【あしたのジョー全出来事83】力石攻略なるか 丹下ジムの特訓結実
力石との対戦を前に丹下ジムの狂気の特訓は続いています。そのとき、ジョーのストレートが一閃。試合の前日のことでした。でも…力石は、ジョーのすべてを読んでいます。ジョーがこの練習をすることも、練習を乗り越えて望むパンチを手にすることも、何もかも予想しています。パンチョ・レオとの試合をジョーに見せたことも、力石の作戦のうちだったのです。
力石との対戦を前に丹下ジムの狂気の特訓は続いています。そのとき、ジョーのストレートが一閃。試合の前日のことでした。でも…力石は、ジョーのすべてを読んでいます。ジョーがこの練習をすることも、練習を乗り越えて望むパンチを手にすることも、何もかも予想しています。パンチョ・レオとの試合をジョーに見せたことも、力石の作戦のうちだったのです。
アニメでは、白湯をこぼして葉子に礼を言う力石の目元がキラッと光ります。そのまま背を向けて歩いていくので、誰も力石の涙に気付かなかったと思いますが、アニメの力石はこのとき涙ぐんでいます。深夜、地下倉庫の力石は暴れだし、鍵のかかったドアをぶち破って水道へと走ります。しかし、たどりついた蛇口には針金が…いきなり冷水を飲むと危険だという医師のアドバイスから、葉子がやったことでした。代わりに葉子は、ポットの白湯を力石に差し出します。
力石が地下倉庫で寝苦しい夜を過ごしていると、葉子が現れ、たまには外へ出ましょうと言い出します。一体なんのために?夜なんだから寝かせておくのが一番マシでは?もしかして力石の見ていた夢?海には行っていないけど倉庫に花は置いてあるという状況で、力石は花から連想した夢を見ていた?
力石は、バンタムのウェイトを保つため、相変わらずサウナのような部屋で練習をしています。段平と西がふたりがかりでジョーをアッパー攻撃する特訓は、連続アッパーからふいにストレートを出すスタイルにグレードアップしています。原作とアニメの相違点ジョーの特訓の進捗が違います。アニメではこの時点で、アッパー→ストレート×クロスカウンターを習得していますが、原作では難航して、試合の前日にようやく成功します。
この西の名言「あの人は根性があるよってに」は、ほとんど取り上げられるがなく、これからも注目されることはないでしょう。「根性があるよってに…」あの人は強いからとか、あの人は天才だからではなく、根性があるから。西は、自分が力石のように世界タイトルを狙うような選手になれると思っていないでしょう。それは資質の違いです。でも、才能では負けていても、根性でなら勝てるはず。このときから西は、泣き言を言わなくなり、地道に勝ち星を積み上げていきます。アニメにはこの場面がありません。
「痩せさらばえる」と言いますが、今夜の力石がちょうどそんな風情です。ガウンを脱いだ力石の体に後楽園ホールは、声を失っています。闇雲にアッパーを出してはかわされ、いたずらに体力を消耗するだけの力石は、外観だけでなくそのパンチにも見る影がありません。客席のジョーは怒り出しています。
最近の西は変です。隠れてなんか食ってるのでしょう。この有名エピソードは、原作とアニメ、ほとんど何も変わりません。ただ…アニメの西は、殴られるとき左手にどんぶりを持っているのです。ジョーに首根っこをつかまれて立たされ、殴られる。この間どんぶり持ったままだったってのが、おかしくて。私は、鼻からうどんよりこっちのほうに笑ってしまうのです。
ジョーと力石の対戦に反対のスタンスだった段平が、試合を承諾しました。少年院時代に「プロで決着をつけろ」と言ったの誰よ、と思わないでもないのですが、あの頃はまだ、ジョーと力石の不思議な結びつきがここまで強いものとは思っていなかったのでしょう。ジョーと力石は、段平の思惑を超えてしまっているのです。段平の不安は、段平自身の想像をも上回る形で実現されるのですが、ジョーにも力石にも、試合を見送るという選択肢はありえず、運命は加速しています。
水絶ちのため、地下倉庫に鍵をかけて水道と自分自身を遮断しようというのです。これ、あと何日やるつもり?ジョーとの試合はまだ、実現すら決まっていないのに。一言も話をせず、リンゴの力石にあからさまに引いている風のふたりですが、席順から考えると、このふたりが葉子の両親なのかなと思います。影が薄いこのふたりが親?白木家もやっぱり変です。
葉子には力石がひどい減量をしてまでジョーと戦う理由が分かりません。人には、これをやって死ぬならそれで構わないと思うことがあります。葉子がそれを理解するのは、ずっとずっと後のことです。もがき苦しみながら、最後にその答にたどり着いた葉子を知っているから、今のこのウザ葉子にもエールを送りたい気持ちになります。でもさ…やっぱもう黙っときなよ。