【あしたのジョー全出来事143】対カーロスEx.ジョーが肘打ち
カーロス・リベラとのエキシビションは、ジョーがロープ際の戦略に上回ったところから、互角の戦いになりました。第3R、壮絶な打ち合いが続く中ジョーは、右の肘でカーロスの顔面を打ちます。数回見ただけでカーロスのテクニックを盗んだジョーのエルボースマッシュでした。実はこの時、ジョーもカーロスも立ったまま気を失いかけていたのです。
カーロス・リベラとのエキシビションは、ジョーがロープ際の戦略に上回ったところから、互角の戦いになりました。第3R、壮絶な打ち合いが続く中ジョーは、右の肘でカーロスの顔面を打ちます。数回見ただけでカーロスのテクニックを盗んだジョーのエルボースマッシュでした。実はこの時、ジョーもカーロスも立ったまま気を失いかけていたのです。
カーロスの考えは、こうです。ロープに寄りかかって距離をとっている敵には、ジャブは効かず、ストレートでつっこめばカウンターが返ってくるが、横からのスイングで倒せばよい。カーロスの発想は、ジョーの狙いどおりでした
エキシビションでの出来事なので、原作だけでアニメにはありません。原作とアニメでは、引退後の西と丹下ジムの関係が、かなり違います。アニメでは、林屋で働きながら最後までジョーの試合にはセコンドとして参加する西ですが、原作では、そうはなりません。林屋さんから頼りにされ、仕入れや取引先との商談にもあたるようになると、ジムからは足が遠のきます。
エキシビションが原作にしかないので、厳密にはこのエピソードも原作だけのものです。でも、アニメ2でも試合の前に同じ場面があります。こちらでは、段平は怒らずワンカップを呑んで酔っ払っています。カーロスの強さを恐れる段平をジョーが逆に安心させようとする控室の様子からは、ボクシングにおいてジョーがもう段平のはるか上に行ってしまっていることが伺われます。
ジョーのロープ際作戦に段平は反対です。スパーリングでジョーがカーロスを本気にさせたのが、ロープの反動を利用したカンガルークロスだったのは事実だけれども、あれほどの選手が同じ手を二度食うわけがないというのです。でもジョーは、二度食わない敵だからこそ勝機があると考えているようです。
突然来日したヘンリー・ジェイムズは、「タイトルマッチのチャンスなので今すぐ帰ろう」と提案しますが、カーロスが説得に応じないと見ると山谷を訪れます。金を渡してジョーに試合をやめさせようという腹でしたが、それも断られると今度はカーロスの前に札束とホセの写真を並べます。
カーロスが口にした次の対戦相手の名は「ジョー・ヤブキ」葉子はハッと目を見開き、段平はオロオロ、ロバートは慌てふためいていますが、ジョー自身も驚いています。控室でロバートは、カーロスに「世界タイトルへの挑戦権を棒に振るつもりか」と詰め寄りますが、カーロスの心は決まっています。
原作とアニメ1では、1分でKOすると予告して16秒で終わらせますが、アニメ2での予告は、1ラウンドKOで17秒でKOです。
このマイナーチェンジは、なんのため…?いずれにしろ、カーロスがあっという間にタイガーを倒してしまうので、カーロスを弱いと思い込んでいた観客だけでなく、ジョーや葉子まで驚いています。
段平は、必死で「カーロスに実力などない、グズ野郎だ」と言い聞かせようとしますが、ジョーは、段平が本心ではそう思っていないことを見抜いています。なおも「ボクシングから足を洗え」と説得する段平に腹を立てたジョーはジムを出て行ってしまいます。
南郷、原島を倒し、残すはタイガー尾崎だけとなったカーロスは、1ラウンドKOを予告します。KO予告の中味がちょっと違う原作とアニメ1では1分以内のKO。アニメ2では1ラウンドKOです。