キャッスルロックの謎考察のヒント-スティーブン・キング関連作品集
「キャッスルロック」は、スティーブン・キング作品に度々登場してきた架空の町キャッスルロックの物語で、過去作の集大成のようなドラマです。
ドラマの中で過去のキャッスルロックの事件が語られることもありますし、青年の正体を探るヒントになりそうな作品もあります。
ヘンリーって実は…と感じる作品も。
関連作品をまとめておきます。
Contents
キャッスルロック謎の青年の正体候補本命作品
キング作品にはよくチェスの駒が登場します。キャッスルロックでは、ヘンリーの母ルースが、時制を明確にするツールとして家のあちこちにチェス駒を置いていました。
クリムゾンキングと呼ばれる王の支配する闇の世界がこちらの世界を攻撃してくる物語が「ダークタワー」です。
「ダークタワー」には、「青年ってこれかな?」と思えるものが登場します。
ダークタワーのあらすじ
(キングの)宇宙には幾多の世界が同時に存在します。
それぞれの世界を中心でつなぐダークタワーは、侵入しようとする外敵から宇宙を守っています。
闇の王クリムゾンキングがこちらの世界へ手下を忍び込ませ、超能力を持つ子供をさらって行くのは、彼らの能力を悪用してダークタワーを攻撃するため。
塔はまだ倒れていませんが、攻撃を受けるたびに世界には小さな裂け目ができ、そこから闇の住人が侵入してくることも。
NYに暮らす少年ジェイクは、悪夢に悩まされています。
いつも現れては、世界を闇と炎に包んで消えていく黒衣の男。
男の仲間たちは、人間と同じように見えますが、首筋に皮膚の継ぎ目があり、人の顔をかぶっているのだと分かります。
顔の下の顔は、毛のないグレーの獣のような顔…
ジェイクの夢は、「輝き」と呼ばれる強い能力によるものでした。
夢で見た景色を追って中間世界へスリップしたジェイクは、銃の達人ガンスリンガーに出会い、ともに黒衣の男たちを倒そうとしますが、黒衣の男は、ジェイクの持つ特殊な能力こそダークタワー崩落の切り札だと確信します。
…輝きの能力?シャイニング?
「シャイニング」についてはこちら↓に書いています。
6 シャイニングと輝きとダニーとジェイクとヘンリーと雪の足跡
1991年に何かが起きる作品
ドラマ「キャッスルロック」は、1991年の少年失踪事件に端を発する物語です。
キング作品で91年に何かが起きるものを考えると…
「ニードフルシングス」では91年にキャッスルロックに現れて消えた謎の男が「まだ来る」と言い残しています。
「ダーク・ハーフ」では、主人公の小説家がもうひとつのペンネームを捨て、架空の作家スタークを葬り去ったのが91年でした。
どちらの作品にもアラン・パングボーンという保安官が登場します。
パングボーンという名の人物は出てこないものの1991年のキャッスルロックを舞台にした「黙秘」もあります。
91年は皆既日食の年でした。
ニードフルシングス
ゴーントの店には、客の欲しいものが必ずあります。まるで心を覗いたよう…。
商品を手に入れるには、ゴーントの依頼する嫌がらせをしなければなりません。
ニードフルシングスで提供される品の魅力はあまりに大きく、住人たちは、店主に言われるがままに罠を仕掛けたり、犬を殺したり、家をめちゃくちゃにしたりします。
嫌がらせを受けた者には真犯人が分からず、仲の悪い住民がやったと誤解して復讐するので、町からは秩序が消えてしまいます。
争いごとが絶えず、教会は爆破され倒壊、殺人も起きました。
狂乱のキャッスルロックでひとり冷静なアラン・パングボーンの必死の説得により、住人たちが目を覚ますと、ゴーントは町を出て行きました。
「今回は失敗だ。だがまた来る」と言い残して。
1991年の出来事です。
ダーク・ハーフ
脳の中に部分胞状奇胎の双子の片割れを内包して生まれたサッド・ボーモント。
子供時代、なぜか突然頭の中の胞状奇胎が発育しはじめ、取り除く手術を受けたことがあります。
成人したサッドは小説家になり、妻と一組の双子との4人でキャッスルロックに暮らしています。
純文学作家サッドは、「ジョージ・スターク」というもうひとつのペンネームでバイオレンス小説も書いています。
