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キャッスルロックのBGM-Castle Rock使用曲-音楽からドラマを振り返る

2019年2月5日

ドラマ「キャッスルロック」には、音楽が印象的な使い方をされる場面がいくつかあり、曲のチョイスにも傾向があるように思います。

まず目立つのは、惨劇のシーンに綺麗なBGMが使われたり、登場人物が異常に高揚している時にゆったりした曲が流れていたりするという特徴です。

他に、傷のついたレコードのような(あるいは実際に針飛びしているレコードだったり)同じフレーズの繰り返しによって見る者を不安な気持ちにさせる手法も使われています。

使用曲からキャッスルロックを振り返ってみることにします。

Contents

「キャッスルロック」メインテーマ曲

メインテーマ曲はこれです。

Castle Rock (Main Title)

シーズン1第1話の挿入曲

冒頭若い頃のパングボーンがヘンリー少年を捜索する場面の曲

パングボーンがカーステで聴いている歌です。

この曲は最終話でも使われます。

物語の重さからは想像もつかない曲が流れる場面が何度かありますが、この曲がそれを象徴していますね。

Twenty-Four Hours From Tulsa by Francis Gene Pitney

レイシーが奥様と朝食を食べる時の曲

ショーシャンク刑務所長レイシーの最後の出勤の朝のBGMは「フィガロの結婚」の序曲ですが、演奏指揮は不明です。

レイシー自殺シーンの音楽

これもカーステ。

レイシーはこの美しい曲を聴きながらキャッスルロックの崖に向かい、音楽を止めてロープをセットします。

あの過激で凄惨な自殺にはおよそ似つかわしくない優雅な音楽がレイシーが最後に聴いていた音でした。

Intro by Herb City

モリーがドラッグを買うときの曲

モリーのカーステのようではありますが不明です。

薬を手に入れてしばらくこの曲でドライブした後、バスを降りるヘンリーを見かけると音楽が消え、陰鬱なBGMに変わります。

Hybrid Moments by The Misfits

シーズン1第2話の挿入曲

ヘンリーがショーシャンク刑務所へ向かう教会バスに乗る時のBGM

ヘンリーが謎の依頼人と会うためボランティアのバスに乗る時の曲はこれでした。

まだ多くの視聴者が青年をシンプルに気の毒な被害者と思っていたであろう頃で、BGMも神聖な雰囲気です。

改めて見るとタイトルが意味深ですね。

Imagining the End by Dexter Britain

シーズン1第4話の挿入曲

ザレフスキーがショーシャンクへ出勤してきたときの音楽

このところ精神状態のかんばしくない看守のザフレスキが刑務所へ着いた時の曲です。

コミカルな音と不穏な音階という組み合わせが、ザフレスキのイメージにぴったりです。

Clap Hands by Tom Waits

ヘンリーとルースがデジャルダンの話をしている時の音楽

S1を最後まで見た後で思い出してみれば、この頃はまだ平穏でした。

この作品には珍しい、安心感のある曲です。

One of These Days by Emmylou Harris

ザレフスキが監視モニターに落書きし始めた時の曲

刑務所内でザフレスキが凶行に及ぶ時は、ゆったりしたBGMでした。

ミスマッチ曲が流れることで、ザフレスキ自身にとっても紗のかかった映像を見ているような現実感のない出来事だったのだろうなと想像がつきます。

こういう曲が流れると「逆に何かやばいことが起きそう」と警戒してしまいますね(笑)

Crying by Roy Orbison

シーズン1第5話の挿入曲

ジャッキーが車の中で昔のキャッスルロックの話をしている時にかかっている曲

青年がショーシャンク刑務所から出されてモリーのオフィスでジャッキーと会ったときです。

よく聞こえませんがこの曲です。ジャッキーのカーステということなのでしょう。

物おじしないジャッキーらしい曲です。

Wolf Like Me by TV On The Radio

シーズン1第6話の挿入曲

ヘンリーの父の小屋で青年がかけるレコード

青年がルースの家の裏にある父親の使っていた小屋に移った時、そこにあったレコードをかけていました。

60年代の歌らしいです。

The Sun Ain’t Gonna Shine Anymore by The Walker Brothers

シーズン1第7話の挿入曲

ルースが家で青年と踊る曲(ルースと父マシューの結婚式でかけた歌)

