜蝶を気に入っていた長逗留客が音吉でした。

「金なら持っているから宿代の払いは心配するな」と音吉が見せた小判を喜蝶は盗んだのです。

音吉は眠りこけていて気付かず、喜蝶はその金を持って逃げました。

そして病気の弟を医者に診せ、自分は堅気として人生をやり直したのでした。

優しく裕福な亭主と暮らす今、偶然客としてやって来た音吉が、旅籠の女将を喜蝶だと気付いているのかどうか分かりません。

気付いているようにも気付いていないようにも見えます。

いずれにしろ確かめる方法はなく、逢引に応じるほかありません。

実は音吉は、お吉が金を盗んだ喜蝶だとは気づいていません。

盗賊の一味の男とお吉のことを話す中で、男に「5年前にも女に金を盗られたろう」と言われますが、音吉は笑っていて、あれがお吉とは露ほども思っていません。

音吉は、お吉が自分に参っているのだと勘違いしているだけなのです。

弟庄次の申し出

お吉が音吉に脅迫されていると知ったお吉の弟庄次は、音吉を殺してやると言い出します。

必死に思いとどまらせるお吉でしたが、この時お吉の心に音吉を消すという考えが宿ってしまいました。

小柳斬られる

このところ火付盗賊改めを付け回している男がいるようです。

この間は忠吾があとをつけられ、今夜は蟋蟀橋こおろぎばし近くを歩く小柳の前に黒装束の男が立ちはだかりました。

男の剣の腕前は大変なもので、盗賊改めの中でも優れた使い手である小柳を一振りで斬り捨てて去っていきます。

同心の死に、一同は悲嘆にくれるのでした。

おつとめ間近

おまさと五郎蔵は、文蔵一味の盗人宿をつきとめます。

その小屋には、次々に男たちが集まり、とうとう文蔵も現れました。丹波屋へ押し込む夜が近いことが窺われます。

文蔵は、歯向かうものは殺し、最後は丹後屋に火をかけて逃げようと計画しています。

音吉の死

音吉は、お吉に逢引を要求し続けます。

「もうご勘弁を」と嘆願するお吉を音吉は、「人に話してもいいのかい?」と脅しますが、それは、今日まで何度か逢引をしたことです。

でもお吉には、盗みのことを言っているようにしか聞こえません。

翌日。

船宿に女中の悲鳴が響きます。

音吉が首を絞められて死んでいました。

首に巻かれているのは、丹後屋の手ぬぐいです。

思い余ったお吉が殺した…?

お吉を悪人とは思えないおまさは、やりきれない気持ちです。

酒井ら盗賊改めは、事件を口外せぬよう船宿の者たちに固く口止めします。

決行

いよいよ今夜が文蔵一味のおつとめだという日。

平蔵らはその動きを察知しています。

賊は、火付盗賊改めの待ち受ける丹後屋にノコノコ現れ、あっさり捕まりました。

火付盗賊改めにつきまとう男

その様子を物陰からじっと見ている男がいます。

平蔵は怪しい気配に気付きますが、追及はせず、捕らえた盗賊とともに引き上げて行きました。

平蔵の裁き

すべてが終わり、お吉は平蔵に小間物屋の平太郎を殺したと告白しました。

すると平蔵は、「夢でも見たんじゃねえのか」。

お吉の言う通り船宿で殺しはあったけれども、殺されたのは音吉という盗賊で、小間物屋ではないと言うのです。

50両を盗んだとあっては死罪ともなる大罪だが、盗まれたという届が出ていないとも。

なおも「人を手にかけた」と嗚咽するお吉に平蔵は「夢だよ」と言い聞かせるのでした。

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