スターク名義の小説はヒットを続けますが、二重ペンネームがすっぱ抜かれそうになり、サッドは、自分がスタークであると公表に踏み切ります。
出版社はジョージ・スタークの墓を作り、この話題を宣伝材料としてアピール。
墓標にはジョージ・スタークの名とともに「1985-1991」と刻まれています。
その日からサッドの関係者が次々斬殺されはじめ、サッドは、「スタークが現実化し、自分を葬った者たちを殺しているのだ」と考えますが、あまりに信じがたい話です。
保安官のアラン・パングボーンは、サッドが連続殺人犯だと疑っています。
黙秘
母ドロレスが逮捕されたという知らせが届き、NYの女性記者セリーナはメイン州の小島へ帰郷します。
ドロレスがメイドとして働いていた邸宅の女主人ヴェラが頭から血を流して死に、郵便配達夫が「棒を振り上げているドロレスを見た」と証言しています。
母が殺人容疑をかけられるのは、これが初めてではありません。
18年前、父が家の庭で事故死した時にも警察に厳しい取り調べを受けました。
母はヴェラを殺したのか。父の死は本当に事故だったのか。
セリーナの心の中には疑惑が横たわったまま、母子の再会はぎこちないものでした。
マッケイ刑事は「今年も皆既日食が起きるな」と意味ありげに話します。
父が死んだのは1973年の日食の日でした。
「黙秘」に出て来る日食は1991年の日食です。
青年と関係がある可能性はほとんどないけどキャッスルロックが舞台でドラマの中でネタに触れている作品
以下の作品には、ドラマ「キャッスルロック」の謎を解くヒントらしきものは見当たりませんが、舞台が同じキャッスルロックで、かつ作中の事件がドラマ「キャッスルロック」で語られる作品なので挙げておきます。
「デッド・ゾーン」は、「キャッスルロック」2話のナレーションで、町の忌まわしい過去の出来事として語られる「あの絞殺魔のことも…」の元ネタ。
「スタンド・バイ・ミー」は、同じく2話の「線路脇で死体が見つかった年だ」の元ネタです。
2話のナレーション(レイシー所長の独白)はこちらに詳しく書きました。
デッド・ゾーン
交通事故に遭った教師ジョニー・スミスが、昏睡から目覚めたのは5年後でした。目覚めたジョニーには触れた相手の過去や未来のよくないことが見える能力が備わっていました。
ジョニーは、その能力で隣町キャッスルロックの連続殺人犯をあぶり出しますが、逮捕の過程で犯人が自殺し、犯人の母親までが射殺されるのを目の当たりにすると、自身の力を呪うようになります。
以来人を遠ざける生活を続けるジョニーは、選挙キャンペーンで町を訪れた政治家と握手した時、彼が世界を破滅へと追いやる未来を見てしまいます。
スタンド・バイ・ミー
夏休みの少年たちは、ブラワーが列車にはねられ線路の脇に転がっていることを偶然知り、死体を探しに行こうと決めます。
死体のあるハーロウ・ロードまでは32キロ。
親に内緒の冒険は思いがけない困難の連続ですが、少年たちは、死体を目指して歩きます。
青年の謎とは今のところ関係ないけれども外せない作品
謎解きのヒントが隠されているふうはありませんが、ドラマ「キャッスルロック」のスタート地点ショーシャンク刑務所は、そのまま「ショーシャンクの空に」で主人公が収監された場所です。
ドラマ1話では、看守のザフレスキが新たに赴任した女所長ポーターに「昔の所長ノートンが所長室で自殺した時の弾痕が残っている」と話しています。
このノートン所長が、「ショーシャンクの空に」時代の所長です。
さらに
シーズン2では、ショーシャンクの主演俳優ティム・ロビンズがメインキャストとしてレギュラーで出演します。
「ショーシャンクの空に」のあらすじ
若き銀行副頭取アンディが無実の罪で終身刑となり、ショーシャンク刑務所に送られます。
アンディは、調達屋レッドにチェスの駒を彫刻するノミが欲しいと依頼。刑務所でひとり別世界を生きる存在です。
財務の知識で看守の相談に乗るうち、所内で頼られはじめ、所長のノートンは、不正会計で私腹を肥やし、その隠蔽の一切をアンディに任せるようにさえなりました。
そんなある日、入所してきたトミーがアンディの冤罪を晴らす真犯人を知っていることが分かります。