青年ヘンリーがルースと踊るのはプレスリーでした。

ルースとマシューの結婚式で流した曲だそう。

青年が死んだはずのマシューのように思えてかなりハラハラする場面で、曲の呑気な雰囲気がますます不安な気持ちにさせます。

Blue Moon by Elvis Presley

7話のエンディング

ルースが誤ってパングボーンを殺してしまう意外な悲劇のバックはこの曲でした。

On the Nature of Daylight by Max Richter Orchestra & Lorenz Dangel

シーズン1第8話の挿入曲

8話のエンディング

無限リピートパターンです。

怖いって

Miste by The Haxan Cloak

シーズン1第10話(最終話)の挿入曲

檻の中の青年にレイシーが銃を向けるシーンの曲

第1話で死んでしまうのに最後までその存在感の消えないレイシーが、青年を殺すことも考えていたことの分かる場面で使われた曲はこれ。

レイシーはどこか特別な感じがします。BGMの影響かもしれません。

Death Don’t Have No Mercy by Reverend Gary Davis

エンディング曲

シーズン1の最初に使われた曲がまた流れますが、シンガーが違います。

今度は女性ヴォーカル。

Twenty-Four Hours From Tulsa by Dusty Springfield

シーズン2第1話の挿入曲

ドライブ中のアニーとジョイが歌っている曲

歌うアニーの様子だけで「あーこの人どっか変だわ」と分かる名演技

Let the River Run by Carly Simon

ポップが保安官に違反切符の件で警告している時のBGM

はじめは保安官の前で堂々と大麻吸ってんのかと思ってびっくりしましたよね(笑)

医療大麻なのでしょう…たぶん

State Trooper by Bruce Springsteen

エースが火炎瓶を仕込んでいる時のBGM

チャンスに絵を渡そうと庭に出ていたジョイが窓の外で目撃。しかもそれをエースに気付かれてしまいます。

Take It Off by 7k

シーズン2第2話の挿入曲

ポップがナディアの家に放火したエースを探している時のBGM

歌っているK’Naan(ケイナーン)はソマリア出身のラッパーなので、ソマリモール内に流れている曲ってことかもしれません。

America (feat. Mos Def & Chali 2na) by WARSAME KEINAN ABDI

シーズン2第3話の挿入曲

ジョイが近所の友達とキャッスルレイクに向かう時のBGM

晴れた湖のほっとする場面でした。

Duncan and Jimmy by New Basement Tapes

エースが飲酒運転でパトカーに追われる時のBGM

飲みながら運転する無敵のエース!

Manon, Act III: “Suis-je gentille ainsi ?" (Manon) by Germaine Féraldy, Orchestre de l’Opéra comique, Elie Cohen

音源違うかもしれません。

シーズン2第4話の挿入曲

ポップの通夜パーティで生演奏されている曲

アイルランドの童謡らしいです。

Bog Down the Valley’o by Cormac Marnell

シーズン2第5話の挿入曲

アニーの父が家を出て行く時の曲

Haven’t Got Time for the Pain by Carly Simon

母の葬儀後アニーが見ているアニメで流れてる曲

泣き叫んではいないけれども楽しそうにもしていない。TVも見ているようで見ていない。

大きな悲しみの後、心が空っぽになる時期の雰囲気が出ています。

Somewhere Out There by James Horner

アニーがエヴァンジェリンを殺すのを思いとどまった時のBGM

You Are My Sunshine by Carly Simon

シーズン2第6話の挿入曲

アンとリタが森へ入って行く時のBGM

拳銃を手にアニーを殺そうとしているリタの脳裏に思い出の場面が浮かぶところです。

Once Upon Another Time by Sara Bareilles

シーズン2第8話の挿入曲

黒衣の天使像を掲げたパレードの場面のBGM

キャッスルロックとエルサレムズロットの住人が沈黙したまま像を運ぶ異様なパレードのシーンの曲です。

Avalanche by Leonard Cohen

シーズン2第9話の挿入曲

エースがレイシーの奥様にレイシーが地下牢の青年について知っていたことを教えて欲しいと頼むシーンのBGM

平行してクリスの死を嘆くナディアとそこへ到着するポップの様子も描かれています。

Danny Boy by Johnny Cash

この曲はアイルランドの民謡で、ポップはアイルランド系です。

スティーブン・キング自身にもアイルランドの血が入っています。

参考:スティーブン・キング|Wikipedia

そういえばシャイニングのあの男の子はダニーという名でした。

名前に深い意味があるのかどうか不明ですが、キャッスルロックとシャイニングが深くかかわっているのは間違いないでしょう。

ポップが外のエースとトランシーバーで話す場面のBGM

トランシーバーでのやり取りは複数回ありますが、アンがジャマールを殺した後のほうでのBGMです。

Avenue of Hope by I Am Kloot

ナディアたちが線路を走って渡る場面のBGM

ポップはエンポリアム・ガローリアムでエースに撃たれます。

What He Wrote by Laura Marling

シーズン2最終回第10話の挿入曲

ナディアとアブディがマーステン地下に続く穴に爆弾を仕掛ける場面のBGM

アンとチャンスはジョイを探しに急ぎます。

Troubled Waters Cat Power