アンディは、所長に「真犯人を告発したい」と訴えますが、不正のすべてを知るアンディをショーシャンクから出すことのできない所長は、その訴えを握りつぶし、証人であるトミーを殺してしまいます。
アンディが生きて刑務所を出る道は閉ざされたかに見えましたが…。
ジャッキーのおじさんが突然殺人鬼になる作品
キャッスルロックの陰惨な歴史を面白がっていて、何も起きないことを退屈だと言うジャッキー・トランスは、異色の住人です。
「キャッスルロック」の登場人物についてはこちらに
ジャッキーの話す「おじさんがスキー場で突然妻と子を殺そうとした」という事件は、キングの「シャイニング」の物語で、ジャッキーのおじさんとは、シャイニングの主人公ジャック・トランスのことでしょう。
シーズン1最終話のラストでジャッキーは「一族の歴史をたどって西へ行く」と言っています。
「シャイニング」の舞台はコロラド州なので、キャッスルロックのあるメイン州からコロラドへ行くということなのでしょう。
ジャッキーは、サイドストーリー的に差しはさまれるシャイニング事件の関係者というだけの立場なのか、ドラマの核に関わっていく人物なのか、シーズン1終了時点ではまだはっきり分かりません。
ただ「シャイニング」がドラマの関連作品であることは間違いないでしょう。
キャッスルロックとの関連で見るなら、キング本人がリメイクしたほうの「シャイニング」がいいかも。
「シャイニング」のあらすじ
山の上に建つオーバールックホテルは、冬季に閉鎖されると春までは社会から遮断されます。
その立地がそうさせるのか、ホテルに何かが潜んでいるのか、以前の管理人は発狂し、家族を斧で斬殺した末自殺しています。
新しい管理人はジャック・トランス。
昔の事件など気にも留めない態度のジャックでしたが、すぐにホテルの妖気にやられ、妻子に斧を振り上げます。
雪の中を逃げる息子ダニーは、父ジャックが雪道についた足跡をたどって追ってくることに気付くと、その足跡を利用してジャックを追い詰め、難を逃れます。
「シャイニング」とは、ダニーの持つ不思議な能力のことです。
シャイニングと輝きとダニーとジェイクとヘンリーと雪の足跡
シャイニングのダニーは、雪道についた自分の足跡を逆にたどって身を隠し、父から逃げ切りました。
これは、「キャッスルロック」で少年ヘンリー・ディーバーが森で父から逃げるためにしたのと同じことです。
ダニーの能力は「シャイニング」、ダークタワーのジェイクの能力は「輝き」で、ジェイクはクリムゾンキングの率いる闇の使者から世界を守ろうとする少年です。
そしてダニーとヘンリーの取った同じ行動。
ヘンリーは、父には聞こえなかった森の音を聞くこともできました。
ドラマ「キャッスルロック」では、超自然的な力を持つのは青年やモリーで、ヘンリーは平凡な人のように描かれていますが、もしかするとヘンリーこそが最も強い力を持つ人物で、闇の力からダークタワーを救う…?
飛躍しすぎな気もしますが(笑)
考察はすべて私の妄想なので、あまりあてにしないで下さい。
「キャッスルロック」シーズン2へ持ち越された謎はこちらにまとめました
キャッスルロックシーズン2関連作品
ミザリー
シーズン2は、娘を連れて旅するアニー・ウィルクスという女性が登場します。
アニー・ウィルクスなら言わずと知れた「ミザリー」の独居看護婦。
シーズン2は2019年の物語で、登場するアニーは30代なので、ミザリーと同一人物ではあり得ないのですが、
看護婦であるという点のほかに
- 「私はナンバーワンのファン」というフレーズ
- 汚い言葉遣いを異常に嫌う性質
- ヘアスタイル
など共通点が多くあり、性格も似ています(体型は違う)
「ミザリー」のあらすじ
人気作家ポール・シェルダンが事故に遭い、看護婦アニー・ウィルクスに助けられます。
アニーは、ポールの代表作ミザリーシリーズの大ファンで、自宅でポールを看護できるのを喜んでいます。
でもポールには気がかりなことが。
間もなく発売されるミザリーシリーズ最新刊で、主人公ミザリーは死ぬのです。
興奮すると見境のつかなくなるところのあるアニーがそれを読んだら…
ポールの両足は骨折で動かず、先日の大雪以来道路は不通、電話も断線しています。